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タイの正月は1年に3回!?活気あふれる春節の様子を現地バンコクからレポート

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2022年2月17日
公開日
2022年2月17日
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2022年2月1日(火曜日)は、中華圏の旧正月にあたる「春節」でした。中国にルーツをもつ人々が多く暮らすタイ・バンコクも、盛大な祝賀ムードに包まれました。オミクロン株の感染が急拡大していることを受け、昨年同様に大規模な「春節祭」は中止されましたが、町中では華やかな飾り付けやイルミネーション、伝統行事などを楽しむことができました。混沌と喧騒に満ちた、バンコク最大の中華街「ヤワラート」から、2022年の春節の様子をレポートします。

目次

タイの正月は1年に3回?春節は中華圏の旧正月

春節の関連グッズを売る露店

タイに住んでいると、正月を祝う機会が1年で3度あります。新暦の正月(1月1日)、中華圏の旧正月「春節」(1月下旬~2月上旬)、タイの旧正月「ソンクラーン」(4月)です。

春節は中国本土をはじめ、香港、台湾、韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどでも祝日として扱われ、全世界の華人にとってとても大切な日です。華人が多いタイでは祝日とはならないものの、春節の時期になるとお祝い気分が高まり、各地でイベントが開催されます。

祝賀カラーの赤色に染まった中華街、ヤワラートを散策しよう

バンコク最大の中華街ヤワラートのメイン通り

赤提灯や赤い服など中華圏では縁起が良く、祝賀カラーとして用いられる 赤色 に染まったバンコク最大の中華街ヤワラートを散策します。ヤワラートはタイに移住してきた華人とタイの文化が融合した、風情あるエリアです。春節が近づくといつも以上に多くの人でごった返し、活気があふれています。

中国語の看板がならび屋台や露店がひしめきあう、メインストーリートの「ヤワラート通り」では、雑多な雰囲気とムンムンとした熱気のなかで赤い服やチャイナドレスを身にまとった人々でにぎわっています。どんなものが売られているのでしょうか。

この赤いポチ袋は「紅包」(アンパオ)と呼ばれ、目上の人が子どもや目下の人にお年玉を渡すときに使われます。

「紅包」(アンパオ)

日本のおせち料理のように、中華圏の春節でも“幸運をもたらす”といわれている縁起の良い食べ物があります。餃子、春巻き、魚料理、みかんなどがその代表格です。

ショーケースにたくさん並べられた海老餃子(左)と豚肉餃子(右)
新年のあいさつに持参することもあるみかん

大晦日には掃除をしたり、一家団らんで伝統料理を食べたり、おしゃべりして夜を明かしたり、新年にはお祝いメッセージを送りあったりするのだそう。日本の正月と共通点が多くて、おもしろいですよね。

金の売買取引をするショップ「金行」には、長蛇の列。中華圏では、財産を「金」で持つことが一般的だそうです。

ヤワラート通りの金行には長蛇の列

露店では、普段は見かけないチャイナドレスや赤い服がたくさん売られています。大人の女性用のチャイナドレスを手にとると、1着300バーツ(約1070円)ほどと、お手頃な価格です。

チャイナドレスの色やデザインを吟味する人々の様子1
チャイナドレスの色やデザインを吟味する人々の様子2
春節仕様の髪飾りやピアス

春節期間にお団子ヘアやチャイナドレス姿の女性を多く見かけるようになったのはここ10年ほどと、わりと最近なのだそう。お祭りやイベント好きなタイ人の国民性がここにも垣間見えます。

厄除け寺の「ワットマンコンカマラーワート」は1871年建立のバンコク市内で最古の中国仏教寺院です。無数の真っ赤な提灯が飾られ幻想的な雰囲気を醸し出しています。黄金の仏像が祀られている本堂へ向かいました。

ワットマンコンカマラーワートの本堂

多くの参拝客でにぎわっています。

参拝者でにぎわうワットマンコンカマラーワート

筆者もお供えセット140バーツ(約500円)を購入し、お参りしました。

ロウソク、線香、みかんなどが入った「お供えセット」

ワットマンコンカマラーワート(龍蓮寺)

住所
423CharoenKrungRd,PomPrap,PomPrapSattruPhai,Bangkok10100
アクセス
MRTワット・マンコン駅から徒歩約3分
拝観時間
6:00~19:00
入場料
無料

ヤワラートはグルメタウンとしても有名! ここで食べる本場の飲茶は格別です。せっかくなので、ヤワラート通り沿いの人気中華料理店「Laoteng(ラオテン)」を訪れてみました。

ラオテンの小籠包

おしゃれな雰囲気でサービスも行き届いています。小籠包、焼き餃子、海老シュウマイ、フカヒレスープ、センミー焼きそばなど、どれもアロイマーク(=すごくおいしい)!

