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台湾の隠れたリゾート澎湖島で楽しみたい絶景スポットやおいしい海の幸
2023.2.10
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台湾には絶景を楽しめる離島が点在しています。それぞれ個性豊かで、独自の文化と秘境のロマンが味わえます。なかでも澎湖(ポンフー)はいちばん規模が大きく、インフラもしっかりしているので、初めての台湾離島旅におすすめ。国内線航空機への乗り換えがあると思うと、週末に訪れるのはハードルが高そうですが、その気になれば意外と簡単に行けてしまいます。それでは、2泊3日の澎湖のバーチャル旅行に出発です!
澎湖(ポンフー)は、台湾本島から50kmほど西の海上に位置しています。大小90余りの島々で構成され、そのうち最大の島が澎湖島です。その次に大きい白沙島と漁翁島とは橋でつながっていて、おもな見どころはこの3島に点在しています。行政の中心地は澎湖島の馬公市(マーゴンシー)で、澎湖縣の人口は約10万人。
ダブルハート(雙心石滬)で有名な七美嶼など、周辺に点在する小島は、アクセスに難がありますが、その分手つかずの美しい自然が残っています。美しい海と珊瑚礁に囲まれた澎湖は、ビーチや奇岩観賞、新鮮な海の幸を楽しめるアイランドリゾートとして大人気です。
中秋節以降は季節風が強くなり、天気も荒れがちなので、台湾人の間では、春から中秋節の間に訪れるのがいいとされています。
澎湖の歴史は深く、台湾侵攻の足がかりとなる軍事拠点として元、明、オランダなどから重要視されていました。台湾のなかでもいち早く中国大陸からの移住が開始された場所でもあります。古い町並みや史跡が多いので、歴史好きな人も満足できることでしょう。
日本から澎湖への直行便はありません。澎湖と結ぶ国内線は、台北(松山)、高雄、台中、台南、嘉義、金門島から発着しています。
高雄(通年)と嘉義(4~9月のみ)からは船も運航しています。
到着すると、ホテルの車が待っています。澎湖の多くのホテルが空港まで無料で送迎してくれます。送迎がない場合は、市バスを利用します。
今回泊まるのは、澎湖長春大飯店。町の中心部にあり、観光や食事に便利です。日本語堪能なオーナーが経営する旅行会社の系列で、現地ツアーの相談にものってくれます。
澎湖島は見どころが広範囲に散らばっています。観光はホテルで車を手配するか、観光バスの台湾好行バス、一般の市バス、レンタルバイクのどれかを利用することになります。
台湾好行バスは、地方の観光スポットを回る地元のバス会社が運営する観光バス。台湾各地で運航していますが、澎湖はほかのエリアと違い、各スポットで一定時間停車するので、ツアーバスとして利用できます。1日券は350元。1日1便運行です。
■台湾好行
・URL: https://www.taiwantrip.com.tw/(日本語あり)
ホテルに荷物を置いたら、さっそく観光へ!
今日はタクシーをチャーターして、澎湖メイン3島の見どころを回ります。 陽射しが強いので、帽子や日焼け止めなど、UV対策を忘れずに。馬公の町にはドラッグストアやコンビニ、ダイソーまであるので、日用品を忘れた場合は現地購入も可能です。
準備ができたら、白沙島の端にある、通梁保安宮へ。樹齢300年を越えるガジュマル(榕樹)が成長し、廟の境内を覆いつくす様子は圧巻。自然のパワーを感じます。強い日差しをさえぎる天然のアーケードとして地元の人の憩いの場になっています。
周辺には、澎湖島名物のサボテンアイスを売る店が並んでいます。鮮やかなピンク色はサボテン独自の色。みずみずしくて、さっぱりした味です。
■自由冰店
・住所: 澎湖縣白沙郷通梁村39-1
・TEL: (06)993-1188
・営業時間: 8:00~21:00
・URL: http://freeice.idv.st
通梁保安宮のすぐ近く、白沙島と漁翁島を結ぶ全長2600m跨海大橋(クアハイダーチャオ)の前は、人気の記念撮影スポット。撮影するときは、車とバイクに気を付けてください。
明代末期に移住してきた陳一族の村で、建築資材にサンゴを使う澎湖の伝統的な家並みが保存されています。現在も人が住んでいる家もあります。ショップやカフェに利用されている家屋もあるので、のぞいてみましょう。
陳一族の末裔が営むカフェで、杏仁茶をいただきます。
店先で天日干ししているのは、澎湖で三宝と呼ばれる天仁菊、山芙蓉、ヨモギで作ったお香です。
