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F1グランプリやテニスの全豪オープンなど国際イベントも多い、人口500万人規模の都会なのに住みやすく、素敵なカフェもたくさんあって食べ物がおいしく、人々もフレンドリー! 今、オーストラリアで注目されているメルボルンの魅力をご紹介します。
日本からメルボルンへは、成田からカンタス航空(QF)と日本航空(JL)がデイリーで直行便を運航しています(※6月3日現在運行停止中)。直行便の所要時間は10時間30分ほど。QFは成田を19:20に出て、翌日の朝7:55にメルボルン着。JLは10:30に成田を出て、メルボルンには22:55くらいに到着。往路はQFがメルボルン9:20発で成田17:40着、JLが00:35の深夜発で8:35の朝に成田に着きます(3月時点の情報、時期によって変動あり)。
時差が1時間しかないのも大きなメリット。サマータイムでも違いは2時間。行きも帰りも極端な時差ボケが起こりにくく、体はかなり楽です。
メルボルンは2017年まで7年連続で英エコノミスト誌による「世界で最も住みやすい都市」の1位に選ばれていました。これは、同誌の調査部門が社会の安定性、ヘルスケア、文化、教育、インフラなどを評価するランキング。2018年と2019年はトップの地位は逃したものの、2位を維持しています。
長年にわたって上位にいるだけあって、本当に住みたくなるところ。都会なのに人々がフレンドリーだったり、食事がおいしかったり、自然にアクセスしやすかったり……というのは他のオーストラリアの都市にも共通ですが、メルボルンならではの魅力といえば、やはりスポーツや文化の中心地として、ビッグイベントが開催されること。全豪オープンの会場=ロッド・レーバー・アリーナへはCBD(町の中心エリア)から歩いて行け、F1の会場となるアルバートパークへもトラムで約17分という近さ。こんなぜいたくな町、ほかにありません!
カフェもメルボルンの魅力のひとつ。最近はサードウエーブ系のカフェが増えてきましたが、もともとイタリアなどのヨーロッパの移民が持ち込んだといわれるカフェ・カルチャーがありました。
カフェが集まるメルボルンらしい通りがデグレイブス・ストリート。車が入らない細い道にカフェやショップがぎっしり並び、冬でもオープンテーブルでコーヒーを楽しんでいます。ここからさらに北側へと迷路のように小さな通りがつながっていて、カフェがあったり、グラフィティがあったり……探検気分も楽しめます。
有名カフェのひとつがCBD北カールトンにあるセブンシーズ。産地から直接仕入れた豆を自家焙煎するマイクロロースタリーで、カフェ飯がおいしいことでも知られ、近隣のメルボルン大学の学生や教員なども多く利用しています。ブラザーババブダンという系列店がCBDのリトルバーク・ストリートにもあり、椅子が天井からぶら下がっているユニークな店内でおいしいコーヒーが飲めます。
●セブンシーズ ※リンク先「Get Direction」に行き方あり
・URL: https://sevenseeds.com.au/pages/seven-seeds-carlton
CBDからトラムで南に約12分、セントアリはメルボルンでのサードウエーブの先駆け。コロンビアにコーヒー豆の農場を持ち、競技会の優勝者がアドバイザーを務め、名実ともに常にトレンドを牽引するロースタリーです。
●ブラザーババブダン ※リンク先「Get Directions」に行き方あり
・URL: https://sevenseeds.com.au/pages/brother-baba-budan
●セントアリ ※リンク先「Open in maps」に地図あり
・URL: https://stali.com.au
芸術の町メルボルンを象徴するのが、アート&カルチャー施設が集まるCBD南のサウスバンク。オペラ劇場があるアーツセンター・メルボルン、7万5000点もの収蔵品を誇る国立ビクトリア美術館(NGV)、現代アートセンターから小劇場までが並びます。
中でも古代から20世紀美術まで世界の芸術品のコレクションを誇るNGVは、なんと入場無料。NGVの収蔵品のうち、アボリジニアートはじめオーストラリアの作品を集めたのがフェデレーションスクエアにあるイアンポッター・センターとなります。
