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福島県田村市滝根町の鍾乳洞「あぶくま洞」で開催中のイルミネーションイベント「地底と海の物語~イルカに願いを~」を紹介します。2018-19年のテーマは「海」です。太古の海から形成された鍾乳洞と山間部に位置する福島県田村市との不思議なつながりに因んだもので、郡山市にある専門学校(学校法人国際総合学園FSGカレッジリーグ)の生徒たちとの共同制作により創りあげられています。今回は、ライトアップされ神秘的な造形美が続く「あぶくま洞」へと案内します。
福島県田村市滝根町の鍾乳洞「あぶくま洞」では、2018年12月1日(土)から2019年2月28日(木)までの期間、イルミネーションイベント「地底と海の物語~イルカに願いを~」が開催されています。
約80,000,000年という悠久の時をかけて創られた「あぶくま洞」は、人類の想像を超える"地球の謎"に包まれており、学術的にもたいへん貴重な存在となっています。本イベントでは、その「あぶくま洞」を舞台に、LEDライトを使った壮大なイルミネーションが展開されています。
1969(昭和44)年、「あぶくま洞」は、石灰石の砕石中に発見されました。現在、公開されているのは600メートルほどですが、未公開部分はさらに2,500メートル以上も続いています。
イルミネーションイベント「地底と海の物語~イルカに願いを~」は、1年を通して気温が15度前後に保たれる鍾乳洞を舞台にしていることもあり、冬の厳しい天候に左右されることなく、また日中でも楽しむことができます。
それでは、早速、「あぶくま洞」の中へ入っていきましょう。イルミネーションの入口は、クラゲをイメージしたバルーンなどが配置され、長いトンネルの形状をしています。まさに、"海中"へと誘われていくような錯覚を抱きます。
イルミネーションの入口から進んでいくと、メインブースである「若人の窟」へと辿り着きます。「若人の窟」は、暖かな南の海がイメージされています。
メインモチーフには、"寄り添うイルカ"が採用されています。「あぶくま洞」が福島県内で「恋人の聖地」に認定されていることに因み、夫婦や恋人といった愛し合うふたりが表現されています。
さらに進んでいくと、イルミネーションの出口付近には、ワインセラーがあります。全国的にも珍しい、山ブドウを原料とした赤ワイン「あぶくまワイン北醇」のワインセラーです。地元の田村市滝根町で生産された山ブドウが用いられ、豊かな果実味と柔らかな口当たりが特徴的です。
また、洞内の別の場所では、半年以上熟成された貯蔵ワインが扱われており、洞内の特性(年間を通して温度、湿度が一定)を利用して製造されたワインは、味がまろやかな逸品として重宝されています。
なお、売店で購入できる「あぶくまの天然水」は、阿武隈高原のカルスト台地が育んだミネラルたっぷりの天然水。日本人の口にあう軟水のため、雑味が少なく、コーヒーやお茶はもちろん、だし汁、お酒の水割り、赤ちゃんのミルクなど、幅広く使える隠れた名水です。
通常公開されている洞内を順路に沿って巡り、最後に光のトンネルを抜けると、イルミネーションは終了となります。出口部分は、海中から出てくるにつれて太陽の光が差し込み、次第に明るくなる様子が表現されています。海中散歩を終え、太陽の光を浴びながら陸上へと帰って来るイメージです。
「あぶくま洞」の外には「恋人の聖地」"誓いの鐘"があります。
NPO法人地域活性化支援センター認定の「恋人の聖地」は、国内に130ヵ所以上あります。2016年4月、福島県内では「あぶくま洞」が認定されました。石灰岩採掘跡の切り立った岩場と滝根市田村町の街並みを眼下に望む眺望のよさに加え、洞内の神秘的な空間が、プロポーズに相応しいロマンチックなスポットとして評価されました。さらに、「震災後の東北で明るい気持ちになって欲しい」との願いも込められています。
なお、この一帯は、例年6月中旬から7月中旬頃にかけて、約1ヘクタールの斜面に50,000株のラベンダーが咲き誇る県内最大級のラベンダー園としても人気があります。
「恋人の聖地」"誓いの鐘"から望む先には、天文家たちから"美しい星空の宝庫"と称賛される阿武隈高原があります。そして、この阿武隈高原には、その星空を存分に楽しんでもらおうと「星の村天文台」が設置されています。
高さ16メートル、3階建てのドームには、福島県内で最大となる口径65センチメートルの反射式天体望遠鏡が備え付けられ、定期的に観察会などが催されています。「あぶくま洞」の地球の神秘とあわせて、天文台から望む宇宙の神秘にも思いを馳せてみると、さらに壮大な自然のスケールを感じることができます。
いかがでしたか。「あぶくま洞」で開催中のイルミネーションイベント「地底と海の物語~イルカに願いを~」を紹介しました。壮大な自然のスケールを感じに、「あぶくま洞」へ出かけてみてはいかがでしょうか。