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岡山市の南部、児島湖周辺には、ソメイヨシノより約1ヵ月くらい早く咲き始め、開花期間も長い河津桜が咲き乱れる「児島湖花回廊」と「倉敷川千本桜」と呼ばれるエリアがあります。岡山県内で早咲きの河津桜が見られるおすすめの花見スポットを2つ紹介します。
河津桜は、オオシマサクラ系とカンヒサクラの自然交配種と推定され、伊豆の河津町の河津川沿いの雑草のなかで芽吹いていたのを、地元の飯田勝美氏(故人)が見つけたといわれています。濃いピンクの花が、1月下旬から約1ヵ月の長期間にわたり咲き続けたことから、注目されはじめたそうです。
気温の変化により、つぼみが開いたり閉じたりを繰り返しながら、徐々に咲いていきますから、満開になるまで長い間、花が楽しめるそうです。咲き終わった花から散っていきますので、ソメイヨシノと同じように花吹雪も趣があります。
岡山県内で見られる河津桜のなかでも大規模なのが、「児島湖花回廊」と呼ばれるエリアです。児島湖は、児島湾の奥を堤防によって締め切って造られた人工湖で、ダム湖を除くと世界第2位の大きさを誇るといいます。
この湖の周囲やその周辺に地域住民や有志の手で植樹、育成をして、児島湖周辺を河津桜の里にしようというプロジェクトが続いています。2018年3月までに5,746本の河津桜が植えられています。
「児島湖花回廊」エリアで河津桜を観るなら、一番華やかな阿部池の周囲がおすすめです。阿部池は、干拓地の農業排水を流すために児島湖を仕切ってできた池で、冬場の最盛期には2万羽を超す鴨が飛来する県下最大の水鳥の渡来越冬地です。3月はまだ鴨たちも池で泳いでいますので、お花見とともにバードウオッチングも楽しめますよ。
また、阿部池に隣接する岡南飛行場や花回廊ゴルフコースの敷地内にも河津桜が咲き誇っています。さらに、少し離れた浦安総合公園にも河津桜が咲き乱れ、この周辺の幹線道路や用水路沿いなどは、ほとんどが河津桜の街路樹となっています。
一方、「倉敷川千本桜」というのは、美観地区の南端の入船橋下流部の親水広場から粒浦の芝生広場までの約3キロメートルの川沿いのエリアを指し、約1,000本の河津桜が並んでいます。
倉敷川は、高梁川から取水される倉敷用水を水源とし、白壁の蔵と柳並木などで有名な美観地区の辺りが最上流で、下流は児島湾へと流れている2級河川です。これらの河津桜は、倉敷川沿いを桜の名所にしようと取り組む市民団体「倉敷川千本桜の会」によって植えられたものです。
「倉敷川千本桜」エリアで河津桜を観るなら、堤防がおすすめです。堤防の上は車が走りませんので、散歩コースとしても最適です。こちらも阿部池ほどではありませんが、水鳥の姿も見られインスタ映えしそうな写真が楽しめます。
2019年の見ごろは、長引く暖冬傾向や年末年始の大寒波など不安定な天候であったこともあり、3月下旬頃までと予想されています。河津桜の花が散るころには、いよいよ本格的な春がやって来ます。
いかがでしたか。河津桜が咲き乱れる「児島湖花回廊」と「倉敷川千本桜」の2つのエリアを紹介しました。なお、河津桜の見ごろは、今後の天候によって変動しますので、最新情報を確認して出かけましょう。