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京都には紅葉の名所が数多くありますが、京都市右京区の清滝の紅葉を紹介します。嵐山から嵯峨鳥居本を経て、清滝トンネルを抜けると清滝に着きます。清滝から高雄までの上流は「錦雲渓」と呼ばれ、錦雲のような鮮やかな紅葉が広がります。清滝から桂川までの下流は「金鈴峡」と呼ばれ、金の鈴のようなまばゆい紅葉が広がります。清滝川沿いには東海自然歩道が通っていて、紅葉狩りが楽しめます。
上の写真は、清滝に続く清滝トンネルです。トンネルのこの形。そうです、ここは昔、列車が走っていました。愛宕山鉄道のトンネルだったのです。トンネルを抜けると清滝に着きます。
清滝は、京都府京都市右京区にある愛宕山麓の東南側を指す地名です。清滝川の谷あいでは、松尾芭蕉が句を詠み、与謝野晶子が歌を詠んだことでも知られます。
2019年の紅葉の見頃は、11月上旬から11月下旬にかけて。清滝川沿いに連なる東海自然歩道を歩いて、秋の紅葉狩りを楽しみましょう。
清滝の歴史は、平安時代の愛宕山参りに始まります。江戸時代に入ると、愛宕山の参詣道にあたる清滝には、大名に供奉する人々が住居を構えました。すると、大勢の参詣者が集まる宿場町に成長し、旅籠や茶屋が軒を連ねていったそうです。
昭和初期になると、愛宕山鉄道が、嵐山から清滝を結ぶ鉄道(3.4km)を開通させました。嵐山から清滝へは電車が、清滝から先はケーブルカー(2.0km)が愛宕山まで通っていました。当時の清滝は、遊園地を有する京都の一大レジャーランドとして栄え、愛宕山にはロッジホテルやスキー場があったそうです。
戦争の時代に入ると、愛宕山鉄道やその施設は、 閉鎖に追い込まれました。戦火が激しくなると、線路などは軍備資材として転用され、電車も全線が不要不急線に指定され、廃線となりました。愛宕山のロッジホテルなどの観光施設もすべて閉鎖されてしまいました。
戦後は、観光スタイルの変化もあり、寂れた時期もありましたが、近年は穴場の紅葉狩りスポットとして盛り上がりをみせています。東海自然歩道の京都一周トレイルなど、休日を中心に愛宕山に向かうハイカーでにぎわいます。また、初夏には、ホタルやカジカ、満天の星が見られる渓谷としても人気があります。
渡猿橋(とえんきょう)は、清滝川に架かる京都の雰囲気が漂う丹塗りの橋です。その渡猿橋のそばには、松尾芭蕉の句碑と与謝野晶子の歌碑があります。
上の写真は、俳人・松尾芭蕉の句碑。
「清滝や 波に散り込む 青松葉」
上の写真は、与謝野晶子の歌碑。
「ほととぎす 嵯峨へは一里 京へ三里 水の清滝 夜の明けやすき」
京へ三里とは、どのくらいの距離なのでしょう。一里は約4kmですから、三里は約12kmくらいでしょうか。
与謝野晶子は清滝を訪れると、猿渡橋近くの旅館に逗留していたそうです。
東海自然歩道散策の拠点・清滝へ行くには、路線バスを利用します。JR京都駅から京都バスに乗車すれば、約1時間15分で清滝停留所に到着します(天候、交通事情による)。運賃は460円(大人)です。
秋になると、京都には紅葉狩りを楽しもうと多くの観光客が訪れます。観光客は、嵐山から嵯峨野辺りまでが多く訪れ、清滝まで来る人はさほど多くありません。昭和の色合いを深く残す清滝。真っ赤な紅葉が清流に映え、ここならではの紅葉の景色をゆったりと観られます。
■清滝
・住所: 〒616-8452 京都府京都市右京区嵯峨清滝
いかがでしたか。紅葉の穴場スポット、清滝を紹介しました。真っ赤に燃える紅葉を観に、宿場町の面影が残る清滝へ出かけてみませんか。
なお、紅葉の見頃は、今後の天候などによって変動しますので、最新情報を確認して出かけましょう。