ストリートアートでは、インスタスポットになったホージア・レーンが有名。かつてここにあったバンクシーの絵は2010年に市によって消去されましたが、この通りのほかにもADCDレーンなどグラフィティが楽しめるレーンウェイ(小道)がたくさんあります。
●ホージア・レーン ※リンク先に地図あり
・URL: https://www.visitvictoria.com/regions/Melbourne/Things-to-do/Art-theatre-and-culture/Public-art/VV-Hosier-Lane
●国立ビクトリア美術館(NGV) ※リンク先の「Getting to」に行き方あり
国立ビクトリア美術館(NGVインターナショナル)
イアンポッター・センター(NGVオーストラリア)
・URL: https://www.ngv.vic.gov.au/plan-your-visit/
英国風とメルボルンが形容されるのがよくわかる、ビクトリア時代の遺産ともいえるのがクラシックなアーケード。タイムスリップ感が味わえます。
バーク・ストリートとリトルコリンズ・ストリートを結ぶロイヤルアーケードは1870年の建造とメルボルン最古。カフェやファッションから魔法グッズやお土産などショップも魅力的。入り口奥にある時計が名所になっています。
●ロイヤルアーケード
・URL: http://royalarcade.com.au/
・営業時間: 月~木9:00~18:00、金10:00~20:00、土9:00~17:00、日10:00~17:00 ※店舗により異なる
ミラノのガッレリアをモデルにした、床のモザイクとガラスの天井が美しいブロックアーケードはリトルコリンズとコリンズ・ストリートを結んでいます。ジュエリー店やテーラーなど高級店がズラリ。英国系パブやビクトリア時代からのティールームもあり、いつも賑わっています。
●ブロックアーケード
・URL: https://whatson.melbourne.vic.gov.au/placestogo/melbournelandmarks/historic/pages/6062.aspx
・営業時間: 月~木8:00~18:00、金8:00~20:00、土8:00~17:00、日9:00~17:00
観光のスタート地点にしたいのはフェデレーションスクエア。郊外への起点となるフリンダースストリート駅のそばで、東西南北どちら方面のトラムにも乗りやすいポイントです。オーストラリアのアートを展示するイアンポッター・センター(NGVオーストラリア)や映像センターACMIがあるほか、毎日のさまざまなイベントが行われ、ミーティングスポットになっています。ビジターセンターのメルボルンビジターハブもここから北に500mほど。
世界遺産が見たい人は王立展示館(ロイヤル・エキシビション・ビルディング)&カールトンガーデンズ(庭園)へ。現存する数少ないビクトリア時代の展示場のひとつで、今もフラワー&ガーデンショーなど展示会が日々開催されています。理解を深めるには、隣接するメルボルン博物館が14時から行うガイドツアーに参加するのがおすすめ。
ビクトリア時代の建物では、ビクトリア州立図書館も忘れてはいけません。机が放射状に配置されたラトローブ・リーディングルームは息を飲む美しさで、「死ぬまでに行きたい世界の図書館」に選ばれたことも。ビジターでも本が読め、Wi-Fiやカフェがあり、定期的に展示も開催されるので立ち寄って損はない無料スポットです。
クイーンビクトリア・マーケットもビクトリア時代のレトロな市場で、生鮮食品から日用品までさまざまなものが売られる市民の台所です。あちこち見ながらパンやお菓子などの食べ歩きが楽しめます。ここに入るマーケットレーン・コーヒーも有名ロースタリーで、自家焙煎のコーヒーが飲めます。バスで売られている作り立てのドーナツも美味!
町を一望できるのがサウスバンクにあるユーレカ・スカイデッキ 88。高さ285mにある展望台からは市内の数々の名所や、郊外のダンデノン、グレートオーシャンロードまで見渡せます。ガラスのキューブが外にせり出して上下左右の景色が楽しめる高所アトラクション、ジ・エッジもスリリング!
