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2021年11月に正式開業したタイ国有鉄道(SRT)のレッドラインにより、タイの玄関口のひとつであるドーン・ムアン空港からバンコク市内まで、電車を使って移動できるようになりました。観光客向けのホテルが多いスクムウィット(スクンビット)、アソーク駅周辺やシーロム駅などへ向かう場合、SRTダークレッドラインからMRT(地下鉄)ブルーラインを乗り継ぐ必要がありますので、今回はその移動方法を写真付きで紹介します。
目次
タイ国有鉄道(State Railway of Thailand、通称SRT)のレッドラインは、2009年1月から日本(JICA)の円借款(ODA)とタイ政府自己資金で建設が始められ、2021年3月26日に試行運転をスタートしたバンコク首都圏の公共交通システムのひとつです。同年11月29日には、バンスー中央駅(Bang Sue Grand Station、新駅名:クルンテープ・アピワット中央駅、Krung Thep Aphiwat Central Terminal)のオープンを機に通常運行を開始しました。
レッドラインには、MRTへの乗り換えが可能なバンスー中央駅(新駅名:クルンテープ・アピワット中央駅)から、北のランシット駅など9駅に向かうSRTダークレッドラインと西のタリンチャン駅など3駅に向かうライトレッドラインの2路線があります。ダークレッドラインにはドーン・ムアン空港へのアクセスが抜群のドーン・ムアン駅があります。運行は1時間に1~5本のペース。実際に乗車してみると、車両は現代的できれいです。
これまで、ドーン・ムアン空港からバンコク市内への移動はタクシーが主流でしたが、このダークレッドラインの開業により、アクセスがよくなりました。また、コロナ明けに予想される渋滞の緩和にも期待が寄せられます。
ドーン・ムアン空港から、バンコク・スカイトレイン(BTS)アソーク駅直結のMRTスクムウィット駅とMRTシーロム駅まで電車を使った移動の流れは、以下のとおりです。SRTダークレッドラインとMRTブルーラインを乗り継いでいくことになります。
・ドーン・ムアン空港(Don Mueang International Airport、DMK)
↓徒歩
・SRTドーン・ムアン駅(Don Mueang Station※)プラットフォーム3
※Don Muang Stationという表記の場合も
↓SRTダークレッドライン(約16分、33バーツ、約125円)
・SRTクルンテープ・アピワット中央駅(旧名:バンスー中央駅)(Bang Sue Grand Station→2022年10月以降、Krung Thep Aphiwat Central Terminal)※
↓徒歩で乗り換え
・MRTバンスー駅(Bang Sue Station)プラットフォーム1
↓MRTブルーライン(スクムウィット駅まで約22分、大人料金40バーツ、約150円。シーロム駅まで約30分、大人料金42バーツ、約160円。なお、23歳以下かつタイの学校に通う学生は10%割引、シニア、子どもは50%割引)
・MRTスクムウィット駅(Sukhumvit Station)やMRTシーロム駅(Si Lom Station)など
ドーン・ムアン空港からMRTスクムウィット駅(=BTSアソーク駅)までの合計料金は、73バーツ約280円)、MRTシーロム駅までの合計料金は、75バーツ(約285円)です。
バンスー駅は、複数路線が乗り入れるターミナル駅です。ドーン・ムアン空港からの移動で利用するのは、バンスー中央駅(Bang Sue Grand Station、新駅名:クルンテープ・アピワット中央駅、Krung Thep Aphiwat Central Terminal)※とMRTブルーラインのバンスー駅(Bang Sue Station)です。なお、これら以外にも、SRT長距離線が使用している旧バンスー駅(Bang Sue Junction StationやBang Sue Railway Stationという表記)がありますのでご注意ください。
