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世界には実にさまざまなランキングが存在しています。データを比較できるのはもちろんのこと、ランキングをよ~く見てみると、文化や習慣など、その国や地域の思いがけない一面や知らなかった事実を発見することができます。今回はそんな奥深いランキングの世界を、少しだけ紹介してみましょう。
まずは“目からひんやり”珊瑚礁ランキングからスタート! 珊瑚礁が多いところといえば思い浮かぶのは南国の島々だと思いますが、ランキングは1位インドネシア、2位オーストラリア、3位フィリピンという結果に。インドネシアやフィリピン、また5位のパプアニューギニアに共通していることは「コーラルトライアングル」に属していること。コーラルトライアングルというのは、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、フィリピン、ソロモン諸島、東ティモールの6ヵ国で形成される珊瑚礁の海域で、世界のサンゴ礁の3割が生息し、600種類のサンゴ、3000種類の魚が見られる場所なんだそう。世界でも有名なダイビングスポットはこの海域に集まっていて、ダイバー憧れの地でもあります。
2位のオーストラリアはご存じのとおり世界最大の珊瑚礁、グレートバリアリーフで有名。2300kmに広がる珊瑚礁地帯は、生物の群集として唯一宇宙から確認できるほどだそう! 400種類以上のハードコーラル(硬い骨格をもつサンゴ)、150種類以上のソフトコーラル(やわらかいサンゴ)、そして1600種類以上もの魚が生息しています。実は4位にはフランスがランクインしているのですが、これはニューカレドニアやタヒチなどの海外領土の数字を含めているからなんです。
次にご紹介するのは、水つながりの島の数ランキング。さて1位はどこだと思いますか?群島国家のインドネシアやフィリピンと思われる方が多いかもしれません。しかし答えは1位スウェーデン、2位ノルウェー、3位フィンランドと上位を北欧の国々が占めているのです。1位のスウェーデンは島の数なんと26万島以上! 特にボスニア湾は「多島海」と呼ばれ、無数の島々が浮かんでいるんです。そして首都ストックホルムは、大小14の島を50以上の橋でつないで形成されています。
スウェーデンのなかで一番大きな島が、バルト海に浮かぶゴットランド島。ヴィスビィは島の中心都市で、約3.5kmの城壁に囲まれた中世の雰囲気漂う旧市街は世界遺産として登録されています。ヴィスビィはジブリ映画『魔女の宅急便』が制作される際、ストックホルムとともに参考にされた場所なんです。オレンジ屋根の家々や、その先に見える美しい海は、映画で観た風景そのもの。“バラの都”と呼ばれるだけあって、路地にはたくさんのバラが咲き誇ります。
続いては「地球の歩き方」らしく旅行系のラインキングをふたつ紹介していきましょう。
国連世界観光機関(UNWTO)が発表している外国人観光客数ランキングの1位はフランス。世界中の人々が憧れる花の都パリをはじめ、魅力的な観光地が目白押しです。しかし世界一となったのは地道な努力の結果でもあることを知っていますか?
フランスは『国別観光客マニュアル』を独自で作成するなど、ゲストの国によって柔軟に対応を変えてきました。ちなみに日本人の分析は「控えめなのに実は要求は高い」とのこと。さらにはミシュランをはじめ、独自の格付け文化もフランス独自のホスピタリティを発展させてきました。そんな努力が結果につながっているんですね。外国人観光客数ランキングの第2位以下はスペイン、アメリカ、中国、イタリアと、世界的に有名な観光大国が続きます。
日本政府観光局が2019年に発表したデータ※によると、日本人が多く訪問している国ランキングの1位はアメリカで349万3313人。次いで韓国が294万8527人、中国268万9662人でした。ただ、アメリカの数字にはハワイの約150万人、グアムの約56万人が含まれ、アメリカ本土だけでいうと約144万人で第5位となる計算です。日本人の圧倒的なハワイ愛が見てとれますね。※旅行者数は2018年の数字
ということで実質的には韓国が1位という結果に。1988年のソウルオリンピック開催を機に日本人への短期滞在ビザを免除すると急激に渡航者が増加。2000年代の韓流ブームでは日本人のみならず世界中から観光客が押し寄せました。またここ数年は韓国ドラマやK-POPの世界的人気により渡航意欲に拍車がかかっていました。新型コロナウイルスの流行で現在渡航が制限されていますが、海外旅行の解禁後は人々の旅先選びのポイントや旅行スタイルが変わってくるかもしれませんね。
最後に紹介するのは、暑い夏でもハフハフいいながら食べたいインスタントラーメンのランキング! インスタントラーメンのひとり当たりの年間食数を見てみると、トップ10すべてがアジアの国々なんです。ちなみに日本は第7位。インスタントラーメンは日本生まれで、日清食品の創業者、安藤百福が作った「チキンラーメン」が世界初の即席麺でした。これが世界、特にアジアに広まり、各地で独自の進化を遂げていったのです。第1位は韓国で、国民食といわれるほどに愛されスーパーで箱買いする姿も珍しくありません。飲食店や屋台でも即席麺を使うのが一般的で、それらの光景は韓国ドラマ・映画でもおなじみですね。
2位のベトナムでは小麦粉のほかに米粉で作った麺のフォーを使った商品が多いのも特徴。朝食や夜食に食べる人が多いそうです。一番人気のフレーバーはトムチュアカイ味(エビ風味に辛味と酸味が加わったもの)。
3位のネパールでは、調理せずにスナックとして食べる習慣があるため、あらかじめ調味料で味つけされているブラウンヌードルが人気なんだとか。インスタント麺といっても国によって種類も食べ方もさまざまでおもしろいですね!
ご紹介した5つのランキングのほかに、全部で130の興味深いランキングを集めて解説した『世界なんでもランキング』が、地球の歩き方【旅の図鑑シリーズ】から新登場!旅行はもちろん自然や文化、経済まで順位から見えてくる世界各地の習慣やトレンド、抱えている問題を、あらゆる角度から紹介しています。楽しく世界を学ぶのにぴったりの一冊です。
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写真:©iStock
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