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タイ王国の玄関口、スワンナプーム国際空港からバンコク市内の主要駅まで、列車を使った移動方法を紹介します。なかでも、観光客向けのホテルが多いバンコク・スカイトレイン(BTS)のアソーク駅(Asok)までのアクセスについて、エアポート・レール・リンク(ARL)から地下鉄(MRT)を乗り継いで行く方法を説明します。
タイ・バンコクには、大きく分けると3つの鉄道会社の路線が広がっています。
●エアポート・レール・リンク(Airport Rail Link:ARL)<赤>
●バンコク・スカイトレイン(Bangkok Mass Transit System:BTS)<黄緑、緑>
●地下鉄(Mass Rapid Transit:MRT)<青>
タイ王国のスワンナプーム国際空港からバンコク都内へ列車で移動するためには、最初に、エアポート・レール・リンク(Airport Rail Link:ARL)を利用します。ARLは、スワンナプーム国際空港駅(Suvarnabhumi)とバンコク市内の7駅を結ぶ都市高速鉄道です。
ただ、観光客の方が宿泊するようなエリアには、ARLの駅がありません。そのため、途中のマッカサン駅(Makkasan)で地下鉄(Mass Rapid Transit:MRT)に乗り換えて、または、終点のパヤータイ駅(Phaya Thai)でバンコク・スカイトレイン(Bangkok Mass Transit System:BTS)に乗り換えて、バンコク市内の主要エリアへ向かうことになります。
ただし、目的地の最寄り駅がBTS沿線だからといって、必ずしも、パヤータイ駅で乗り換える必要はありません。プルンチット駅(Phloen Chit)、およびそれ以東へ向かう場合は、運賃の面からマッカサン駅で乗り換えた方がよいでしょう。
運賃を見ると、プルンチット駅までパヤータイ駅経由で向かうと、パヤータイ駅でARLからBTSへ1回の乗り換えで合計75バーツ(ARL代45バーツ+BTS代30バーツ)です。
一方、マッカサン駅経由で向かうと、ARLからMRTへの乗り換えと、MRTからBTSへの乗り換え、合計2回の乗り換えが必要になりますが、合計74バーツ(ARL代35バーツ+MRT代16バーツ+BTS代23バーツ)で済みます。
なお、乗り換えが必要となるパヤータイ駅、マッカサン駅~ペチャブリー駅(Phetchaburi)、スクンビット駅(Sukhumvit)~アソーク駅(Asok)には、エレベーターやエスカレーターが設置されています。スーツケースを持ち上げながら階段を昇る必要がありませんので、荷物の多い観光客でもスムーズに移動できます。
以上から、スワンナプーム国際空港からバンコク市内へ列車で移動する場合、まずは、目的地の最寄りとなる駅を確認し、ARLのどちらの駅(パヤータイ駅かマッカサン駅のどちらか)で下車すべきかを事前に調べておくとよいでしょう。
スワンナプーム国際空港の到着ゲートからARLの乗り場へ行くには、至る所にある「Airport Rail Link」の案内板や、急行列車を意味する「Express Line(※)」や各駅列車を意味する「City Line」の表示板に従って進みます。
案内板どおりに進んでいくと、スワンナプーム国際空港のB階にあるARLのスワンナプーム国際空港駅の乗り場(改札)に到着します。
※現在、「Express Line」の車両は使われていますが、急行列車の運行はありません。以前、急行列車がマッカサン駅とパヤータイ駅のみに停車していた名残りです。
ARLの運賃は、15~45バーツです。始発駅から隣駅までが15バーツで、1駅延長するごとに5バーツずつ加算される仕組みです。スワンナプーム国際空港駅から5駅目のマッカサン駅まで35バーツ(約23分)、7駅目(終点)のパヤータイ駅まで45バーツ(約30分)です。
ARLの運行時間は、平日は5時33分から24時00分まで、土・日曜、祝日は、5時30分から24時00分まで、約8~20分の間隔で運行されています。
券売機は、タイ語または英語表記です。タイ語になっている場合は、右上の「English」の部分をタッチすることで、英語表記に切り替えられます(画面1)。
続いて、行先の駅名をタッチします。今回は、目的地をBTSアソーク駅としているため、乗り継ぎ駅であるARLマッカサン駅までの乗車券を購入します(画面2)。
駅名をタッチした後、乗車券の必要枚数を選択します(画面3)。表示される金額の紙幣や硬貨を投入すると、コインの形をした乗車券が出てきます。釣銭と乗車券の出口が異なりますので、取り忘れに気を付けましょう。
