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【福島・浜通りの歩き方vol.1】震災から時を越えて、豊かな自然と人々の賑わいに出合う希望の旅へ!

sponsored by 復興庁

地球の歩き方書籍編集部

地球の歩き方書籍編集部

更新日
2022年1月20日
公開日
2022年1月20日
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道の駅なみえ「いろどり産直いなほ」には採れたての野菜が並ぶ

浜通り、中通り、会津と呼ばれる3つの地方からなり、異なる気候風土を持つ福島県。豊かな自然と温暖な気候を持つ浜通り地方には、2011年の震災から時を経て、ひとつひとつ復興・再生へと向かう人々の姿がありました。シリーズ1回目となる今回は、浪江町、大熊町、富岡町から旅していきます。

地元名物、伝統の味を発信する新しい道の駅がオープン!

なみえ焼そばの皿は大堀相馬焼。「何事もうまくいく」と縁起よし

極太の麺とオリジナルの濃厚ソースで食べ応えのある「なみえ焼そば」。浪江町の港、請戸(うけど)漁港で揚がったばかりの新鮮なシラスを使った「請戸産釜揚げシラス丼」。お目当てのソウルフード、地元グルメを求めて、道の駅のフードコートは、地元客と旅行者でにぎわっていました。ここ「道の駅なみえ」は浜通りを南北に貫く国道6号線沿いにあり、約6年の構想を経て2021年3月に「なみえの技・なりわい館」とともにグランドオープンしています。

ふっくらと揚がったシラスは鮮度抜群。旨味がこぼれおちそう

オープンの4年前まで人が住めなかったのが信じられないくらいです」とは駅長の東山さん。「こうして地元の食材を並べられるのは、ほんとうに奇跡に近いです!」とオープンまでの長い道のりを話してくれました。浪江では「動物よけにもなるので、唐がらし栽培にも力をいれている」ようで、地元産の唐がらしを使った商品もいまや人気のお土産になっています。道の駅なみえは、地元の復興のシンボルとして、新しい浪江のこれからを発信し続けています。

お土産ランキングのPOPもいい感じ。4位以下も気になります!

道の駅をもっと楽しむ!利き酒と酒蔵見学と陶芸体験と

銘柄選びが楽しい。浪江の地酒、鈴木酒造店の日本酒が並ぶ

道の駅なみえのもうひとつのおすすめは、隣接する「なみえの技・なりわい館」です。「日本酒と焼き物」がテーマになっていて、実際に酒造りが行われている酒蔵があったり、地元窯元の陶芸体験ができたりと、実にユニークな施設となっています。道の駅にこのような施設が隣接されているのは全国的に見てもめずらしいと言われていて、思わず長居してしまいそうですね。スケジュールを少し長めに確保しておきたいところです。

ワンコインでおちょこ5杯分。気軽に日本酒を試してみたい

まずは入って左側、日本酒がテーマの「Sakekuraゆい」へ。こちらでは磐城壽(いわきことぶき)で知られる鈴木酒造店のお酒の販売はもちろん、利き酒ができるコーナーもあります。日本で最も海に近かった酒蔵が津波で流出してしまった鈴木酒造店は、山形県長井市で酒造りを再開し、この道の駅なみえでも酒造りを始めています。そんな仕込み作業を見ながら、銘酒を味わうのも格別なひとときとなることでしょう。

大堀相馬焼の馬の絵「走り駒」は「縁起が良いもの」の象徴

入って右側、地元の伝統工芸である大堀相馬焼のコーナーでは、9つの窯元の作品が展示・販売されています。繊細なひび割れがなんとも美しい独特の風合いを持つ大堀相馬焼の作品が購入できるだけではなく、自分だけの作品が作れる陶芸体験もできるようになっています。地元で酒造りを続ける鈴木酒造店。それぞれの避難先で再開していたすべての窯元が集まった大堀相馬焼。浪江の歴史を感じ、伝統を味わいながら、思い思いのひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

