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【オーストリア・ウィーン 旅の最新事情】食欲の秋到来!ウィーンの心和むストリートフードを在住者がレポート

雅碧 Léontine

雅碧 Léontine

オーストリア特派員

更新日
2021年10月12日
公開日
2021年10月12日
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ウィーンに根付いたケバブの屋台。左奥に見えるのはウィーン国立歌劇場

食欲の秋と言えば日本ではかぼちゃやさつまいも、脂のたっぷりのったサンマが旬の美味しい季節ですが、ここウィーンでも負けずに食欲の増すシーズンになります。最近のオーストリアの新型コロナウィルス感染者数は減少傾向にあり、ホッとする半面、これからやってくる寒い季節を前に油断は禁物。スーパー等の食品を販売する小売店や薬局、銀行、郵便局、そして公共交通機関内はもちろん、その他商店でもFFP2マスク(防じんマスク)の着用が、今月から再び義務付けられました。日本とは違い、ワクチン接種の有無や場所によって常にルールが変わり、マスクの種類まで指定されているオーストリアですが、ルールを守ってうまく工夫すれば、コロナ禍でもウィーンの美味しいもの巡りは可能!食欲の秋が到来した今、楽しく小腹を満たすのに最適な、美味しいストリートフードを提供する屋台・スタンドを、ウィーン在住の筆者がお伝えします。

これが出たら秋の始まり!ウィーンの栗屋台「Maronistand(マローニシュタンド)」

熱々の栗の実

ウィーンでは既に18世紀から栗を売る屋台が見られ、数世紀過ぎた現代も、ウィーン市民はもちろん観光客をも美味しさと温かさで満たしてくれる秋の風物詩です。ウィーン市内で栗屋台が出るシーズンは10月から3月まで。コロナ禍以前は200ものスタンドが立ち、至る所で市民を温めていました。

寒い日は特に人が集まる屋台

オーストリアでは秋の子供の遠足で栗拾いが行われることもあり、また近所の公園にもたくさん落ちている身近な存在の栗。Maroniofen(マローニオーフェン)と言って家庭用の栗オーブンもあるほどです。幼い頃からそんな栗に慣れ親しんできたオーストリア人にとって、栗屋台は寒い身体を温め、団らんの場を盛り上げてくれる秋の人気スポット。

「HeißeMaroni(ハイセマローニ)」の名通り、温かい栗を売る屋台

屋外にある栗屋台でのマスク着用の有無は買う人それぞれ。栗売りのおじさんはほとんどノーマスクでしたが、これもオーストリアでは珍しくない光景です。

三角の紙袋に入れられた栗は食べ歩きに最適

ストリートフードとは言え、ウィーンの栗は毎年厳重に品質管理されたハイクオリティのものばかり。6個で2ユーロから売られています。

鉄窯の中で保温される栗とじゃがいも

栗屋台では、メインの栗の他にも、「Bratkartoffeln(ブラートカルトッフェルン)」というじゃがいものローストや、「Puffer(プッファー)」というじゃがいもおやきも定番メニューとして知られています。いずれも既に調理して保温された状態で売られているのでホカホカ。温かいスナックはこの季節の食べ歩きにもってこいです。

小腹が空いたらここで満たして!一度は食べたいウィーンのソーセージ

お昼前後には行列のできる有名ソーセージスタンド「Bitzinger(ビッツィンガー)」

日本では「ウィンナー(Wiener)」と呼ばれるソーセージですが、ここウィーンでの名称は「Wurst(ヴルスト)」。お馴染みの長いソーセージ、フランクフルトを始め、ウィーンでは多種のソーセージが売られており、老若男女から愛されるスナック。小腹が空いた時に手軽に食べられる大人気のソーセージは、家庭ではなかなか作ることができないため、スタンドで買って食べるのに最適です。特に、ウィーン中心街1区では、上に立つウサギがシンボルのスタンド「ビッツィンガー」が有名。ガイドブックにも載っている人気スタンドはいつも人で賑わっています。

パンにマスタードとケチャップがついて4.5ユーロ前後のソーセージメニュー

チーズが入ったオーストリアのソーセージ「Käsekrainer(ケーゼクライナー)」は特に人気。どこのソーセージスタンドでも売られている定番ソーセージです。また今では、多種多様な食のニーズを配慮し、じゃがいもを使ったスナック等、ベジタリアンやヴィーガンでも楽しめるバラエティ豊かなメニューを提供するスタンドが増えてきています。

次々に焼いては売られていくソーセージ
カレーソースが美味しい「Currywurst(カリーヴルスト)」や、ホットドッグに使われるフランクフルト

コロナ禍以前はオープンだったソーセージスタンドに新たにガラス窓が張られる等、新型コロナウィルス対策を講じているところもあり、引き続きより多くの人が気軽に利用できるよう安全性の向上に努めている様子が見られます。

ウィーンでも人気!中東のスナック、ケバブスタンド

ウィーン国立歌劇場のすぐそばにあるケバブスタンド

ウィーンにおけるケバブの歴史は1983年に遡り、あるトルコ人男性がケバブレストランをオープンしたことから始まりました。今ではウィーンの至る所に見られるケバブスタンドは、ソーセージに負けないメニュー。有機材料のみで作られたBio(ビオ)ケバブを売る屋台もあり、オーガニック大国のオーストリアだからこそのアイディアです。

回転しながらグリルされる豪快な肉の塊「DönerKebab(ドネルケバブ)」

元々ケバブはファーストフードではなく、中東地域ではきちんとお皿に盛られて食べられている料理。後にドイツを始めオーストリアではサンドイッチスタイルの手軽なスナックとして広く普及しました。スタンドには、ふっくら焼かれたピタパンや、トルコ語で「巻く」という意味をもつ「Dürüm(ドゥルム)」というラップサンドイッチ用の薄い生地があり、いずれかを選んで具材を挟んでもらうのが最もポピュラー。具材には新鮮な野菜が用意されており、好みによって全種類を入れてもらうことや、苦手なものを外してもらうこともできます。

ケルントナー通りにあるソーセージスタンド

オーストリアでは、まだまだ日本のように終日マスク着用!とはいきませんが、この先も新コロナウィルス感染者数が減少していくことを願うばかりです。今は決められたルールを守り、コロナ禍でも楽しく心和む秋を過ごしながら、早く安全な旅行が再開されることを祈ります。
コロナ禍の今年もウィーンの屋台は数多く出ているので、観光がてら、市内の所々にある屋台をはしごして秋の味覚を楽しむのもいいですね!

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音楽と歴史の町ウィーンを中心にザルツブルク、インスブルックなど主な町をくまなく取材。オーストリア旅行必携のガイドブック。

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※当記事は、2021年10月10日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

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