メルボルン滞在に組み合わせたいのが郊外へのツアー。人気はフィリップ島のペンギンパレード。海から出てよちよち歩いてくるペンギンを見るのはやはり感動もの。ペンギンが多く見られるエリア、室内エリアなど条件によりチケットは各種あります。島にはコアラの保護センターもあるので、ゆっくり訪れたいところです。
雄大な景色を楽しむならグレートオーシャンロードのツアーへ。海岸線のドライブを楽しみながらポートキャンベル国立公園を目指します。浸食された海食柱群はとにかくダイナミック。途中にあるトーキー、アポロベイ、ローンなど小さな町も魅力的で、温帯雨林が茂るグレートオトウエイ国立公園も見どころのひとつです。
主な観光スポットをトラムで回れることもメルボルン観光の楽しさのひとつ。中心エリアには1時間でぐるりと回るレトロな無料トラムがあるだけなく、無料のフリートラムゾーンになっていて、気軽にチョイ乗りできるのは市民にも観光客にもとてもありがたいです。
メルボルンの公共交通機関には紙のチケットがなく、1回乗るだけでもプリペイドICカードのmyki(マイキー、1枚6ドルで払い戻しなし)が必要とです。ただ、短期間の滞在で、フリートラムゾーンしか行かないなら、mykiを買わないで過ごすことも可能です。※本記事の「ドル」はすべてオーストラリアドル。
●(参考)フリートラムゾーン
https://www.ptv.vic.gov.au/assets/PDFs/Maps/Network-maps/5b4a3efe80/PTV-Free-Tram-Zone-Map.pdf#search=%27free+tram+zone+melbourne%27
mykiは駅のほか、セブンイレブンなどで購入できます。空港バスのスカイバスで市内に来た場合、サザンクロス駅にあるセブンイレブンで買ってしまうのが便利。チャージ(Top up)は1週間以上いるならmyki Passの7日間パス(45ドル)、それ以下なら滞在時間に合わせてチャージするmyki moneyを選択。2時間料金4.50ドル、1日料金は9ドル(土日は6.50ドル)でその時間内は乗り放題となります。
乗車したらmykiリーダーにタッチしますが、降りる前にもタッチすることを忘れずに。バスもmykiのタッチの仕方はトラムと同じ。電車は近郊を走るメトロ、郊外に向かうV/Lineがあり、改札でmykiをタッチしてホームに向かいます。メルボルンの黄色のタクシーは初乗り料金が時間帯によって4.20~6.20ドル、以後は1kmごとに1.622~1.986ドルですが、クレジットカードが使えます。UBERも若い人を中心に利用されています。
個人旅行におすすめの宿はアルトホテル・オン・バーク。空港への発着地サザンクロス駅に近く、環境にも配慮したブティックホテルで施設とサービス含めコストパフォーマンスが高いです。
ビジネスマンも多いブティックホテルがアコー系列のリンドラムメルボルンで、CBDの東側で静かな滞在が可能。移動に便利なフリンダース駅周辺ではダブルツリー・バイ・ヒルトンやランデブーホテル・メルボルンは4つ星でリーズナブルながら快適に過ごせます。
メルボルンは1日のうちに四季があるといわれるほど、変化が激しいです。日本と季節が逆になりますが、どのシーズンでも脱ぎ着しやすい重ね着スタイルがベスト。夏でも日中が暑いのに夜は涼しくなるので、羽織りものは必要ですし、乾燥していて体感以上に日に焼けるので、日焼け止めは必須。冬は気候が比較的穏やかですが、風が強いととんでもなく寒くなることもあります。特にフィリップ島などの郊外に行く時の防寒対策はしっかりと。
■メルボルンの天気&服装ナビ
・URL: https://www.arukikata.co.jp/weather/AU/MEL/
アートにグルメ、スポーツ、歴史に文化、郊外の雄大な自然とさまざまな見どころあふれるメルボルン。市内のトラムを乗りこなし、世界でもトップクラスの住みやすい町の様子を近い将来、実際に確かめに行ってみてはいかがでしょうか。
TEXT: 平山喜代江
PHOTO: 平山喜代江、iStock
※当記事の観光関連情報は、2020年3月25日現在のものです
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◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html