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ホーチミンの歩き方!東西の文化が融合するエキゾチックタウンを観光

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2020年6月4日
公開日
2020年6月4日
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フレンチコロニアル建築と発展する町のコントラストは興味深い©iStock

ベトナム最大の商業都市ホーチミンは、フランス植民地時代に“東洋のパリ”と呼ばれるほど急速に近代都市へと発展を遂げました。現在も市内にはフランス統治時代を彷彿とさせるコロニアル建築が残り、成長するベトナム経済を象徴するような高層ビル群との競演が印象的です。一方ノンラーをかぶった女性が道端で露店を営む姿や、天秤棒を担いだ商人が町を練り歩く姿は、旅人をどこかノスタルジックな気分にさせます。近代的な町並みの中に懐かしい香りが漂う、ホーチミンへ出かけてみましょう。

ホーチミンについて

高層ビルが建ち並ぶ東南アジア有数の大都市©iStock

●ホーチミンの概要
ベトナム南部の中心地ホーチミンは、首都ハノイをしのぐ最大の商業都市。東京都よりひと回り小さい市内に約798万2000人の人口を抱え、その数は年々増加傾向にあります。ベトナムの年齢中央値は32.5歳と、日本の48.4歳と比べても格段に若く、町なかですれ違うのは若者ばかり。

またホーチミンは月の平均最高気温が30.6度から33.9度と1年を通して暖かく、ほかのベトナムの地域と比較して台風などの天災が少ないことで知られています。過ごしやすい環境は、大らかで快活な南部ベトナム人の気質をつくり、ホーチミン市内を歩いているだけでどこか開放的な雰囲気を感じられるはずです。

市内は24の行政区画に分けられ、観光客が密集する1区と3区、欧米系の在住者が多く西洋の香りが漂う2 区、18世紀後半にホーチミンに流れ着いた華人が今も多く住む5区など、区ごとに町の雰囲気ががらりと変化します。訪れる場所によって常に新しい発見があることも、ホーチミンが旅行者から愛される理由のひとつです。

●ホーチミンの歴史
かつてホーチミンはサイゴンと呼ばれていました。フランス植民地時代には“東洋のパリ”と称されるほど発展を遂げ、北ベトナムが1975年4月30日にこの町を支配するまで南ベトナム共和国の首都でした。都市の名前が変わった現在も観光スポットをはじめ各所に残る「サイゴン」の名前や、フランス統治時代に建てられたコロニアル様式の建物が戦争の記憶をとどめています。ちなみにホーチミンとは、ベトナムの革命家で、建国の父。親しみを込めて“ホーおじさん”の愛称で呼ばれています。

ベトナムの歴史を見守ってきた中央郵便局はコロニアル建築が印象的©iStock

●ホーチミンへの行き方

ベトナム航空はベトナムのナショナル・フラッグ・キャリア©iStock

日本からホーチミンへはベトナム航空、ベトジェット・エア、全日空、日本航空の4社が直行便を運航しています。ベトナム航空は成田、中部、関西、福岡から毎日の運航。ベトジェット・エアは成田、関西から毎日の運航。全日空は成田、関西から毎日、福岡からは水・木・日曜の運航。日本航空は成田、羽田から毎日運航しています。飛行時間は成田、羽田から約6時間、中部から約5時間55分、関西からは約4時間35分、福岡からは約5時間20分です。

首都ハノイのノイバイ国際空港と比べ、ホーチミン市の玄関口タンソンニャット国際空港は市内中心部へのアクセスがよいのが魅力。観光スポットが集まる1区まではタクシーで約25分、およそ15万ドン~です。

ホーチミンの天気・気候

雨季は激しいスコールが降ることが多いので雨具を忘れずに©iStock

常夏のホーチミンは熱帯モンスーン気候に属し、乾季と雨季に分かれます。乾季の11月から4月頃までは日差しこそ強いものの、湿度は低く過ごしやすい観光のベストシーズン。ただし雨季直前の4月は平均最高気温が33.9度と年間で最も暑く、湿度も徐々に上がってくる時期。4月に渡航する際は特に熱中症に注意してください。

Tシャツやハーフパンツなど日本の夏と同じような服装で快適に過ごせますが、朝晩は気温が下がることが多く、過度な冷房対策のためにも羽織るものを1枚持っていくと安心です。雨季にあたる5月から10月は気温、湿度ともに上がり、うだるような暑さが続きます。ときより激しいスコールが降るので雨具を忘れずに。

