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2018年の流行語となった「映え」。有名かつ人気の絶景ポイントで自撮りしSNSにアップするのもいいけれど、2019年はその一歩先へ踏み出しましょう! 特定の日時、期間しか見たり体験できない“期間限定イベント”でとっておきの写真や動画を撮って、一生の思い出作りを。
例えば、ランタンの幻想的な光が夜空を埋めつくす、台湾・新北市の平渓ランタンフェスティバル。新北市は台北市内からのアクセスもよいのでおすすめです。2018年の中秋節(9月下旬)に開催されたランタンフェスティバルを訪れました。
平渓ランタンフェスティバルの会場は、台鉄平渓線平渓駅近くの中学校でした(年によって変更あり)。午後4時過ぎに会場に着くと校内はすでに人であふれかえっており、みな準備の真っ最中。体育館の中には高さ4mを越える大型の天灯が鎮座し、最後の仕上がりチェックが行われていました。このイベントは人々の幸福と平安を祈り、台湾民俗の奥深さ美しさを伝承する意味もあるそうです。なお、次回の平渓ランタンフェスティバルは元宵節の2019年2月19日の予定。実施時期についての詳細は、新北市政府のホームぺージで確認ください。
見学や撮影だけなら当日の夕方5時頃までに到着すればOK。しかし、ランタン揚げに参加したい場合は当日朝8~9時頃に現地で配布される整理券が必要です。近場のホテルに前日から泊まり、整理券をもらったあとは昔ながらの町並みが残る平渓老街(旧市街)を散策したり、地元の台湾庶民料理を味わって過ごすのがおすすめです。
午後6時、女性タレントのアナウンスとともにお祭りが開幕! バンド演奏や、地元中学生の太鼓演舞などを経て、いよい天灯を空に放つ時がやってきました。ランタンには、願いごとを書きこみます。家族や自分自身の健康を願う人、仕事の成就を祈念する人……。中には「○○さんと結婚できますように!」と大書している男性もいました。
数百、いや数千はあるでしょう。小さな赤い光が漆黒の空に漂い、遠ざかって最後は闇に吸い込まれてゆく。何とも幻想的で風情があります。この祭りは十数年にわたり続いており、2013年にはアメリカCNNの「世界の参加する価値のあるイベント52選」や世界最大の旅行出版社Fodor’sの「世界の死ぬまでに参加すべき14大イベント」の一つに、また2016年にはナショナルジオグラフィックで「世界の冬に行くべき10大観光地」として紹介されたそう。ちなみに、上横位置のような密度感のある写真を撮るには超広角レンズが必要。フィッシュアイ(魚眼レンズ)を用意しましょう。
平渓線の終点、菁桐駅の駅舎は日本統治時代に建築された歴史あるもの。炭鉱で栄えた菁桐は今は人気の観光地で、炭鉱関連の資料館やみやげ物店、駅弁のおいしい食堂などがあります。現在の平渓線のダイヤグラムは、菁桐駅に到着後戻りの瑞芳駅行き列車の出発時間まで、最大1時間15分くらいの間隔がある場合もあります。運行ダイヤを確認し、時間を有効に使って観光しましょう。
台鉄平渓線の十分駅近辺は、線路に老街(旧市街)が面しているため、間近に鉄道を見ながらときに電車の軌道(線路)に下りつつ街歩きができます。線路の両脇にはランタン屋さんが軒を並べており、老街からは一年中ランタンを空に放つことができます。
駅近くからタクシーで数分の地には“台湾のナイアガラ瀑布”と呼ばれる十分瀑布があり、周囲は公園になっています。この滝は見もの! 水量がとても豊かで高低差もあるため、滝壺に近い場所は傘をささないとビショ濡れになってしまいます。太陽の角度によっては虹も見られるのです。ランタンフェスとともに、ぜひ訪れましょう。
新北市政府観光旅遊局 https://tour.ntpc.gov.tw/ja-jp
一部、2018年9月以外に撮影した写真を掲載しています
※地球の歩き方MOOK『台湾の歩き方2019-20』には16ページの特別付録冊子『新北市日和』が付属しています。詳しくは下記をご参照ください。