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2018年10月から1年間(※延長の可能性あり)、日本人の短期観光ビザが免除になり、渡航がしやすくなったミャンマー。成田から全日空(ANA)の直行便も飛んでおり、約8時間で中心都市ヤンゴンまで行くことができます。少し前までは未知の国というイメージが強かったかもしれませんが、今や渡航もしやすくなり、独特な絶景スポットも多いことから旅好き注目の国として人気が急上昇中。世界三大仏教遺跡のひとつバガンや、落ちそうで落ちないゴールデンロック、岩山の頂上に立つ天空の寺院、そしてSNSで話題の無数の仏塔が密集するカックー遺跡など、ミャンマーならではの不思議な絶景が見られるスポットを厳選してご紹介します。
ヤンゴンから最寄りの町キンプンまで車で約4時間。そこから専用のトラックに乗り換え約1時間、標高1100mの山頂にチャイティーヨー・パヤー(通称ゴールデンロック)があります。ここはミャンマー人憧れの巡礼地。ゴールデンロックはただの珍しい岩ではなく、人々の強い信仰の対象となっています。
様々な寺院や祈りの場があるなかで、ひときわ異彩を放つゴールデンロック。落ちそうで落ちない岩の上には、高さ7mほどの小さな仏塔が立ち、この中におさめられている「ブッダの頭髪」がバランスをとっているのだとか…….。
近くで見ると岩の下に人が入れるほどの隙間が空いており、地面に接しているのはほんの一部。ますます謎は深まるばかりです。ただ、熱心に祈る人々の様子を眺めていると、信仰の力がこの神秘的な光景を創りだしているのかなという気がしました。
岩にはお坊さんをはじめ、たくさんの男性陣がお祈りをしながら、岩に金箔をペタペタと貼り付けていました。これが、ゴールデンロックが金色をしている理由です。女性は残念ながら岩にはさわれませんでした。
ゴールデンロック観光はヤンゴンから日帰りもできますが、少し慌ただしいので山頂で1泊するのもおすすめです。山頂には宿泊施設やレストラン、みやげもの屋がたくさんあり、滞在に困ることはないはず。サンセット、夜のライトアップや早朝のサンライズ時など、神秘的なゴールデンロックのさまざまな姿を拝むことができますよ。
ミャンマー観光のハイライトといえばバガン遺跡。エーヤワディー川流域の大平原に大小約3300以上もの仏塔が林立する、世界三大仏教遺跡のひとつ。約40㎢にもわたるエリアを車やバイクで巡り、形も大きさも多様な寺院の数々を見ることができます。寺院内部には美しい仏像や壁画が残り、どれも芸術作品と呼ぶにふさわしいものばかり。何もないところにこれだけの数、バリエーションの寺院をどうやって造りあげたのか……。人々の信仰心の強さを感じ、好奇心は尽きません。
ただ、数千もの仏塔が林立するバガンの「スケール感」は地上からはなかなかわからないので、空から見るのがいちばん!
バガンでは早朝の気球ツアーが大人気。夜が明けきらないうちに大空に飛び立つと、眼下の木々の間にうっすらと見える仏塔群とエーヤワディー川。そのうち朝日が昇ってきます。
幻想的な霧に包まれる朝、光に照らされ木々の間からニョキニョキと姿をあらわす古い仏塔群と、青空に無数に散らばるカラフルな気球。そして、遮るもののない空から眺める大きな大きなサンライズ。夢のような景色が目の前に広がります。
「これぞバガン!」といった憧れの光景は、空からでないと見られません。パッケージツアーなどでは組み込まれていることが少ないのですが、ぜひアレンジをするなどして参加してみてください。
10~3月のハイシーズンは満員必至なので早めに予約を。4~9月のローシーズンも運航はしていますが、天候不良などで飛ばないことも多いので注意してください。
バガンまで行ったらぜひ一緒に訪れてほしいのが、ポッパ山の麓にあるタウンッ・カラと呼ばれる岩山の上にある寺院。バガンからは車で約1時間なので半日で観光ができます。
縦長の特異な形をした岩山は一説によると、ポッパ山が昔噴火した際に山頂部が吹き飛ばされて落下したものだとか!
その頂にそびえる寺院には、ミャンマー土着宗教のナッ神が祀られており、頂上まではみやげもの屋を通りながら777段の急な階段(参道)を上っていきます。道中ではイタズラ好きなサルたちに注意を。頂上からはポッパ山周辺の大自然が見渡せ絶景です。
参道や頂上の寺院など各所では、ナッ神である聖人たちにお参りします。聖人像の見た目は、普通のおじさんのリアルな人形といった感じなので、初めはギョッとして少しためらってしまうかもしれません。お参りの際はお札を聖人像の体にはさむというのも、ちょっとおもしろい体験です。
ミャンマーは敬虔な仏教国でありながら、土着宗教の信仰も盛んで、「タバコ好きな錬金術師ボー・ミー・ガウン」など、たくさんのユニークな聖人たちが大切に信仰されていました。
バガンの東、シャン高原最大の湖インレー湖周辺もミャンマーならではの風光明媚な景色が見られるエリアとして人気です。少数民族が多く住み、独特な文化も魅力的。
拠点となるニャウンシュエの町から船に乗り、浮草の間、水路を移動すると広々とした湖に出ます。周辺にはインター族が住み、片足で小舟を巧みに操りながら漁をする独特の光景を目にすることができます。
また、浮島には彼らの水上村があり、織物や葉巻の工房を見学したり、お買い物もできますよ。浮草の繊維から造った織物など珍しいものも。
巨大な水上寺院もあり、中には不思議な金箔の団子状のものが祀られています。なんとこれ、仏像だとか。もともと普通の仏像の形をしていたところに、金箔を貼り過ぎたため、団子のように丸くなってしまったのだとか。こちらもゴールデンロック同様、男性のみふれられるのですが、みなさん熱心に祈って金箔を貼り付けていました。やはり信仰心の強さや真剣さは伝わってくるのですが、台座の外から見ていると、ちょっと不思議でほほえましい光景でした。
インレー湖からぜひ足を延ばして訪れたいのが、最近SNS映えすると人気急上昇のカックー遺跡。インレー湖畔の町ニャウンシュエからは車で約2時間です。
12世紀頃に王様がこの地域に住むパオ族とシャン族の各家庭にひとつずつ仏塔を寄進するように指示したのがはじまりで、最終的には2478を超える巨大な仏塔群が誕生したのだとか。
無数の仏塔群が密集し、整然と並ぶ姿はまさに仏塔の森。ゆっくりと間を歩きながら各仏塔の違いに注目してみましょう。各家庭の部族や財力の違いにより、形や大きさが異なるのだとか。
また、風が吹くと、各仏塔に付けられたたくさんの小さな鐘が一斉にシャララララ~ンと鳴り響き、とても心地いいのです。神秘的な雰囲気が一層高まります。
最後は、写真映え抜群の「水面に映る仏塔群」を撮りに行きます。写真を見ると大きな湖に映っているように見えますが実際は……。これは行ってみてちょっとビックリ!なのですが、ぜひ現地で体験してみてください。ともあれ撮影必須のポイントなので撮り忘れのないようにご注意を。
写真だけではわからない独特の雰囲気や、見れば見るほど好奇心をくすぐられる絶景・奇景が盛りだくさんのミャンマー。旅好きならぜひ訪れたい国には、地球の歩き方スタッフも大注目。
大好評『aruco magazine』 のvol.2でも、他の女性スタッフが実際に旅したミャンマーのリアル体験談を掲載。ヤンゴンやマンダレーについてもご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
aruco編集部 池田祐子