ウィズコロナ&円安時代の今、スイス旅行を計画するなら
2023.6.28
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日本帰国時の条件もやっと緩和され、基準をクリアしていれば日本への入国が制限なしに可能になりました。『地球の歩き方スイス』編も改訂に向けて動き始めています。9月から10月にかけてスイス取材を行い、現地の状況を確認してきました。最新の旅行事情をレポートいたします。
目次
スイスもコロナ禍の影響を受け、国外からの観光客数が激減しましたが、早いタイミングで国内旅行のマーケットが復活し、事業者への助けもありました。現地を巡ってガイドブック掲載物件の営業状況を確認したところ、多くのホテルやレストランが営業を継続していました。
スイスへの入国制限は‘22年5月2日に解除されています。入国後の行動制限もなく、以前どおり自由に旅行することが可能になっています。スイス国外からの旅行者も戻ってきており、オーバーツーリズムの問題が指摘されていた’19年ほどではないですが、現地は各国からの観光客でにぎわい、タイミングによってはホテルや人気観光列車の予約が難しいほど混雑しています。
スイスも‘20年以降コロナ禍で旅行業界はダメージを受けましたが、予定されていたプロジェクトは着々と進められていました。’20年12月には、Vバーンプロジェクトと名付けられていた、グリンデルワルトとユングフラウヨッホ観光の麓駅アイガーグレッチャーをわずか20分弱で結ぶロープウェイ「アイガー・エクスプレス」が完成し、このエリアの周遊方法が大きく変わりました。
観光客が戻らなかった‘21年も、スイスでは各地で新施設のオープンやサービス提供が行われ、’22年にいたっています。今後も新規機材を導入する鉄道路線があり、利便性・快適性ともに進化を続けています。
最もおすすめしたいのは、日本人にも人気が高い山岳リゾート、グリンデルワルトにオープンしたロープウェイ「アイガー・エクスプレス」です。このロープウェイを使えば、グリンデルワルト駅からアイガーグレッチャー駅まで1時間弱かかっていた所要時間が30分弱に短縮できます。新しく架けられたルートからは、これまで見ることができなかったアングルから地上を見下ろすことができ、ドローンの撮影映像のようなダイナミックな風景を楽しむことができるようになりました。
都市部ではチューリヒやローザンヌに新しい博物館ができ、大勢の来館者でにぎわっています。またスイス各地を走る列車にも一層乗り心地がよい低床式の新型車が登場し、乗降や荷物収納も楽にできるようになりました。
今、スイスにはヨーロッパだけでなく世界各国から観光客が訪れています。日本と 厳しい渡航制限が続いている中国はスイスへの渡航者が戻っていませんが、現地の受け入れ体制は完全に整っているといえます。
最近では韓国の人気ドラマ『愛の不時着』のロケ地として使われた関係で、撮影場所を訪問するアジア系の観光客でもにぎわっています。人口400人ちょっとの静かな湖畔の村イゼルトヴァルトに観光客が押し寄せ、ロケ現場の桟橋には記念撮影を撮るために、人々が行列を作っています。
スイスは交通機関が発達し、運行時間も正確と定評があります。以前から公共交通機関を使って縦横無尽に旅行できる数少ない国でした。予約システムのデジタル化が進んでおり、予約可能な路線や列車の多くが、個人で申し込みできるオンライン予約に対応しています。
スイスを便利に旅するためには、スマートホン(以下スマホ)が必須です。運行時刻を検索するだけでなく、スマホで鉄道チケットや予約票を表示し、検札を受けることが普通となっています。紙でチケットを出力していれば、それが切符や予約票として使えるシステムはまだ残っていますが、スマホアプリを使用したときにのみ受けられる割引サービスがありますし、乗車予定の列車の詳細情報を得るためにはスマホが必要です。
スイス編は現在、‘23年初夏の改訂版発行に向けて作業を進めています。特に交通システムには変化があり新型車両も導入されていましたので、写真も差し替えて刷新します。改訂版ではお得な情報や最新のおすすめ情報も特集する予定です。ウェブニュースでも現地最新情報をお届けしますので、ご注目ください。
監修:地球の歩き方