※【2023年3月18日追記】バンスー中央駅は、2022年10月1日に、国王の命名により、クルンテープ・アピワット中央駅(Krung Thep Aphiwat Central Terminal)に駅名変更が発表され、2023年現在、各種案内の変更が進められているところです。
ダークレッドラインの運行は、朝夕は1時間に4、5本、日中は1時間に3本で、早朝と深夜はさらに本数が少なくなります。BTSやMRTに比べると本数は少なめですが、待ち時間が長いと感じるほどではなく、利用しやすいと思います。
乗り換え後に利用するMRTブルーラインは運行本数が多いですが、朝夕の通勤時間帯はかなり混みあうことがあります。コロナ前のラッシュ時にはホームに上がれないこともあったので、時間には余裕をもって移動したほうがいいでしょう。MRTバンスー駅発のラックソン駅行きは平日5:58~23:33、土日祝日は5:55~23:33、タープラー駅行きは平日5:54~00:05、土日祝日5:57~00:05です。時刻表については変更になる場合があるので注意してください。
ドーン・ムアン空港の国際線ターミナル1にいる場合は、まず国内線ターミナル2へ移動しましょう。国内線ターミナルの2階に行くと、SRTドーン・ムアン駅に通じる通路があります。国際線ターミナル内にも、道中SRT Red Lineへ誘導する看板があります。
歩く距離はそれなりにありますが、ところどころにエスカレーターとエレベーターがあるので、大きな荷物があっても安心です。
途中の通路沿いに、薬局、コンビニエンスストア、フードコート、コーヒーショップがあります。
案内どおりに進み、上記写真の案内表示で右に曲がります。SRTドーン・ムアン駅に近づくと、右手に「Long Distance Train」、左手に「Commuter Train」の入口が見えるので、左手のCommuter Trainの方向へ進みます。
トークン購入の手順は、(1)行き先を選ぶ(2)硬貨または紙幣を入れる(3)トークンとお釣りを受け取る、の3ステップでシンプルです。100バーツ以下の紙幣や硬貨がない場合は、係員のいる窓口へ行って両替してもらうか、行き先を告げてトークンを購入することをおすすめします。
トークンを受け取ったら、改札を通って、乗り場(ホーム)へ向かいます。トークンを改札機にかざすと、扉が開きます。
電光掲示板の案内に従って、バンスー中央駅(新駅名:クルンテープ・アピワット中央駅)行きの電車に乗りましょう(このときは、3番のホームにバンスー中央駅行きの電車が来ていました)。
SRTバンスー中央駅(新駅名:クルンテープ・アピワット中央駅)に到着したら、MRTブルーラインのバンスー駅まで徒歩で移動します。駅構内にMRTバンスー駅への案内がありますが、乗り場がわからない場合は、「Where is MRT(エムアールティー)?」や「MRTユーティナイクラップ?(自身が男性の場合)/ユーティナイカ?(女性の場合)」と聞けば大丈夫です。
MRTブルーラインのバンスー駅で、MRTスクムウィット駅やシーロム駅など、行きたい駅までのトークンを購入します。トークンの購入方法は、レッドラインとほぼ同じですが、MRTの券売機では、トークンを1人分ずつしか購入できず、券売機によっては紙幣が使えない場合があります。硬貨や紙幣がなく券売機でトークンを購入できない場合は、駅係員のいる窓口で、行き先の駅名を告げることでトークンを買うことができます。なお、MRTの券売機でトークンを購入する場合、お釣りが出てくるのに少し時間がかかりますので、取り忘れに気をつけましょう。
MRTに限ったことではありませんが、改札前には手荷物検査があります。ニオイの強い果物ドリアンの持ち込みは許可されていません。
改札を通過したら、1番乗り場に来る電車で、スクムウィット駅やシーロム駅などへ向かうことができます。MRTスクムウィット駅はBTSアソーク駅につながっています。BTSアソーク駅へ行く場合は、MRTスクムウィット駅に到着したら、3番出口へ向かいましょう。
以上、いかがでしたか。ドーン・ムアン空港から主要な駅への行き方を紹介しました。電車を使ってスムーズに移動し、タイ旅行、バンコク観光を大いに楽しんでください。
※1バーツ:3.8円で計算しています。
※こちらの記事は2022/12/1のものです。最新情報は必ず各自でご確認ください。
TEXT・PHOTO:バンコク特派員 Taeko
監修:地球の歩き方