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フランス・パリに新潟県産品を販売するアンテナショップ「キナセ」がオープンしました。米、日本酒、刃物、食器など新潟県が誇る商品を、フランスの消費者へ紹介、販売するための店舗です。同店は公益財団法人にいがた産業創造機構の協賛で、株式会社グラムスリーが運営。「日本」というくくりで展開されるショップは今までしばしばありましたが、一つの県に特化した恒久的な店舗は、海外ではなかなかありません。その点からも今回のオープンは新潟県の本気度が伝わってきます。
2018年7月10日(火)のオープン初日は、テープカットの後、木寺昌人駐フランス大使やパリ6区区役所シャンタル・ランベール・ビュラン区長補佐、公益財団法人にいがた産業創造機構・武本清志副理事長、株式会社グラムスリー・坂本明社長が挨拶。同店で取り扱われる日本酒が、おちょこに入れられ、オープニングイベントの来場者に配られました。
店舗は、入って左手にまず日本酒が、右手には魚沼産コシヒカリなど米、カウンターには包丁、そして奥の棚には器などが並びます。「できるだけ多くの生産者の方に出店のチャンスを」という思いから、少ない数でも取り扱うことで、新潟県内産業の海外進出をサポートしています。
ここ数年、日本酒は一気にパリで認知度が増してきました。包丁など日本製品の刃物も、パリでは評判が高く、わざわざそれを探して買う人もいます。ただし、フランスは日本文化に好意的な人は多いですが、フランス社会にこれら商品が一般的に広がっているわけではありません。興味を持ったフランスの消費者を、いかに購買へ結びつけさせ、日用のものとして根付かせていくかが大切です。
たとえば日本酒。「ワイングラスで飲んでもらえるようなフルーティーな日本酒を入口に、まずフランス人に日本酒というものを知ってもらうことを考えている。そこから少しずつお酒の選択肢として、日本酒を選んでくれる人がフランスで広がってもらえたら」と、同店担当者はフランス人客への提案方法を考えています。
「現時点ではまだ並んでいないものの、今後置きたい商品は?」という質問に対して、同店担当者は「柿の種を置ければいいですね」とのこと。パリで柿の種をつまみながら新潟の日本酒を飲めるなんて、それこそ日本にいるような体験ができそうです。
内装も見逃せません。インテリアデザインを担当したのが、エロイーズ・ボスレドンさん。「キナセ」と同じ通りにあるフランスの有名シェフ、シリル・リニャックのショコラトリーも彼女が手がけています。ボスレドンさんによれば、「天井に配置されたすだれは、流れる水をイメージしている」そうです。新潟の風景や酒蔵からインスピレーションを受けた「フランス人が思う=想像する新潟」が表現されています。
「キナセ」は新潟弁で「いらっしゃい」という意味。パリにいながら日本酒や新潟の食品、伝統工芸品の詳しい説明を受けられ、試食や試飲ができます。カフェエリアでは店内で販売されている日本酒、そのほかの食品を組み合わせた一品を、売られている器で試食もできます。
いかがでしたか。新潟県産品を販売するアンテナショップ「キナセ」を紹介しました。ここで新潟を体験して、新潟へ行ってみようというフランス人が増えるかもしれません。