ホーチミンで絶対外せないおすすめ観光スポット

市場は第2次世界大戦で焼失し、現在の市場は1950年に再建されたもの©iStock

●ホーチミン観光の定番、ベンタン市場
ベンタン市場は観光スポットの集中する1区の中心部にあり、毎日のように多くの観光客でにぎわうホーチミン観光の基点。約1万㎡の敷地に2000軒を超える商店や食堂を抱える市内最大の市場であり、南側は日本人におなじみの高島屋が入るサイゴンセンターが建つレロイ通り、北側は日本人街と呼ばれるレタントン通りに面しています。

広大な市場は東西南北の4ヵ所に入口があります。レロイ通りに面する南口は、乗りつけたタクシーや客待ちの運転手でごった返す、市場の正面玄関。中に入るとTシャツなどの衣類やタオル、アオザイ用の生地を販売するお店がひしめき合っています。

反対の北口周辺は、生肉や鮮魚といった生鮮食料品を扱う地元市民の台所。早朝には活気あふれる市場の様子が見られます。

東口付近は野菜、乾物、日用雑貨などあらゆる物が山積みにされ、統一感のなさから何を買おうか迷ってしまうほど。西口はかわいいサンダルやポーチなどの雑貨店が多く、積極的な客引きの声が響くにぎやかなエリアです。

個性的なショルダーバッグ。掘り出し物が見つかるかもしれません!

毎晩19時頃になると市場の両脇の道路にテントが出現し、ナイトマーケットが開催されます。洋服や雑貨の店が大半を占めますが、食事を出す屋台も出店し、どこからともなくいい匂いが漂ってきます。ナイトマーケットは24時頃まで続くので、夜の散歩がてら気軽にアジアの屋台を体験してみてはいかがでしょう。

●悲惨な戦争の爪痕を残すクチ・トンネル
ホーチミンの中心部から北西へ約70km、途中にある現在のクチの町から約30Km離れたところにクチ・トンネルがあります。ベトナム戦争当時、この地域には解放戦線の拠点がおかれ、鉄の三角地帯と呼ばれた難攻不落の場所でした。現在はサイゴン川近くのベンユックと、そこから東に15km離れたベンディンの2ヵ所を見学することができます。

トンネルの周りは公園のように整備され、射撃場や土産物店が集まる©iStock

かつてのクチはベトナム戦争激戦の地であり、反米・反サイゴン政権を掲げる南ベトナム解放民族戦線(以下ベトコン)の拠点として総距離約250kmにも及ぶ手掘りの地下トンネルが造られました。これに対し米軍は大量の空爆と枯葉剤を用い殲滅を試みましたが、その都度ベトコンはトンネル内に隠れ、クチは難攻不落の「鉄の三角地帯」との異名を取りました。

観光客はまずトンネル手前の部屋に通され、ベトコンの戦いや地元住民の暮らしに関する記録映画を視聴した後、トンネルに向かいます。トンネルの入口は大人ひとりがやっと通れるサイズで、身体の大きい米軍兵士は簡単には入れない構造。加えて入口の蓋は枯葉などで覆われ、簡単には見つけられないようになっています。

身体をかがめて中に入ると、狭い通路は迷路のように枝分かれしており想像するよりもずっと薄暗い空間です。最後まで米軍と戦い抜いた当時のベトコンの苦悩を感じ取ることができます。ホーチミン市内からクチ・トンネルまでは直通の交通機関がなく、ホーチミンのベンタン・バスターミナルからクチ行きのバスに乗り、クチからさらにバスを乗り継ぐことになるので、旅行会社のオプショナルツアーに参加するか、車をチャーターするのが便利です。

落ち葉でカモフラージュされた入口はなかなか見つからない©iStock

●ホーチミンの流行の発信地、ドンコイ通り
サイゴン大聖堂からサイゴン川まで延びるドンコイ通りはホーチミンの目抜き通り。観光客の多いパークハイアットやシェラトンといったホテルもこの通りに面し、ヴィンコム・センター、ユニオンスクエアなどの大型ショッピングモールが軒を連ねる市内随一のショッピングストリートとしても知られています。

またフランス植民地時代に建てられたコロニアル様式の建物が多く、新旧の建物が美しく交わる様子から“ベトナムのシャンゼリゼ通り”と呼ばれることもあります。ドンコイ通りとレタントン通りが交わる場所には宮殿のようなホーチミン人民委員会庁舎がそびえ、ドンコイ通りの東端には市内を代表するコロニアル建築のひとつ、マジェスティック・ホテルが建っています。

