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2022年2月1日(火曜日)は、中華圏の旧正月にあたる「春節」でした。中国にルーツをもつ人々が多く暮らすタイ・バンコクも、盛大な祝賀ムードに包まれました。オミクロン株の感染が急拡大していることを受け、昨年同様に大規模な「春節祭」は中止されましたが、町中では華やかな飾り付けやイルミネーション、伝統行事などを楽しむことができました。混沌と喧騒に満ちた、バンコク最大の中華街「ヤワラート」から、2022年の春節の様子をレポートします。
目次
タイに住んでいると、正月を祝う機会が1年で3度あります。新暦の正月(1月1日)、中華圏の旧正月「春節」(1月下旬~2月上旬)、タイの旧正月「ソンクラーン」(4月)です。
春節は中国本土をはじめ、香港、台湾、韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどでも祝日として扱われ、全世界の華人にとってとても大切な日です。華人が多いタイでは祝日とはならないものの、春節の時期になるとお祝い気分が高まり、各地でイベントが開催されます。
赤提灯や赤い服など中華圏では縁起が良く、祝賀カラーとして用いられる 赤色 に染まったバンコク最大の中華街ヤワラートを散策します。ヤワラートはタイに移住してきた華人とタイの文化が融合した、風情あるエリアです。春節が近づくといつも以上に多くの人でごった返し、活気があふれています。
中国語の看板がならび屋台や露店がひしめきあう、メインストーリートの「ヤワラート通り」では、雑多な雰囲気とムンムンとした熱気のなかで赤い服やチャイナドレスを身にまとった人々でにぎわっています。どんなものが売られているのでしょうか。
この赤いポチ袋は「紅包」(アンパオ)と呼ばれ、目上の人が子どもや目下の人にお年玉を渡すときに使われます。
日本のおせち料理のように、中華圏の春節でも“幸運をもたらす”といわれている縁起の良い食べ物があります。餃子、春巻き、魚料理、みかんなどがその代表格です。
大晦日には掃除をしたり、一家団らんで伝統料理を食べたり、おしゃべりして夜を明かしたり、新年にはお祝いメッセージを送りあったりするのだそう。日本の正月と共通点が多くて、おもしろいですよね。
金の売買取引をするショップ「金行」には、長蛇の列。中華圏では、財産を「金」で持つことが一般的だそうです。
露店では、普段は見かけないチャイナドレスや赤い服がたくさん売られています。大人の女性用のチャイナドレスを手にとると、1着300バーツ(約1070円)ほどと、お手頃な価格です。
春節期間にお団子ヘアやチャイナドレス姿の女性を多く見かけるようになったのはここ10年ほどと、わりと最近なのだそう。お祭りやイベント好きなタイ人の国民性がここにも垣間見えます。
厄除け寺の「ワットマンコンカマラーワート」は1871年建立のバンコク市内で最古の中国仏教寺院です。無数の真っ赤な提灯が飾られ幻想的な雰囲気を醸し出しています。黄金の仏像が祀られている本堂へ向かいました。
多くの参拝客でにぎわっています。
筆者もお供えセット140バーツ(約500円)を購入し、お参りしました。
ヤワラートはグルメタウンとしても有名! ここで食べる本場の飲茶は格別です。せっかくなので、ヤワラート通り沿いの人気中華料理店「Laoteng(ラオテン)」を訪れてみました。
おしゃれな雰囲気でサービスも行き届いています。小籠包、焼き餃子、海老シュウマイ、フカヒレスープ、センミー焼きそばなど、どれもアロイマーク(=すごくおいしい)!
おいしい食事をたくさん食べても甘いものは別腹! という人におすすめなのが、バンコク在住の日本人に大人気の中華スイーツの店、「Ba Hap Tian Mi(バー・ハオ・ティアン・ミー)」のタピオカミルクティープリン。118バーツ(約420円)。
甘さ控えめで優しい味のプリン、黒蜜ベースのシロップ、モチモチのタピオカが口のなかで三位一体となり、食べた人を幸せな気分にしてくれます。
中華街ヤワラートが本領を発揮するのは、怪しげなネオンが光りだす日没後。2月2日の夜、筆者も友人たちとチャイナドレスを着て、夜のヤワラートに繰り出しました。中華街門の周辺はカラフルなランタンで彩られ、美しいイルミネーションが設置されています。
2022年は寅年なので、トラにちなんだオブジェや装飾をあちこちで見かけます。
夜のヤワラート通りは、日中以上の喧騒とむせ返るような熱気です。パンパン! と爆竹や太鼓の音が鳴り響くなか、チャイナタウンを龍が舞い、獅子舞が練り歩く。非日常の風景に高揚感をかきたてられ、ウキウキと心が踊ります。
ぶらぶらと露店を見ながら、気の赴くままに散策しましょう。あらゆるものがごちゃまぜになったヤワラートの“カオス感”は、人々の好奇心を刺激し続けます。
ヤワラートまで行くのは腰が重いという方も大丈夫。バンコク中心部の商業施設では、あちこちで春節にちなんだデコレーションがなされ、お祝い気分に浸れます。
こちらはBTSプロンポン駅直結のデパート「エンポリアム」の入り口です。春節カラーがふんだんに使われていて、とっても華やか!
お向かいのデパート「エムクオーティエ」には、巨大ドラゴンが設置されています。
BTSサイアム駅直結の「サイアム・パラゴン」の食料品売り場では、春節関連の商品がずらりと並べられています。チャイナドレスや赤い服を身にまとった店員さんが、とってもかわいくてキュンとします。
「セントラル・チットロム」のオブジェは、黄金に輝く巨大なトラに様変わり。タイならではのユーモラスで大胆な発想が大好きな筆者です。
日本の正月とはひと味もふた味も違う雰囲気を醸し出す春節。大人も子供も、地元民も観光客もみんなが楽しめるイベントで、異文化のお祝いを体験できるおすすめのシーズンです。タイ在住者としては、今年2回目の新年を迎えてフレッシュな気持ちになり、なんだか得した気分です(笑)。
タイでも新型オミクロン株が蔓延しており、自由にタイ旅行をするにはまだハードルが高い状況ではありますが…。自由な海外旅行が解禁されてタイを旅行する際の参考になれば幸いです。一刻も早く状況が収束し、日本とタイを以前のように行き来できる日が戻ってきますように。
TEXT・PHOTO:バンコク特派員 日向みく
※当記事は、2022年2月16日現在のものです
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