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バックパック(リュック、ザック)の一番のメリットは何より手ぶらで旅行できることだろう。背中に背負っているので、未舗装の道も路面ギャップも気にせず旅行ができる。自由に歩いて旅したい方に最適なバッグといえる。ただ、薄い生地でできており、鍵もないため、セキュリティ面は期待できないのと、高級ホテルにバックパックスタイルでずかずか入っていくと、多少肩身の狭い思いをするかも…。バックパックスタイルは、高級・リゾートホテルステイというよりは、エコノミー旅行で歩行性重視のスタイルと言える。
海外旅行目線のバックパック選びではまず、1)軽量さと、背中・腰まわりのフレームの堅牢性のバランス 2)バックパック内外のポケットの数 に注目したい。
スーツケースにおいては、きちんとしたメーカーのカバンであれば総じて軽さ=旅行しやすさだ。なので、旅行期間に合わせてスーツケースの大きさを選べば、身軽に動くことができて、快適な旅になる。しかし、バックパックにおいては、必ずしも軽いバックパック=快適なバックパック、とは言えない。
どういうことかというと、バックパックの背負い心地を左右するのは背中・腰まわりのフレーム(パネル)によるところが大きい。長時間歩くことを目的にしているパックパックは、一般的に持ち運ぶ荷物が重ければ重いほど、その重さを効率的に支えるために頑丈なフレームが必要になる。旅行道具一式と、水分などを背負って長時間歩くような旅を考えている方は、登山界隈で流行っているウルトラライトなバックパックを安易に選ぶと、お土産が増えがちな旅の後半になるにつれ移動がストレスになる。(サイズのわりに軽すぎるバックパックは後述するパッキングに慣れていないとうまく使えなかったりしてテクニカルな物も多い)自然遺産を歩いて巡るような旅や、複数都市を移動するような方は、比較的頑丈な生地、汎用性あるデザイン、フレームがしっかりしたバックパックを候補に入れ、実際の旅行時の重さを背負いモデルを選ぶと失敗しにくくなる。
女性や旅程が短い方、特に重い荷物を持って歩く予定がない方は軽いザックを候補に入れるのもいいだろう。30リットル以内に荷物を抑えられる人なら機内持ち込みも見えてくるし、荷物が少なければザックの頑丈さもあまり気にしないで済む。(50リットル※のザックで1500グラム以下であれば、軽い部類。衣類は洗濯して着回すなど、工夫して荷物を減らそう)背面の構造や生地の使い方で各メーカー独自のムレを防ぐしくみや、担ぎやすさに繋がる工夫がこらされている。実際に背負ってみて、自分に合うザックを見つけてほしい。
※バックパックはリットル単位で大きさを表します
また、バックパックをはじめて選ぶ方へ特に注意したい点としては、バックパックには内部のスペースがすべて繋がっている1気室タイプと、上下に2つの部屋がある2気室タイプがある。趣味に必要な大きな荷物、長物を持ち運ぶなど、特別な理由がない限りは荷物が小分けにでき、整理整頓しやすい2気室タイプを選べば間違いないだろう。(2気室タイプのバックパックでも、ジッパーで上下の部屋をつなげられるバックパックもあるため、選ぶときにチェックしたい)また、バックパックの外側や、雨蓋などにポケット、サイドにペットボトルが入るスペースがあると、何かと便利。盗難などの危険がある海外旅行者にうれしい機能としては、バックパックの表ではなく、裏側に小さなセキュリティポケットがあるものを選ぶと、パスポートなどを入れておけるため、移動中の安心感がある程度高まる。
候補の渡航先が、防寒具不要の季節、1週間程度の旅に必要なザックの容量は大体40~50ℓくらいだろうか。これくらいあれば、必要な荷物を入れた上でお土産を詰め込むくらいのスペースはある。あとは自分の体の大きさ、荷物の多寡に合わせて適して大きさを選べばよいだろう。筆者が最初に購入したザックの容量は45ℓ+10ℓというタイプのもので、雨蓋の紐を延ばすことで容量を増やせたが、海外旅行時に荷物が入らなくなったことは一度もない。注意点としてはメーカーによって同じリットル表記でも構造などの理由で入る容量には差があると感じる。一概にリットル表記だけで判断せず、靴を選ぶのと同じように、専門店などでスタッフとコミュニケーションを取りながら旅の相棒を選んでいただきたい。
私もそのうちのひとりだが、バックパックひとつで自由に旅行をすることに魅せられている人は多い。これからバックパックを購入する方に、海外旅行目線で役に立った工夫を列挙させていただく。