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「aruco東京で楽しむ」シリーズから、イタリア&スペインが新たに登場しました。今回は、そのなかから東京都内で両国を観光している気分になれるスポットをご紹介。実は、東京でも世界中から人が訪れるイタリアの人気スポットや巨匠の代表作、スペインの天才建築家を思い起こさせる建物を見ることができるんです!
イタリア・ローマのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会にある「真実の口」。うそつきが口に手を入れると食いちぎられるという言い伝えがあり、映画『ローマの休日』にも登場して一躍有名になったスポットです。東京スカイツリー®や浅草の街を望む浅草ビューホテルのサブエントランス横階段には、そのレプリカが置かれています。カッラーラ地方の大理石で作られたレプリカは原寸大で、傷なども本物そのまま。1985年に設置され、イタリアンレストラン「ラ・ヴェリタ」の入口で客を迎えていました(現在は閉店)。階段の踊り場にあるため、あまりスペースがないので、手すりにカメラやスマートフォンを置いて撮影するのがおすすめです。
■真実の口
・住所:東京都台東区西浅草3-17-1 浅草ビューホテル
・アクセス:つくばエクスプレス浅草駅B出口直結
恵比寿駅から駒沢通りを青山方面へ、明治通りを越えて進んでいくと現れるのが大きな「ダビデ蔵」。イタリア・フィレンツェのアカデミア美術館に所蔵される、ルネッサンス期の芸術家・ミケランジェロの代表作の原寸大レプリカです。置かれているのはパパス本社前。創業デザイナーがイタリアに行った際に見つけたもので、よいもの、美しいものを多くの人に広めたいという思いから設置することにしたといいます。ミケランジェロが表現したのは、ダビデがゴリアテを倒そうと石を投げようとしている旧約聖書の場面です。オリジナルと同様に血管が浮き出ている手や腕など、細部もチェックしてみてください。
■ダビデ像
・住所:東京都渋谷区広尾2-1-14 パパス
・アクセス:JR恵比寿駅西口から徒歩11分
早稲田大学のすぐ近くに、ひと際目を引く建物があります。波打つ曲線に、色鮮やかな装飾で彩られた外壁……。サグラダ・ファミリアやカサ・ミロなどで知られるバルセロナの建築家・アントニ・ガウディの作品を思い起させるこの建物は、建築家・梵寿綱さんによるもの。大航海時代にスペインに伝わった伝説の地「エル・ドラード(黄金郷)」をイメージした集合住宅で、ウエディングケーキのような外観が特徴です。外壁には無数の彫刻や装飾タイルが施され、見れば見るほど発見が……。
驚きはその外観だけではありません。色とりどりのタイルで敷き詰められたエントランスを抜けると、奥に現れるのは洞窟のような空間。壁には幾何学模様や古代の岩画を思わせるさまざまな装飾が施され、天井からは巨大な手のオブジェがつり下がっています。実はこのオブジェ、手のひらの部分が椅子になっていて腰掛けることも。ステンドグラスを通して上空から淡い色の光が差し込み、辺り全体を独特の雰囲気で包み込んでいます。
■ドラード和世陀
・住所:東京都新宿区早稲田鶴巻町517
・アクセス:地下鉄早稲田駅3a出口から徒歩4分
京王線代田橋駅から甲州街道を抜けた路地にたたずむ「和泉の扉」。さらに200mほど先には「舞都和亜」が立っています。閑静な住宅街で異彩を放つこれらの建物も梵さんが手がけたもの。それぞれ「地霊の浄化」「身体的な空間と人間の心が響き合う建築」をテーマに建てられた賃貸住宅で、黄金の髪の毛をたなびかせる巨大女神像や壁一面を覆う波状線の彫刻といった外観はもちろん、内部へ一歩足を踏み入れると、そこには予想を超える“異空間”が広がっています。
梵寿綱さんは1934年生まれの建築家。工業的で無機的な近代建築様式に疑問をもち、「梵寿綱とその仲間たち」を結成してアート・コンプレックス運動を開始しました。梵さんにとって建築物とは、時間や空間を超え、意識や無意識、非日常や日常をつなげ、そこで暮らす人々と共感しながら生き続けるもの。「建物は見る人の意識に語り掛けてくる」と話すように、その日の気分や目のやりどころ、時間帯にもよってまったく違った表情を見せるのも“日本のガウディ”ならではの技法です。梵さんの建物は、建築物という概念を超え、ときには生き物にも見えてくるから不思議。あなたもぜひ、“建物との会話”を楽しんでみてください。
■和泉の扉
・住所:東京都杉並区和泉1-4-8
・アクセス:京王線代田橋駅北口から徒歩8分
■舞都和亜
・住所:東京都杉並区和泉2-27-27
・アクセス:京王線代田橋駅北口から徒歩11分
『aruco東京で楽しむイタリア&スペイン』には、観光スポットはもちろん、本場の味を楽しめるレストランやカフェ、すてきなアイテムが並ぶショップなど、さまざまな情報が盛りだくさん! イタリア&スペインが恋しいあなたも、いつかは行ってみたいと憧れるあなたも、ぜひ手に取ってみてください。
■地球の歩き方『aruco東京で楽しむイタリア&スペイン』
・URL: https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/aruco/arucoJ12
TEXT:『aruco東京で楽しむイタリア&スペイン』編集担当 河部紀子、竹内あや
PHOTO:田尻陽子、竹内あや
※当記事は、2022年4月21日現在のものです