ドンコイ通りは観光客の大半が必ず訪れるショッピンストリート©iStock

●赤レンガが美しいホーチミン随一のコロニアル建築、サイゴン大聖堂
ホーチミンで最もにぎわうドンコイ通りの西端に建つのがカトリック教会。フランス統治時代の19世紀末にネオゴシック様式で建てられた教会は、天を貫くような2つの尖塔が荘厳なたたずまいを見せます。壁面の赤レンガに施された幾何学模様の穴は、高温多湿のホーチミンの気候に合わせたもので、美しさと実用性が共存したデザインで知られます。

教会内に入ると、目を引くのは華やかなステンドグラス。合計56枚の色鮮やかなステンドグラスには、バラの花や聖書の登場人物、出来事が描かれています。朝や夕方はステンドグラス越しに色とりどりの光が差し込み、堂内を華やかに彩ります。日曜のミサには多くの信者が訪れ、いつもは静かな教会がにぎやかに。ミサの時間帯も見学はできますが、信者の邪魔にならないようにご注意ください。

イルミネーションスポットとしてライトアップされるクリスマスの時期には、教会の周りで小さなナイトマーケットが開かれ、厳かな教会が柔らかな雰囲気に包まれます。

教会の正面には1959年にローマから運ばれたマリア像が鎮座する©iStock

●ホーチミンの盛衰を見つめてきた市民劇場
ドンコイ通りに堂々と立つ市民劇場は、ファサードの彫刻が美しい市内を代表するコロニアル建築のひとつ。フランス植民地時代の1898年にオペラハウスとして建てられ、ベトナム民主共和国の独立をめぐり勃発した第1次インドシナ戦争時には、敗れたフランス人が一時的にこの劇場に避難していました。1956年以降は南ベトナム共和国下院議会の議場の役割を担い、1975年に再び劇場として使用されるようになりました。

エントランスに彫られた美しい彫刻を写真に収める人も多い©iStock

建物正面のデザインは同年代にフランス国内で建てられた美術館プティ・パレとの共通点が多く、植民地時代の宗主国フランスの影響力の強さを物語っています。

劇場ではおもにTeh DAR・THE MIST・AO SHOWの3つの公演が行われ、特に17種類の伝統音楽とベトナムの日常生活に欠かせない竹を使ったアクロバティックなパフォーマンスで、穏やかな南部の農村を表現するAO SHOW(アー・オー・ショー)は定期的に行われる人気の公演。劇場内にはショーなどの上演時のみ入れます。

1階エントランスの真っ白な壁面のところどころに彫られた彫刻と、階段に敷かれた真っ赤な絨毯が、これから始まるショーへの期待を膨らませてくれます。西洋建築の中で東洋の香りが漂うベトナム芸能を鑑賞するという体験は、東西の文化が交錯するホーチミンならではの思い出になるはずです。

●360度の眺望が自慢の展望台、サイゴン・スカイデッキ
ビテクスコ・フィナンシャル・タワーはベトナムの国花であるハスの花をかたどったホーチミン市内で2番目に高い高層ビルです。その49階にある「サイゴン・スカイデッキ」は地上178mの高さからホーチミンの町を360度見渡せる人気の展望台。周囲に視界を遮る建物がないため、遠く離れた地平線まで眺めることができます。

展望台には付近の観光名所や地名などが表示されるタッチパネルが備えられており、ホーチミンを初めて訪れた人も、主要エリアの位置関係を簡単に把握することができます。まずは展望台からの眺めを楽しみながら、滞在するホテルを基点に旅のプランを練るのもおすすめです。

展望台の北側には市内で一番高い、高さ461mのランドマーク81が見える©iStock
市内中心部を流れるサイゴン川と林立する高層ビル©iStock

●静かなときが流れる市民の癒しの場、グエンフエ通り
ドンコイ通りとレタントン通りに挟まれ、正面にホーチミン人民委員会庁舎を望むグエンフエ通りは、歩行者天国として地元の人々の憩いの場になっています。イベント会場になることも多く、サッカーベトナム代表の試合の際はパブリックビューイングの会場になり、ベトナムの旧正月には「フラワーロード」と称され色とりどりの花が道を彩ります。

歩行者天国の真ん中には噴水が設置され、常夏のホーチミンの空に向かって勢いよく噴射する水が何とも涼しげな印象を与えてくれます。おすすめは、ライトアップされたホーチミン人民委員会庁舎が幻想的に浮かび上がる夜。親密そうに語り合う男女、散歩を楽しむ家族連れ、走り回る子供達……特別なものは何もありませんが、だからこそホーチミンという町の日常を肌で感じることができます。

