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西九龍は、世界屈指の高さを誇るICCビルをはじめ、ラグジュアリーホテルや巨大ショッピングモール、美術館など、ビジネス・エンターテインメント共に最先端の施設が集まるエリア。一方で少し歩けば下町情緒溢れる街並みに触れられるのも魅力です。そんな“新”と“旧”のコントラストを楽しめるルートを提案します。
午前中は下町エリアである油麻地(ヤウマテイ)と佐敦(ジョーダン)を散策しましょう。
スタートは1950年に創業したノスタルジックな茶餐廳(チャーチャンテン)「美都餐室(Mido Café)」から。茶餐廳とは香港式カフェレストランのこと。タイル張りの床や壁がレトロでどこか懐かしい店内では、香港式フレンチトースト「西多士(サイトーシー)」やマカロニスープ「通粉(トンファン)」など香港茶餐店定番の朝食メニューがおすすめです。
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・所在地: 63 Temple Street, Yau Ma Tei
腹ごしらえをしたら早速油麻地(ヤウマテイ)の散策へ。まずは、1913年に建てられたという歴史価値の高い「油麻地果欄(ヤウマテイ・フルーツ・マーケット)」を見てみましょう。アール・デコ調の建物や味のある古い看板が特徴のこの市場は、早朝に果物の競りが行われる活気あふれる場所。日中は普通に果物を買うこともできます。世界中の果物が集まるので日本ではなかなか手に入らないものを探してみるのも楽しいです。
早く着きすぎて営業前だったとしても大丈夫。お店のシャッターには擬人化したリンゴ、パイナップルなどのイラストや麻雀をする地元の人々が描かれ、目を楽しませてくれます。早朝の競りの後から一般客向けの営業が始まる前の時間帯に楽しめるアートです。
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・所在地: Yau Ma Tei Fruit Market, Waterloo Road, Yau Ma Tei
次の目的地は油麻地果欄から徒歩1分の距離にある香港随一の道具街「上海街(シャンハイストリート)」です。この通りには、まな板専門店の「萬記砧板」や包丁専門店「陳枝記刀荘」、蒸籠を扱う「明生鋼竹蒸籠廠」といった専門店が軒を連ねていて、一流の料理人たちも足しげく通っています。食器や調味料入れ、月餅の型など比較的気軽に購入しやすい品もあり、お土産を買うスポットとしても人気です。
上海街を佐敦道(ジョーダン・ロード)まで下り、左に曲がったら白加士街(パークス・ストリート)へ入ります。ランチはそこにある老舗雲吞麺屋の「麥文記麵家」で。この店は元々1948年に屋台として始まりましたが、手作りの雲吞麺が評判を呼び、今ではミシュランガイドのビブグルマンに認定されるまでに成長。あっさりした雲吞麺はペロリと食べられる量なので、お腹の空き具合によっては油菜(茹で菜)などのサイドメニューも一緒にオーダーしてみて。
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・所在地: G/F, 51 Parkes Street, Jordan
・URL: https://www.mmk.hk
佐敦にある「先達繡花鞋」は香港メイドのお土産におすすめのお店のひとつ。中国の伝統的な刺しゅうが入ったハンドメイドのルームシューズを扱っています。現在のオーナーは3代目で、子供の頃から刺しゅうを習い、先々代から靴づくりの技術を学んだといいます。伝統的な絵柄はもちろん、キュートなキャラクターをデザインしたものも人気。スリッパやルームシューズのほか、フラットシューズもあります。
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・所在地: Shop 16-17, 1/F, Bowring Commercial Centre, 150-164 Woo Sung Street, Jordan
・URL: https://www.facebook.com/Sindart1958/
さて、ここからは“新”の体験が始まります。まずは柯士甸道(オースティン・ロード)と広東道(カントン・ロード)が交差する角にある「戯曲センター」へ。中国の伝統芸能・京劇(中国オペラ)専門の劇場です。近未来的なデザインの建物の中で、伝統的な戯曲が披露されるという新旧の融合が興味深いポイント。
“新”を感じるのは建物だけではあません。敷居が高くなりがちな伝統芸能を気軽に楽しんでもらうために、飲茶を楽しみながら観劇ができる「茶館劇場」を設けるなど、新たな試みもしているのです。
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・所在地: 88 Austin Road West, Tsim Sha Tsui
・URL: https://www.westkowloon.hk/en/xiqucentre#overview
続いて向かうのは、香港の最新エリアと言っても過言ではない「西九龍文化地区」。その中でも話題の「M+」はアジア最大級のビジュアル・カルチャーをテーマにした美術館。20世紀と21世紀のビジュアル・アート、デザイン、建築を網羅した作品が展示されています。展示スペースはとにかく広く、ギャラリー数だけでも33個もありますが、時間が許す限りじっくりとアートを楽しんでください。
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・所在地: Cultural District, M+, 38 Museum Drive, West Kowloon
・URL: https://mplus.org.hk/en/
西九龍はビクトリア・ハーバーに突き出す形となっています。つまり、先端に行けば、ベスト・ポジションでビクトリア・ハーバーに沈む夕日が観られるということ。「海濱長廊(ウォーターフロント・プロムナード)」と呼ばれる海辺の遊歩道を西へと進むと木材が組まれたモダンな建物「コンペティションパビリオン」が見えます。ここが夕日を見るベストスポット。目の前に沈む夕日と夕暮れに染まる香港島の景色は最高にドラマチックです。
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・所在地: West Kowloon Cultural District
・URL: https://www.westkowloon.hk/en/competitionpavilion
食で“新”を楽しむのにうってつけなのが、ザ・リッツカールトン・香港102階にある中国料理レストラン「天龍軒」。ここではイベリコ豚を使ったチャーシューなど、斬新なアイデアから生まれた料理が味わえます。伝統の技法と柔軟なアイデアから生まれた新感覚中華を堪能あれ。
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・所在地: International Commerce Centre (ICC), 102/F, The Ritz-Carlton, Hong Kong, 1 Austin Rd W, Tsim Sha Tsui
・URL: https://www.ritzcarlton.com/en/hotels/china/hong-kong/dining/tin-lung-heen
クライマックスは同じくザ・リッツカールトン・香港内にあるバー「OZONE」で。118階という高層階から見る夜景は格別です。洗練されたデザインの店内にいると、ついさっきまで下町情緒あふれるエリアにいたことが嘘のよう。まさに“新”と“旧”のコントラストを強く感じられる1日さんぽの締めに相応しい場所です。
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・所在地: International Commerce Centre (ICC), 118/F, The Ritz-Carlton, Hong Kong, 1 Austin Rd W, Tsim Sha Tsui
・URL: https://www.ritzcarlton.com/en/hotels/china/hong-kong/dining/ozone
※当記事は、2022年3月24日現在のものです
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年3月24日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。