国道6号沿いの道の駅なみえ。左手前が、なみえの技・なりわい館

■道の駅なみえ
・住所: 福島県双葉郡浪江町大字幾世橋字知命寺60
・電話: 0240-23-7121
・営業時間: 10:00〜18:00
・定休日: 毎月最終水曜日
・URL: https://michinoeki-namie.jp/

■なみえの技・なりわい館
・住所: 福島県双葉郡浪江町大字幾世橋字知命寺40
・電話: Sakekuraゆい 0240-25-8804
大堀相馬焼協同組合 0240-23-35-4917
・営業時間: 10:00〜18:00
・定休日: 毎月最終水曜日
※大堀相馬焼協同組合のみ 10:00〜17:00(毎週水曜定休)
・URL: https://michinoeki-namie.jp/

新名物!地元で大人気のつややかな「いちご」との出合い

最適な環境によって栽培されているいちご。大熊町の新しい名物に

浪江町から大熊町へ。避難指示が一部解除された大熊町では、新しいまちづくりが着実に進んでいます。その中心となる大川原地区で新たな取り組みを始めたのが、いちご栽培に特化した「ネクサスファームおおくま」です。地元農業の再生を目的として、2019年4月から生産を開始して3年余り。太陽光を利用した植物工場で、いちごの栽培に適したCO2濃度や温度を管理しながら、年間を通して生産が行われています。

いちごの選別や品質確認が行われています

いちごの生産に携わる宮澤さんによると「環境のコントロールは機械が行って、いちごの選別や手入れは人が行っている」といいます。もちろん出荷するいちごはすべて放射性物質を測定しており、「世界一安全ないちごを目指しています」と宮澤さん。つややかで酸味と甘さがほどよく地元でも大人気のいちごは、12月から5月までに行われる冬春いちごの収穫時期に現地で直売されており、ホームページからリンクするECサイトでも販売されています。

工場内の栽培エリアによって生育が異なると話す宮澤さん

■ネクサスファームおおくま
・住所: 福島県双葉郡大熊町大川原西平2127
・電話: 0240-23-7671
・URL: https://nexus-f.co.jp/

100年前から咲き続ける、1000本の桜並木への誘い

樹齢80年以上のソメイヨシノは圧巻/2020年4月撮影(*)

JR常磐線、夜の森駅が開業したのは1921年。開業の記念にと300本のソメイヨシノが植えられた100年前が、桜の名所「夜の森(よのもり)桜並木」の始まりです。それから少しずつ本数が増えていって、現在のような約1,000本の桜並木になったといいます。2011年の東日本大震災でその一部が帰還困難区域になったものの、毎年毎年、桜のトンネルをつくり続けている福島を代表する桜の名所です。

夕方の桜。時間帯により表情が変わる/2020年4月撮影(*)

2020年公開の映画『Fukushima 50』でロケが行われたことでも知られている夜の森桜並木。開花時期には歩行者天国が実施されたり、幻想的なライトアップの演出が行われたりと毎年たくさんの花見客が訪れています。ただし、スケジュールやイベント内容については、事前に確認してから訪れてみてください。また、開花の時期には地元の方々の一時帰宅も予想されるので、マナーを守って鑑賞したいところですね。

葉桜になった並木道にもまた趣がある/2020年5月撮影(*)

■夜の森桜並木
・住所: 福島県双葉郡富岡町字夜の森南4丁目
・電話: 0240-23-7366(富岡町観光協会)
・例年の見頃: 4月上旬〜中旬(訪問前に確認をおすすめします)
・アクセス: JR常磐線富岡駅から車で約10分、夜ノ森駅から徒歩で約10分
・URL: https://tomioka-tourism.com/
*桜を鑑賞する際は近隣の路上駐車、撮影マナーについての配慮をお願いします。

取材・文=植木孝(地球の歩き方)
撮影=森田健一(ビュープランニング)
画像提供:富岡町観光協会(*印)

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※当記事は、2022年1月20日現在のものです

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