庁舎の前にはホーチミン像と、ピンク色のハスのオブジェが美しい円形の噴水があり、庁舎をバックにハスの花とホーチミン像を写真に収めれば、ベトナム感たっぷりのSNS映え写真のでき上がりです。

通りはきれいに整備された公園のよう。人々が散歩を楽しんでいる©iStock
ライトアップされたホーチミン像と、はためく国旗が堂々たる装い

●眠らない道(ブイヴィエン通り)
ホーチミン市民の台所ベンタン市場から西に約10分歩くと、ブイヴィエン通りに到着。安宿や格安ツアーを手配する旅行会社が集まるこのエリアには、世界中からバックパッカーが押し寄せ、雰囲気はバックパッカーの聖地と称されるバンコクのカオサン通りのよう。
日中のブイヴィエン通りは、大きな荷物を担ぎながら宿を探す旅人を見かけるくらいで特段見どころはないのですが、夜になると通りは表情を変え輝きを放ちます。ギラギラとしたネオンと大音量のダンスミュージックが騒々しい約200mの通りには、喧騒の中で夜風を浴びながら飲食を楽しむ地元の若者達と旅行者が入り乱れ刺激的なムードが漂います。

店の前に机や椅子を並べたオープンスタイルのカフェやバーが目立ちますが、なかには店内のスクリーンでスポーツを観戦できるスポーツバーやビリヤード、ダーツなどを楽しめるバーも。心わきたつホーチミン随一の夜遊びスポットです。

最もにぎわいを見せるのは、通りが歩行者天国となる金曜と土曜©iStock

ホーチミンで絶対に寄りたい、おすすめのレストラン・カフェ3選

ウッディなデザインが落ち着いた雰囲気のピザ・フォーピース

●絶品イタリアンが味わえるピザ・フォーピース
ベトナム国内に20店舗を出店する日本人経営のモダンイタリアン・チェーン。ダナンの農場で生産した自家製チーズや、国内の農家と協力して栽培した新鮮な野菜などが自慢。自家製へのこだわりや、スタイリッシュな店舗のデザインが評判を呼び『The New York Times』やBBCなど海外メディアからも注目を集める人気店です。

おすすめは店内にある手作りの薪窯で焼き上げたピザ。なかでもふわふわのブッラータチーズとパルマハムが載ったマルゲリータは絶対に外せない一品です。

焼きたてのピザの熱で、とろりと溶けるブッラータチーズは絶品

・住所: 8 Thủ Khoa Huân, Phường Bến Thành, Quận 1, Hồ Chí Minh
・時間: 10:00~翌2:00(日曜~23:00)
・休み: 無休

●ベトナム家庭料理をカジュアルに楽しめるチーホア・ベトナミーズ・キュイジーヌ
定番のベトナム家庭料理を味わえるカジュアルな雰囲気のレストラン。ホーチミンの中心に位置するレストランながら、前菜が5万ドンからと価格はかなりリーズナブル。7時から10時まではバインミーやフォーなどの朝食が食べられます(3万ドン~)。

ランチやディナーは、高温で揚げたカニにパッションフルーツ・ソースをあえたソフトシェルクラブ(2万3500ドン)と牛肉と野菜のフォー炒め(1万500ドン)が人気です。

サクサクの食感が楽しいソフトシェルクラブはお酒のつまみに最高
汁麺の印象が強いフォーだが、焼きそばスタイルにしてもおいしい
店内はシンプルな造り。窓側の席からはパークハイアットが見える

・住所: 97 Hai Bà Trưng, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh
・時間: 7:00~22:30
・休み: 無休

●高級チョコレートブランドが手掛けるカフェ、メゾン・マルウ
ベトナム産カカオを使用したチョコレートが国際チョコレートアワードを受賞したマルウが満を持してオープンさせたカフェ。ベトナム産の原料にこだわり、ひとつの産地から収穫したカカオ豆だけでつくるシングルオリジンのチョコレートを提供しています。
乳化剤などの添加物をいっさい使用しない無添加のチョコレートは、カカオ本来のフルーティーな香りが楽しめます。おすすめはマルウのチョコレートを使用したドリンク「シグネクチャー・マルウ」(9万ドン)。甘さの中に適度な酸味と苦味が溶け合った大人のチョコレートドリンクです。