種類豊富で美しい飲茶はどれもおいしい

Laoteng(ラオテン)

住所
438YaowaratRd,KhwaengSamphanthawong,Samphanthawong,Bangkok10100
アクセス
MRTワット・マンコン駅から徒歩約5分
営業時間
11:00~22:00
定休日
なし
URL
https://www.facebook.com/Laoteng.438/

おいしい食事をたくさん食べても甘いものは別腹! という人におすすめなのが、バンコク在住の日本人に大人気の中華スイーツの店、「Ba Hap Tian Mi(バー・ハオ・ティアン・ミー)」のタピオカミルクティープリン。118バーツ(約420円)。

中華スイーツ店バー・ハオ・ティアン・ミー

甘さ控えめで優しい味のプリン、黒蜜ベースのシロップ、モチモチのタピオカが口のなかで三位一体となり、食べた人を幸せな気分にしてくれます。

バンコク在住の日本人に人気!「タピオカミルクティープリン」

BaHapTianMi(バー・ハオ・ティアン・ミー)

住所
8PhadungDaoRd,Samphanthawong,Bangkok10100
アクセス
MRTワット・マンコン駅から徒歩約5分
営業時間
10:30~23:00
定休日
なし
URL
https://www.ba-hao.com/tianmi

混沌に満ちた夜のヤワラートで春節の風物詩を楽しむ

爆竹が鳴り響き龍が舞う夜のヤワラート

中華街ヤワラートが本領を発揮するのは、怪しげなネオンが光りだす日没後。2月2日の夜、筆者も友人たちとチャイナドレスを着て、夜のヤワラートに繰り出しました。中華街門の周辺はカラフルなランタンで彩られ、美しいイルミネーションが設置されています。

美しくライトアップされた「中華街門」
ランタンが彩るイルミネーションは格好の撮影スポット

2022年は寅年なので、トラにちなんだオブジェや装飾をあちこちで見かけます。

トラのオブジェ

夜のヤワラート通りは、日中以上の喧騒とむせ返るような熱気です。パンパン! と爆竹や太鼓の音が鳴り響くなか、チャイナタウンを龍が舞い、獅子舞が練り歩く。非日常の風景に高揚感をかきたてられ、ウキウキと心が踊ります。

混沌と喧騒に満ちたヤワラート通り
獅子舞や竜を操る若者たち

ぶらぶらと露店を見ながら、気の赴くままに散策しましょう。あらゆるものがごちゃまぜになったヤワラートの“カオス感”は、人々の好奇心を刺激し続けます。

ヤワラートのカオスな雰囲気が人々を虜にする

大型ショッピングモールでも春節の雰囲気を楽しめる

商業施設「ターミナル21」の衣料品店では赤い服が目立つ

ヤワラートまで行くのは腰が重いという方も大丈夫。バンコク中心部の商業施設では、あちこちで春節にちなんだデコレーションがなされ、お祝い気分に浸れます。

こちらはBTSプロンポン駅直結のデパート「エンポリアム」の入り口です。春節カラーがふんだんに使われていて、とっても華やか!

エンポリアムの装飾

お向かいのデパート「エムクオーティエ」には、巨大ドラゴンが設置されています。

エムクオーティエの装飾

BTSサイアム駅直結の「サイアム・パラゴン」の食料品売り場では、春節関連の商品がずらりと並べられています。チャイナドレスや赤い服を身にまとった店員さんが、とってもかわいくてキュンとします。

長寿の象徴「桃型のまんじゅう」
チャイナドレスや赤い服を身にまとう店員

「セントラル・チットロム」のオブジェは、黄金に輝く巨大なトラに様変わり。タイならではのユーモラスで大胆な発想が大好きな筆者です。

セントラル・チットロムの装飾

日本の正月とはひと味もふた味も違う雰囲気を醸し出す春節。大人も子供も、地元民も観光客もみんなが楽しめるイベントで、異文化のお祝いを体験できるおすすめのシーズンです。タイ在住者としては、今年2回目の新年を迎えてフレッシュな気持ちになり、なんだか得した気分です(笑)。

タイでも新型オミクロン株が蔓延しており、自由にタイ旅行をするにはまだハードルが高い状況ではありますが…。自由な海外旅行が解禁されてタイを旅行する際の参考になれば幸いです。一刻も早く状況が収束し、日本とタイを以前のように行き来できる日が戻ってきますように。

TEXT・PHOTO:バンコク特派員 日向みく

※当記事は、2022年2月16日現在のものです

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〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記を参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html

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