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ドイツには、個性豊かな魅力的な町がいくつもあり、いざ旅をしようと思ったら、どこへ行くべきか迷ってしまうはず。今回は中世の趣を色濃く残す町や、圧巻の大自然、音楽やアートを一度の旅で満喫できる、ドイツの“ザクセン州”をaruco編集部おすすめの美景スポットとともにご紹介します。
ドイツには16の連邦州があり、そのひとつがザクセン州です。ドイツ東部に位置し、チェコ、ポーランドと国境を接しています。州都は中世にザクセン王国の都として繁栄した「ドレスデン」。そのほか、音楽の町と言われるバッハやワーグナーゆかりの「ライプツィヒ」や美しい磁器のふるさと「マイセン」を擁する、芸術と文化を堪能することができる旅先です。
エルベ川を挟んで新市街と旧市街に分かれるドレスデン。新市街側から川ごしに旧市街を見渡す夜景は必見。ライトアップされた壮麗なバロック建築たちがきらめきながら、水面に映る様子は夢のような美しさです。
ドレスデンで注目の見所のひとつが、ザクセン王の居城だった「レジデンツ宮殿」。建物の1階にある「歴史的緑の丸天井」は、ザクセン選帝侯アウグスト強王のコレクションである金や宝石細工の美術品を堪能できるゴージャスな空間。1日の入場数を制限しているので、予約必須。2階にある「新しい緑の丸天井」では、貴重なクリスタルやエナメルなどの工芸作品を展示していて、こちらも必見。
2019年1月には新たな見所として、「舞踏ホール」が公開となり、9月には新たにアウグスト強王時代の「謁見の間」がお目見えする予定です。
また、ザクセンを知る上で外せない場所が「ツヴィンガー宮殿」。アウグスト強王の時代に建てられたバロック建築の傑作です。内部には3つの博物館があり、なかでも「アルテ・マイスター絵画館」に所蔵されている『システィーナのマドンナ』に描かれているふたりの天使は世界一有名な天使と知られる作品です。
ドレスデンの多くの歴史的建造物がそうであるように、ツヴィンガー宮殿も第二次世界大戦の爆撃で大きな被害を受け、1990年のドイツ統一以降に修復し、忠実に再生されたものです。
旧市街の風景とは対照的な、斬新な見た目の「クンストホーフパッサージュ」は、ショップやカフェ、レストラン、アパートなどが集まる人気のおしゃれスポット。なかでも楽器型の雨どいがおもしろい、ブルーの外壁のアパートはフォトジェニック!
ドレスデンの南東部、チェコとの国境近くに広がる奇岩地帯は、「ザクセンのスイス」とよばれる国立公園になっています。もっとも圧巻なのが、岩山と岩山の間にかかるバスタイ橋というアーチ状の石橋。自然が造りだした雄雄しい奇岩と、人工的な建造物が見事に調和した絶景は、わざわざ行く価値のあるザクセンの至宝です。
ドレスデンの北西約25kmに位置するマイセンは、石畳の路地に古都の風情があふれる美しい町。エルベ川を望む高台に、15世紀に建てられた「アルブレヒト城」やゴシック様式の尖塔が天を付く「大聖堂」が堂々とそびえます。
マイセン焼の故郷として知られ、約3000点の磁器が並ぶ「マイセン磁器工場」の博物館はマストスポット。作業工程を見学をし、アウトレット価格で磁器をゲットしたあとは、マイセン磁器でザクセン名物のスイーツ「アイアシェッケ」をいただける「カフェ・マイセン」にもぜひ立ち寄ってみて♪
ライプツィヒは、ゲーテやニーチェが学んだ「ライプツィヒ大学」があり、バッハやシューマン、ワーグナーといった音楽家たちゆかりの場所が町のそこかしこにある、芸術と音楽の町。バッハが28歳~65歳で亡くなるまでの約27年間、音楽監督を務めた「トーマス教会」の主祭壇の前には、バッハのお墓があり、ステンドグラスには肖像も描かれています。
ポーランドと国境を接するドイツ最東部の町ゲルリッツは、第二次世界大戦で破壊を免れた歴史的建築が多く残り、小さいながらも“ドイツでもっとも美しい町”と称される宝石のような町。
『グランド・ブダペスト・ホテル』をはじめ、数々の映画のロケ地となっており、石畳の路地裏に迷い込むと、まるで中世にタイムトリップしたような気分に。ドレスデンやマイセンと違い、団体旅行客がぞろぞろ歩いている姿を見ないので、ゆったりと古都を楽しみたい人におすすめの穴場タウンです。
ドイツのザクセン州には魅力あふれる個性的な町がいっぱい。旅の詳しい情報は『arucoドイツ』や『地球の歩き方 A14 ドイツ』をチェック!初夏から初秋にかけてベストシーズンを迎えるドイツへの旅を楽しんでくださいね。
aruco編集部 福井由香里