改札を通過する際は、乗車券をかざし、素早く通過するようにしましょう。下車時は、改札機の穴に乗車券を投入します。
ARLマッカサン駅で下車後、BTSアソーク駅まで行くためには、一度、MRT(地下鉄)に乗り換える必要があります。
まず、ARLマッカサン駅から近接するMRTペチャブリー駅(Phetchaburi)へ徒歩で移動します。次に、MRTペチャブリー駅から隣駅のMRTスクンビット駅(Sukhumvit)へは地下鉄を利用して移動します。そして、MRTスクンビット駅から連結しているBTSアソーク駅へ徒歩で移動します。
マッカサン駅の改札を出たら、MRTの案内板に従って進んでいくと、徒歩約8分でMRTペッチャブリ駅に到着できるでしょう。階段のある所には、エスカレータ―やエレベーターがあります。
MRTペチャブリー駅に到着したら、BTSアソーク駅と連結しているMRTスクンビット駅(※)までの乗車券を購入します(料金は16バーツ)。
※BTSとMRTが交わるポイントです。BTSアソーク駅とMRTスクンビット駅は連結しています。
MRTの乗車券の購入方法は、ARLの乗車券とほぼ同様です。表示言語は、タイ語または英語です。英語で購入する場合、右上にある言語で、「English」をタッチした後、目的地のスクンビット駅(Sukhumvit)をタッチし、表示される金額を投入すると、コインの形をした乗車券が出てきます。
MRTの券売機には、ARLの券売機と異なる点が2点あります。複数人分の乗車券をまとめて購入することができず、一人分ずつ購入しなくてはならない点と、券売機によっては紙幣を使えない点です。券売機で乗車券を購入できない場合は、駅係員のいる窓口で、行先の駅名を告げることで乗車券を買うことができます。
乗車券購入後は、改札を通過し乗り場(ホーム)に降りたら、フワランポーン駅(Hua Lamphong)方面行きの列車に乗るようにしましょう。
MRT(地下鉄)に乗り、MRTスクンビット駅に到着したら、BTSアソーク駅へと続く3番出口へ向かいましょう。エスカレーターやエレベーターを利用して、BTSアソーク駅へ行くことができます。
BTSアソーク駅は、ホテル「シェラトン グランデ スクンビット(Sheraton Grande Sukhumvit)」や「ザ・ウェスティン グランデ スクンビット(The Westin Grande Sukhumvit)」、「グランデ・センター・ポイント・ターミナル21(Grande Centre Point Terminal 21)」、ショッピングモール「ターミナル21(Terminal21)」、「ロビンソン百貨店(Robinson Department Store)」にも直結しています。
BTSアソーク駅からは、BTSに乗車して、さらに遠方のBTS沿線の駅へ移動することができます。
BTSアソーク駅でも、BTSパヤータイ駅でも、改札の前に券売機があります。ARLやMRTの券売機と同じように、タッチパネル式になっています。表示言語(タイ語または英語)を選択した後、目的地とする駅名を選択し、表示される金額を投入し、乗車券を購入します。
ただし、BTSの券売機では、紙幣を使うことができません。使えるのは、1バーツ、5バーツ、10バーツの硬貨のみです。硬貨が手元になかったり、不足している場合は、駅係員のいる窓口で、紙幣から硬貨への両替を依頼します。
ARLとMRTを利用すると、ARLスワンナプーム国際空港駅からBTSアソーク駅(=MRTスクンビット駅)までは、わずか51バーツ(ARL代35バーツ+MRT代16バーツ)、しかも、1時間程度で到着します。
なお、ARLスワンナプーム国際空港駅からBTSアソーク駅までは、ARLとBTSを利用して、パヤータイ駅経由で行くこともできます(合計82バーツ:ARL代45バーツ+BTS代37バーツ)。
ARLは、2019年4月、利用者増加に対応するため、列車のダイヤ改正が行われ、平日朝夕のピーク時の運行本数も増加されました。ただ、ARLでの移動中、盗難にあったという人もいます。スリには、くれぐれも気を付けるようにしましょう。
いかがでしたか。スワンナプーム国際空港駅からBTSアソーク駅(=MRTスクンビット駅)まで、ARL(エアポート・レール・リンク)とMRT(地下鉄)を乗り継いで行く方法、そして、BTS(バンコク・スカイライン)の利用方法を紹介しました。スムーズに移動して、タイの旅をたっぷりと楽しんでください。
※記事内の運賃表記は、2019年5月現在のものです