・住所: 167-169, Calmette, Phường Nguyễn Thái Bình, Quận 1, Hồ Chí Minh
・時間: 9:00~22:00(金~日曜~23:00)
・休み: 無休

店内ではロゴがおしゃれなトートバッグや小物類も販売されている
大人が喜ぶビターなチョコはお土産としても人気

ホーチミンで買いたいお土産

サイゴンセンターショッピングモールの裏手にひっそりとたたずむ

●日本ではなかなか手に入らない粋なプロパガンダアート・グッズ
ベトナムは社会主義の国ということもあり、今も町なかでプロパガンダアートを頻繁に見かけます。プロパガンダとは政治的意図のもとに、特定の思想や行動を多くの人に植え付ける行為。昨今はその珍しさから、外国人観光客を中心にひとつのカルチャーとして捉えられ、プロパガンダアートをモチーフにした雑貨などを売るお店も増えてきました。サイゴン・キッチュもそのひとつ。フランス人女性オーナーがデザインするプロパガンダアートに特化した雑貨店です。

1階はおもに小物類、上階には大きなポスターなどが陳列されている

プロパガンダアートをドラゴンボールやスヌーピーなどの漫画と合体させたコミカルな商品から、町なかのプロパガンダアートをモチーフにしたポスターや文房具、マグカップまでハイセンスな商品が揃っています。

・住所: 39 Tôn Thất Thiệp, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh
・時間: 8:00~22:00
・休み: 無休

●ベトナムとフランスの融合雑貨
フレンチテイストの家具や雑貨を中心に扱うデコシー。このお店が位置する2区は欧米人が多く住むエリアとして知られ、欧米系インターナショナルスクールや、プール付きの西洋住宅が並ぶホーチミンきっての高級住宅街。店内にはフレンチテイストの家具や、食器、インテリア小物などが多数並んでいます。おすすめはベルギー人とオランダ人オーナーが立ち上げたテーブルウェアブランド「amaï」の食器。西洋と東洋の融合をコンセプトにした、カラフルで柔らかいデザインの製品は、実用的なのはもちろんインテリアとしても活躍しそうです。

・住所: 112 Xuân Thủy, Thảo Điền, Quận 2, Hồ Chí Minh
・時間: 9:00~18:30(日曜~17:00)
・休み: 無休

黒地に赤のロゴがシックな外観。外から店内をのぞくだけでも楽しい
大型の家具以外にも、キャンドルスタンドや写真立てなど小物が充実

ホーチミンで泊まりたいおすすめホテル

特徴的なソファ「エスメラルダ」は世界に2つしかない逸品

●レヴェリー サイゴン The Reverie Saigon
ベトナム屈指の贅を極めたホテルとして知られるレヴェリー サイゴン。商業ビルでもあるタイムズ スクエア ビルディングの上層階に位置し、客室からの眺望は抜群です。特筆すべきはインテリアへのこだわり。1階のエントランス天井に輝くのは、イタリアの職人が手がけたベトナムの地形をモチーフにしたガラスのオブジェ。7階ロビーの天井を彩るスワロフスキー製のシャンデリアや、ベネツィアの著名モザイクブランド「シチス」の職人がモザイクタイルで造り上げた大理石の壁が究極のラグジュアリー空間を形成しています。

インテリアのほとんどをイタリアから輸入したとのことで、オーナーの並々ならぬイタリア家具への情熱を感じさせます。室内にはシモンズの最高級ベッド、フェレッティ社のシーツ、TV付きのバスタブが備えられ、至福のホテルライフを過ごせること請け合いです。

大きな窓は開放感たっぷり。窓からはサイゴン川が見渡せる

・住所: 22-36 Nguyen Hue Boulevard, Ben Nghe Ward, Quận 1, Hồ Chí Minh
・料金: シングル・ダブル・ツイン450US$~ スイート800US$~
*税・サービス料15% 朝食付き

≫≫≫ レヴェリー サイゴン

●パークハイアット・サイゴン Park Hyatt Saigon
ドンコイ通りと並行して南北に延びるハイバーチュン通りに立つラグジュアリーブランド。フレンチコロニアル様式の外観は、ホテルの斜め前に位置する市内随一のコロニアル建築、ホーチミン歌劇場の迫力と肩を並べます。室内は白を基調とした落ち着いたデザイン。部屋のカードキーにノンラーを被った女性の写真がデザインされているほか、壁にホーチミンのモノクロ写真が飾られ、机にバッチャン焼きの陶器が置かれるなど、いたるところでベトナムを感じられるのも嬉しいポイント。客室には観音開きの大きな窓が2つ備えられ、明るく気持ちのよい朝を迎えられます。

