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ブルガリアの首都、ソフィアの観光スポットとして有名なアレクサンドル・ネフスキー大聖堂(Cathedral Saint Aleksandar Nevski)を紹介します。黄金の屋根をもつドームと白い壁が印象的な建築物で、1904年から工事が始まり1912年に完成しました。ブルガリアのおもな宗教、ブルガリア正教の教会であり、ブルガリア正教最大級の聖堂とされています。アレクサンドル・ネフスキー大聖堂の見どころにを紹介します。
アレクサンドル・ネフスキー大聖堂(Cathedral Saint Aleksandar Nevski)の最寄り駅は、地下鉄ソフィア大学(Sofia University)駅です。ソフィアの中心部セルディカ(Serdika)駅の隣駅です。
ソフィア観光の中心となるエリアは、地下鉄セルディカ(Serdika)駅からソフィア大学(Sofia University)駅にかかる一帯です。ソフィアは、ヨーロッパ最古の都市のひとつで、7,000年以上の歴史があり、歴史的建造物や古代ローマ時代の遺跡などが多く残っています。
アレクサンドル・ネフスキー大聖堂は、そんなソフィアの観光スポットが集まるエリアに位置します。
ソフィア大学駅の地下鉄の改札を出て地上に上ると、建築としても有名なソフィア大学がすぐに目に入ります。ソフィア大学を背に国会議事堂方面に進みましょう。国会議事堂を通り過ぎて右に曲がると、目の前にアレクサンドル・ネフスキー大聖堂が現れます。アレクサンドル・ネフスキー大聖堂の周囲は駐車場となっているため、車でアクセスすることも可能です。
アレクサンドル・ネフスキー大聖堂には、7:00から19:00まで入ることができます。入場料は無料です。ただし、中で写真撮影をする場合は、教会内の売店にて10BGN(2019年9月現在)で撮影チケットを購入する必要があります。
キリスト教の宗派といえば、カトリックやプロテスタントが有名ですが、ブルガリアやギリシャ、ロシアでは、正教会(オーソドックス)と言われる宗派が主流です。アレクサンドル・ネフスキー大聖堂は、ブルガリア正教の教会として機能しており、観光客以外にも多くの地元の方が祈りに訪れます。
アレクサンドル・ネフスキー大聖堂の名前の由来は、ロシア正教会の聖人であるアレクサンドル・ネフスキーからきています。なぜ、ブルガリア正教の大聖堂にロシアの聖人の名がつけられたのでしょうか。
それは、1877年の露土戦争で、ブルガリアはロシアの助けがありトルコから独立するきっかけを得たためです。その時の戦死者を祀るため、アレクサンドル・ネフスキー大聖堂は建設されました。
ブルガリアは、独立の記念にアレクサンドル・ネフスキー大聖堂と国会議事堂の建設を決めました。アレクサンドル・ネフスキー大聖堂が現在の場所に建設された理由は、この場所が標高550メートルとソフィアでもっとも標高が高かったからと言われています。
建設には多額の資金が必要となりましたが、建設の際にはブルガリア全土から寄付が集まりました。このエピソードからも、アレクサンドル・ネフスキー大聖堂の建設は市民にとって関心が高く、待望のものだったことがわかります。
アレキサンドル・ネフスキー大聖堂の大きさは、最長部73.5メートル、ドームの高さは鐘楼を含めると52メートルにもなります。ビザンツ様式を取り入れて設計されたアレキサンドル・ネフスキー大聖堂は、トルコ・イスタンブールにあるアヤソフィアを意識して作られました。
ソフィア市内には多くの教会がありますが、ほかの教会と比べても、アレキサンドル・ネフスキー大聖堂は大きく、圧倒的な存在感を放っています。アレキサンドル・ネフスキー大聖堂の外観の特徴といえば、光り輝く2つの大きな金色のドームでしょう。金色のドームは、鉄骨の上に金箔が重ねられており、年に一度、張り替えが行われます。
アレキサンドル・ネフスキー大聖堂の塔には、大小12個の鐘があり、大きなものは11.7トンもあります。それらすべての鐘は、滑車の原理のみを利用し、機械を使わず、力自慢のブルガリア人の人力のみで揚げられたとの逸話が残っています。
少し近づいてみると、ドアの上部に聖人のモザイク画が描かれています。正教会の宗教画では、写真のように頭の後ろに金色の輪が描かれている人は聖人とされています。西側にある正面入り口の上の方には、聖人アレクサンドル・ネフスキーのモザイク画があります。
アレキサンドル・ネフスキー大聖堂の内部の見どころを正教会の教会の特徴と合わせて3つ紹介します。
まずは、入り口から見て奥に見えるイコノスタシスという壁。正教会では、すべての教会の東側が祭壇となっていて、イコノスタシスで仕切られています。その壁の奥には聖職者しか立ち入ることができません。
イコノスタシスにはイコン(イエスや聖人、聖書の場面などを描いた絵画)が飾られています。大聖堂内には3つのイコノスタシスがあり、それぞれの絵画に特徴があります。
次に、アレキサンドル・ネフスキー大聖堂内には、椅子・パイプオルガン・彫像がありません。これは、着席せずに伴奏なしで祈るのが、正教会の基本的なスタイルだからです。
アレキサンドル・ネフスキー大聖堂内には、彫像がない代わりに壁や柱にたくさんの絵があります。聖堂内中央のドームを見上げると、そこにもモザイク画が描かれているのでぜひ見てみてください。
最後に、アレキサンドル・ネフスキー大聖堂内の両側にある黄色いロウソクとロウソク立ても特徴のひとつです。正教会では、神に祈る際には、イコンの前にロウソクを灯すという伝統があります。教会内でロウソクが販売されており、祈りに訪れた方が灯していきます。
1965年から、アレキサンダル・ネフスキー大聖堂の地下は、イコン美術館として開放されています。アレキサンドル・ネフスキー大聖堂の正面入り口に向かって左側にある小さなドアが美術館の入り口です。
地下に降りる階段も趣があります。階段を降り、扉を入ったところで、入場料6BGN(2019年9月現在)を支払います。フラッシュを使用しなければ、館内は写真撮影可能です。館内には、イコン(聖像)のほかに祭器などが飾られています。
筆者は、初めてこの美術館に入る時、教会の地下というと少し重苦しい雰囲気があるのでは、と懸念していました。けれども、実際に行ってみると、白い壁でいくつもドーム状の天井が連なった造りの館内は、明るく、清潔感もあり、入りやすい雰囲気でした。
いかがでしたか。ソフィアの観光スポットでありながら、実際の教会としても機能しているアレキサンダル・ネフスキー大聖堂。ブルガリアの歴史を含めてアレキサンダル・ネフスキー大聖堂の見どころについて紹介しました。ブルガリア・ソフィア旅行の際には、ぜひお立ち寄りください。