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本場の中華料理「ガチ中華」「マジ中華」を提供するレストランが東京を中心に日本で急増しています。これに着目し、地球の歩き方旅の図鑑シリーズから世界で愛される中華料理を徹底解説する図鑑「世界の中華料理図鑑」が新発売!その内容を一部ご紹介します。
中華料理は中国人の海外移住などをきっかけに世界に広がり、現在では世界三大料理のひとつに数えられるようになりました。日本でも麻婆豆腐や青椒肉絲、天津丼などおなじみの料理がたくさんありますよね。これまで日本で食される中華料理は、日本人向けにアレンジされたものが多かったのですが、ここ数年の間に大きな変化が。在留中国人の増加(2021年6月末で約75万人※)や彼らの消費力向上にともない、本格中華料理「ガチ中華」を提供するレストランが東京を中心として急増しているのです。
※ 出入国在留管理庁2021年10月15日発表による
これは日本人にとってもうれしい状況で、これまで中国各地に行かないと食べることができなかった「ガチ中華」を日本でも味わうことができるようなったということ。その種類は、四川料理や上海料理、広東料理、北京料理はもちろん、湖南料理や雲南料理、貴州料理などの地方料理、さらには中国のイスラム教徒向けの清真料理など多種多様です。このほか、中国でチェーン展開しているレストランが日本でも出店したり中国式のフードコートが登場したりと、日本での中華料理シーンはおおいに盛り上がりを見せています。
地球の歩き方もこの状況に着目し、中華料理を徹底解剖する図鑑を発売することになりました。
中国本土の代表的なメニューに加え、日本人にはほとんど知られていなかったものまで349品の料理を紹介。国内で本格中華料理を食べることができる選りすぐりのレストランもピックアップしました。さらに、日本の「中華丼」のような、中華料理が世界に伝播する過程で現地化されたことにより生み出された中華料理にも着目し、「世界の中華」として解説しています。
続いて、編集者イチオシのガチ中華料理をいくつかご紹介します。
辛さで有名な四川料理を代表する激辛鍋料理。鍋にぶち込まれた大量の唐辛子による赤みを見ただけでもその辛さを察することができるでしょう。唐辛子や花椒(ホワジャオ)、豆板醤(トウバンジャン)などを入れたスープに豚肉や野菜、鴨血(鴨の血を固めたかまぼこのような食材)などの具材を入れて煮込み、ごまだれなどにつけて食べます。日本人にとっては花椒の「痺れる辛さ」は新鮮な味覚。この鍋料理の仲間に麻辣香鍋、冷鍋串串、毛血旺などがあります。
辛さでは四川料理以上といわれる湖南料理を代表する魚料理。湖南料理の辛さの特徴は酸味の効いた辛さ「酸辣(スアンラー)」。剁椒魚頭は、縦に切った淡水魚の頭に発酵唐辛子ペーストなどを炒めたソースをかけ、蒸し焼きした一品で、淡白な魚と酸味の利いたまろやかな辛さを感じます。湖南の人は残ったソースを麺にかけて食べますが、ご飯にも合います。
福建料理を代表する高級食材をふんだんに使ったスープ料理。豚肉や鶏肉などを土鍋に入れて長時間煮込んだスープを壺に注ぎ、アワビやフカヒレ、貝柱などの具を加えてセイロで蒸した一品です。台湾の西に位置する福建省は山海の珍味に恵まれており、それらの食材を生かしたスープ料理が多いことで知られていますが、仏跳牆はその頂点といえるでしょう。
中国西南部に位置する雲南省の料理。雲南省建水特産の土鍋「汽鍋」に鶏肉、トウキやテンマ、冬虫夏草などの生薬等を加え、中華鍋にのせて時間をかけて蒸気で火を通したスープ料理です。「汽鍋」に水分は加えず、土鍋の穴を通して上がってきた蒸気が食材に浸透してスープがにじみ出すという仕組みが特徴です。
世界各国で食されている中華ルーツの料理もいくつか紹介します。韓国の国民食のひとつともいえる「チャジャンミョン」は中国の炸醤麺が韓国化した麺。野菜や春醤、サラダ油を混ぜて作った肉味噌と小麦粉麺を混ぜて食べます。韓国の若者の間でフライドチキンと並んでデリバリーでとても人気のある料理です。
意外にもインドでも中華は人気。チャプスイはアメリカ生まれの肉や野菜のあんかけ中華で、インドではアメリカンチャプスイと呼ばれています。かた焼き麺にトマトケチャップで味つけされた甘酸あんがかかっており、やみつきになる味わいです。
新刊「世界の中華料理図鑑」では、今回ご紹介した料理以外にも、本場中国の多彩な料理から世界に広がった中華ルーツのメニューまで全349品を図鑑で解説。現地の食文化を掘り下げる雑学や、取材先で知り得た旅コラム、本場の味を堪能できる日本の中華レストラン情報も掲載!
W16 世界の中華料理図鑑
旅の図鑑
2022/05/26発売中華料理の沼へようこそ!中国八大料理など本場の中華と世界に広がる中華料理の特徴や食材をとおして、奥深き食文化を堪能しよう
中華料理の沼へようこそ!中国八大料理など本場の中華と世界に広がる中華料理の特徴や食材をとおして、奥深き食文化を堪能しよう
※当記事は、2022年5月25日現在のものです
TEXT: オフィスカラムス碓井正人
PHOTO: オフィスカラムス、iStock
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