さらに車を走らせて、大菓葉柱狀玄武岩へ。溶岩が冷え固まって六角形の棒状のひび割れが発生する「柱状節理」を見ることができます。
干潮の時間に合わせて、澎湖島の西にある奎壁山赤嶼地質公園へ。ここでは、海で隔てられている向かいの小島への道が干潮の時間だけ出現する「トンボロ現象」を見ることができます。
観光を終えて馬公に戻ったら、夕食を食べに出かけましょう。澎湖で獲れる魚介のおいしさは、台湾全土で知られています。馬公には生けすから選んだ魚を好みの調理法で出してくれる海鮮料理店がたくさんあります。
2日目は絶景に出合える七美嶼と望安嶼、ふたつの小島を訪れます。馬公の南海旅客中心から複数のツアー船が運航されています。
七美嶼(チーメイユィー)は澎湖最南端の小島です。船を降りたら、港の前で電動自転車を借りましょう。事故を起こさないよう運転は慎重に。ツアーの場合は車が待機しています。ダブルハートの雙心石滬(シュアンシンシーフー)は港の反対側、島の北東端にあります。
ツーリングを楽しみながら港へ戻ります。
海岸沿いには「小台湾」「望夫石」などの奇岩があります。
望安嶼(バオアンユィー)はところどころに古い石造りの集落が残っています。島の西側にある天台山からは、360度に広がる空と海がおりなす絶景パノラマを楽しめます。七美嶼と同様、港の前にレンタルバイク店があります。
ランチは望安ならではの海鮮料理を味わいましょう。この店は、事前に予約をしておけば、地元の食材を使った料理をひとり200元程度のコースで出してくれます。
■岩川観光養殖休閒中心
・住所: 澎湖縣望安郷中社村60-2號
・TEL: (06) 999-1440
・営業時間: 完全予約制
・定休日: 無休
・カード: 不可
小島のツアーから戻ったら、澎湖島の中心である馬公の見どころ回りましょう。中央老街は、澎湖島が開拓された際に最初に開発されたという歴史ある市街地。おみやげ店が並び、夜はランタンに灯がともって雰囲気がアップします。
老街の中ほどにある古蹟、四眼井(スーイエンジン)は、明代に作られた井戸です。
明代の1590年に建てられた媽祖廟は、開拓時代からの信仰のよりどころ。馬公の町はこの廟を中心に発展したといわれています。台湾本島の色鮮やかな廟と比べて地味な印象を受けるのは、大陸から来た職人によって建てられたため。
廟内には、明朝の将軍 沈有容がオランダ人を追い払ったということを記録した台湾最古の石碑「沈有容諭退紅毛番韋麻郎」があります。
地元で大人気の食堂へ。人気の排骨餛飩麵(150元)は揚げたスペアリブが入ったワンタン麵。麺は意麺、米粉(ビーフン)、冬粉(春雨)の3種類。地元の人と相席で、ローカル気分を満喫。
樹德路と民生路に挟まれた文康路はおいしい朝食店が集まる通り。作りたての豆漿や揚げたての油條など、伝統的な中華風の朝食を楽しめます。燒餅のサンドイッチ、モツスープの牛雑湯も有名です。以下は特に人気の店です。
■益豐豆漿(イーフォントウジャン)
・住所: 文康街48號
・TEL: (06)926-1184
・営業時間: 5:30~11:00
・定休日: 無休
■鐘記燒餅(ジョンジーシャオビン)
・住所: 馬公市文康街37-1號
・TEL: (06)926-0700
・営業時間: 6:00~11:00
・定休日: 無休
・URL: https://www.facebook.com/鐘記燒餅-477591435661034
■北新橋牛雑湯(ベイシンチャオニュウザータン)
・住所: 馬公市文康街34號
・TEL: (06)927-0549
・営業時間: 5:40~11:30
・定休日: 無休
・URL: https://www.facebook.com/pages/北新橋牛雜湯/130985990375254/
空港へ向かう前に、澎湖名産のピーナッツクッキー、花生酥をゲット。ピーナッツの濃厚な香りと素朴な甘さがお茶請けにぴったりの、いま台湾通の間で人気急上昇中のお土産です。
2泊3日の澎湖の旅、いかがでしたか? リゾート気分満点の澎湖はひとり旅でも家族旅行でも楽しめます。実際に目の当たりにする景色は、写真よりずっとすばらしいので、ぜひいつか澎湖を訪れてみてください。
TEXT:谷口佳恵
PHOTO:itock、谷口佳恵
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※本記事の観光関連情報は2020年4月27日現在のものです。
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