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【360°】日本のてっぺんを目指す、北海道宗谷本線鉄道の旅 旭川~名寄

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2019年6月7日
公開日
2019年6月7日
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桜の花が見頃の塩狩駅

北海道が桜の季節を迎えたばかりの5月上旬、旭川から日本最北の鉄道駅稚内まで、さまざまなアクティビティを体験しながら、宗谷本線を使って北上しました。沿線の見どころと鉄道旅の実行方法についてご紹介します。

旭川からCMで一躍有名になった比布へ

駅舎は新しいが風情の残る比布駅

最初の目的地は、故樹木希林さんと当時のピップ会長とのやりとりが人気を集めた、CMロケ地になった比布(ぴっぷ)駅。旭川から20分ちょっとで到着します。

CM当時の駅舎は今はありません。駅舎は2016年に建て替えられており、現在の駅は無人駅となっています。しかし新しい駅舎にはカフェがオープンしており、途中下車して楽しむのにちょうどいい施設が整っています。新駅舎のオープン時に樹木希林さんから贈られた色紙もありますので、ひと回りして見学するといいでしょう。

地元の名産品が売られていた。右奥に樹木希林さんの色紙

■ ピピカフェ
・営業時間:
7:00~9:00、10:00~19:00
(ランチは11:30~13:30、18:30ラストオーダー)
・定休日: 火曜

三浦綾子の小説の舞台、塩狩峠は桜の名所

住居1階のリビングスペース

小説「塩狩峠」のクライマックスシーンの事故が起きた塩狩峠には、主人公のモデルとされる鉄道職員長野政雄氏殉職の碑が立ち、三浦綾子さんの旧宅も移築され、塩狩峠記念館(三浦綾子旧宅)として公開されています。

訪れた5月上旬はちょうどエゾヤマザクラが満開直前で、1カ月遅れのお花見を楽しむことができました。駅の周辺は桜の名所となっており、桜見物の人々が車でも訪れていました。

列車の暴走を止めるために殉職した長野氏の碑

2019年6月現在、塩狩駅に停車する列車は上り下りともに9本ずつです。昼間は運行間隔が空くので(9:00~17:00の間は2往復のみ!)、効率よく巡るならひとつ先の駅和寒(わっさむ)まで快速を使い、タクシーで塩狩に戻り観光しましょう。

お昼頃、ちょうどすれ違いの列車が到着していた

■ 塩狩峠記念館(三浦綾子旧宅)
・営業時間: 4~10月 10:00~16:30、11月 10:00~15:30
・定休日: 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、12月~3月(2月28日は開館)
・料金: 大人 200円

士別から訪れる観光ポイント

これぞ北海道!の風景が見られる

和寒と名寄(なよろ)のちょうど中間に位置する士別市は頭と足が真っ黒なサフォーク種のヒツジを飼育しているエリアです。合宿の町としても知られ、マラソンなどの練習のためにここを訪れるアスリートも多いそうで、小規模の旅館も充実しています。

サフォーク種のヒツジは肉質が柔らかくジンギスカン用の上質の肉が得られる品種です。観光施設「羊と雲の丘」では、シープドッグのショーやヒツジの毛刈りを見ることができ、サフォーク種ヒツジの肉を食べることもできます。

自分で焼き加減を調整できるラム焼き肉定食は2200円

レンタカーでの移動と十分な時間を必要としますが、士別市の西にある朱鞠内(しゅまりない)湖では釣りを楽しむこともできます。朱鞠内湖は北海道最大の人造湖で、幻の魚として有名なイトウも生息しています。釣りのルールが細かく決められているので、事前に情報を確認し朱鞠内湖の管理事務所でも再確認を行いましょう。

朱鞠内湖展望台からの眺め

■ 羊と雲の丘
・営業時間:
売店 10:00~18:00、レストラン 11:00~19:00、
めん羊館 9:00~18:00(4~9月 入館料大人200円)
※シープドッグショーとヒツジの毛刈りショーは不定期開催

SL排雪列車と空いっぱいの星を見に名寄へ

保存状態がよく細部まで間近で見られるキマロキ

初日の最終目的地は名寄でした。個人旅行で鉄道を乗り継いで観光する場合もここを1泊目の滞在場所とするのがいいでしょう。

名寄は冬の気温がマイナス20度以下になることもあり、ダイヤモンドダストやサンピラー現象が見られる、寒さを楽しめる場所としても知られています。また質の高いもち米の産地でもあり、生産量もダントツの1位。伊勢の赤福にも使われています。

マックレー車の雪かきで集めた雪をロータリー車に送る

鉄道ファンとして外せない見どころは「キマロキ」の展示。キマロキは「機関車(キ)」「マックレー車(マ)」「ロータリー車(ロ)」「機関車(キ)」の4両編成のSL排雪列車を意味します。マックレー車で雪を集め、ロータリー車で線路から離れた場所に雪を飛ばし、前後の機関車で力強く雪かきの作業を行っていました。

機関室の見学もできるのがうれしい

名寄にはこの4両編成の状態で静態保存されており、機関室の見学もできます。夕方はいい具合に太陽の光があたり、絶好のライティングで撮影ができました。

週末に名寄を訪れていたら、日本で2番目の大きさを誇るピリカ望遠鏡で星を見られるチャンスがあります。早めに夕食を済ませ天文台も訪問しましょう。
町の郊外にある「なよろ市立天文台 きたすばる」では、プラネタリウム上映のほか、屋上観測室や北海道大学所有の1.6mの主鏡をもつピリカ望遠鏡で星を見ることができます。ピリカ望遠鏡での観測が可能なのは金~日の19:00~21:30です。

この日は屋上観測室の望遠鏡で月を見せてもらった

■ キマロキ
北国博物館の野外展示物。北国博物館の情報は以下のページから。
・URL: http://www.city.nayoro.lg.jp/section/museum/

■ NPO法人 名寄観光まちづくり協会
・URL: http://nayoro-kankou.com/wp/

旭川~名寄のモデルスケジュール
旭川駅 10:33発→比布駅 10:56着/比布駅11:50発→和寒駅12:14着/和寒→塩狩(タクシー移動)/塩狩駅13:11発→士別13:46着/士別16:11発→名寄16:32着

■ 7月~9月に観光列車「風っこ そうや」を運行
2019年7月~9月にかけ、宗谷本線で観光列車「風っこ そうや」が運行されます。7月27日から8月12日までの7往復(土・日・祝)は稚内~音威子府間を。8月17日から9月8日までの8往復(土・日)は旭川~音威子府間を走ります。全席指定で停車駅ではさまざまなおもてなしイベントが開催される予定。夏休みの旅行計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。

宗谷本線の旅第二弾では名寄から稚内までの旅をレポートします。

取材協力: 北海道観光振興機構、JR北海道
地球の歩き方編集部 小山田浩明

【北海道宗谷本線鉄道の旅】
▸第二弾: 名寄~稚内編はこちらから
▸第三弾: 稚内の歩き方はこちらから

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