夜にはライトアップされ、象牙色のホテルが夕闇に輝く
アールデコ調の家具がモノトーン基調の落ち着いた室内に華を添えている

・住所: Công Trường Lam Sơn, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh
・料金: シングル・ツイン750万ドン~ スイート1250万5000ドン~
*税・サービス料15%

≫≫≫ パークハイアット・サイゴン

観光ツアー

2隻の舟が何とかすれ違えるくらいの狭い水路。冒険心が刺激される©iStock

●雄大なメコンデルタを感じるジャングルクルーズ・ツアー
広大なメコン川を手漕ぎボートでクルーズする日帰りツアーは、ホーチミン市内で申し込めるツアーのなかで断トツの人気。川沿いには人間の背丈よりも高い水草がうっそうと茂り、緑のトンネルのような水路を舟で進んでいきます。
日が暮れると水辺の木にホタルが集まり、クリスマスのイルミネーションのよう。特にホタルが多いのは雨季にあたる5月から8月の雨上がり。ホタルを見るなら、ホーチミン市内を昼過ぎに出発し21時頃にホーチミン市内に戻るツアーがおすすめです。ツアーの料金はホタル見学の有無で変わり、ホタルを観賞する場合は65US$~が相場となっています。

●カラフルな寺院が目を引く、カオダイ教の総本山へ
カオダイ教とは1919年にゴ・ミン・チエンが始祖となり設立した新興宗教です。キリスト教、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、儒教、道教の考えを取り入れ、キリスト、観音菩薩、トルストイほかあらゆる人物を聖人として仰ぐなど摩訶不思議な存在。総本山訪問は近年ホーチミン市発のツアーとして人気を集めています。

カオダイ教の総本山が位置するのは、ホーチミン市中心部から北西に車で約2時間の場所にあるカンボジアとの国境の町タイニン。カトリック聖堂の建築様式にアジアやイスラム風の装飾が施された巨大な寺院は、町の中心部でひと際目立つ存在。寺院内は極彩色に塗られ、祭壇にはカオダイ教の本尊である宇宙の至上神「天眼」が。球体の本尊の中心に描かれた眼がじっとこちらを見つめてきます。

ツアーの見どころは、真っ白なアオザイを身にまとった信者による6時、12時、18時、24時の礼拝。大半のツアーがクチの地下トンネル探訪とセットになっており、朝ホーチミン市内を出発し、クチの地下トンネルを経由して12時の礼拝を見学するスケジュールがおすすめです。

寺院に入る際は素足になるので、足を拭くタオルを持参するとよい

気になるホーチミンの治安は?

宝くじの購入をすすめられても、興味がない場合はきっぱりと断ろう

観光スポットが集中する1区は市内でも特に治安のよいエリアです。ただし1区であっても大通りを1本入ると、ヘムと呼ばれる網の目状の路地が広がるのがベトナムの町の特徴。迷子になる可能性があるので、夜間は人通りの多い大通りを中心に行動しましょう。

また携帯電話を狙ったひったくりが多いので、ひと目につく場所ではなるべく携帯電話を使わず、ストラップなどで防犯対策をしておくとよいでしょう。スリや置き引きも多いので、貴重品は体に密着するタイプのバッグに入れるなど、常に持ち歩くようにしましょう。

まとめ

町のシンボル、ホーチミン市人民委員会庁舎©iStock

長年にわたるフランスによる統治や、その後のベトナム戦争によりホーチミンは多くのものを失いましたが、一方でコロニアル建築に代表される“歴史・遺産”を手に入れました。ベトナムを牽引する大都市であり、地元の若者や世界からの観光客を魅了するおしゃれなカフェやレストランが現在進行形で増え続けています。ホーチミンの魅力とは、歴史ある町を肌で感じながらも、ショッピング、町歩き、グルメ、夜遊びなど多彩なニーズに応えることのできる懐の深さ。新旧の空気が入り混じるべトナム随一の大都市に足を運んで、活気に満ちたベトナムの“今”にふれてみてはいかがでしょうか。

≫≫≫ ベトナム旅行に役立つ記事一覧

TEXT:アトール 岡崎心太朗
PHOTO:アトール、iStock

※本記事の観光関連情報は2020年3月23日現在のものです。
※2020年6月4日現在、一時的に営業を停止している店があります。

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記を参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html

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