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パリのエスプリ感じられる、素敵な隠れ家カフェ

HIROMI

HIROMI

東京特派員

更新日
2022年12月7日
公開日
2022年12月7日
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カフェは人が集い、語り、創造が生まれる場所。人と出会う場所。おしゃべりすることがなにより好きなパリジャンにとって、おいしいコーヒーは欠かせません。星の数ほどカフェがあると言われるパリにおいて、居心地の良いお店を見つけられたら、我が家に帰ってきたような安心感があるでしょう。パリジェンヌも足繁く通う、素敵な隠れ家カフェをご紹介します。

文化の左岸で文豪に思いを馳せるCaféd’autour(カフェドトゥー)

いつの時代も色褪せない、セーヌ河沿いの景色

「パリ」「カフェ」という言葉から、多くの人が思い描くのがこのサン=ジェルマン地区でしょう。
美しいセーヌ河岸の景色、路上音楽家、どこか素敵なところへ連れて行ってくれそうな石畳の路地など、思い描く「パリ」をそのまま感じられる地区です。

おすすめのカフェは一見、賑やかな表通りからは想像もできない落ち着いた小さな通りにあります。

その名もつばめ通りRuedel‘Hirondelle(リュー・ド・リロンデル)

このつばめ通りに150年の歴史ある、芸術家たちに愛されてきたバーl'Hirondelle(イロンデル)があります。
店内の壁には、ここでアブサン片手に語り合ったという作家たちの名前が彫られています。

ポール・ヴァレリーにオスカー・ワイルド。彼らもここで集ったのだと思うとわくわくします。

このバーが昼の間だけ営業しているのがCafé D'autour(カフェ ドトゥー)です。
オーナーのヤダさんが手がけるブレンドコーヒーには、この地に敬意を表し、作家名がつけられています。例えば、シャルル・ブコウスキー、ニナ・シモーン、セルジュ・ゲーンズブール、モンテスキューなど。それぞれの作品や時代背景から香りや味を想像し、ブレンドされているそう。

ヤダさんの手によって一杯ずつ、丁寧に淹れられるコーヒーは驚くほど飲みやすく、疲れを癒してくれます。
洞窟のような店内はまるでタイムスリップしたかのよう。

古き良き時代の名残を残す店内で、こだわりのコーヒーを。訪れる人によってさまざまな想いがめぐることでしょう。

店名
CaféD’autour(カフェドトゥー)
最寄のメトロ(地下鉄)駅
10番線ClunyLaSorbonneまたは4、10番線のOdéon。シテ島から徒歩可。
住所
25ruedel’hirondelle75006
営業時間
火・木・土8:00〜17:00、金8:00〜16:00、日14:00〜19:00。バー「l’Hirondelle(イロンデル)」は18:00〜翌2:00まで
定休日
月、水

ルーブル美術館裏の歴史ある名店、CaféVerlet(カフェベルレ)

クラシカルな調度品で統一されたお洒落な店内。

1880年からの伝統あるこちらはパリジャンにも愛されてきた正統派カフェ。店内は、常30種類はあるというコーヒー豆を焙煎する香りで包まれ、20世紀初頭を彷彿とさせるクラシカルな調度品にも癒されます。パリの5つ星ホテルや古き良きビストロもこちらのコーヒーを取り扱いがあり、品質の高さがうかがえます。

店内では昔ながらのFruits confits(フリュイ・コンフィ/果物の砂糖漬け)に加えカール・マルレッティ氏のガトーなど、見た目も麗しい繊細なデザートがいただけます。

エクレアやサントノレ、美しいガトーがずらり

分厚いメニュー表からさまざまな産地のコーヒーを選ぶことができ、その中から店員さんにおすすめを聞くのも楽しみのひとつ。観光やショッピングの中心地にありながら、おいしいコーヒーの飲める貴重な存在です。
こちらではたっぷり二杯分楽しめる、カフェティエールでの注文がおすすめです。カフェティエールとはコーヒーを淹れるコーヒーポットの事で、こちらの店では伝統ある陶器のカフェティエールで淹れたコーヒーを香りを逃さず楽しめます。また初夏には選び抜かれた希少なアラビカコーヒーも登場します。見かけた際はぜひ味わってみてください。

こちらの白いポットがカフェティエール。コーヒーを淹れるための伝統的な陶器です。
二杯分楽しめるカフェティエールは、二人で分けて飲むこともできます。
店名
CaféVerlet(カフェベルレ)
最寄のメトロ(地下鉄)駅
1、7番線のPalaisRoyal-MuséeduLouvreより徒歩3分
住所
256RueSaint-Honoré,75001
営業時間
10:00~19:00
定休日

絶景の庭園MaisondeBalzac(カフェメゾンドバルザック)

最高の景色を望むバルザック記念館。住んでいた当時はエッフェル塔はまだありませんでした。

エッフェル塔を望むレストランやカフェはどこも敷居が高いもの。ですがバルザック記念館に併設されているこちらのカフェは、エッフェル塔を目の前に自分の庭のようにくつろぐことができます。

バルザック記念館(メゾンドバルザック)は、フランスの小説家オノレ・ド・バルザックのかつての邸宅を記念館として公開、展示を行っています。ここで彼は一日に50杯ものコーヒーを飲みながら執筆していたのだそう。館内では机や椅子など当時の様子がうかがえる、さまざまな展示品が見られます。

バルザックの時代にはパリ植物園で栽培されたコーヒー豆が使われていたのだそう。
程よく手入れされた庭園で過ごすひとときは、旅の疲れを癒してくれます。

オーガニックカフェとして有名な「ローズベーカリー」が運営するこちらのカフェでは、モンマルトル店と同じヘルシーなデリはもちろん、人気のキャロットケーキやバナナブレッド、スコーンもいただけます。

キッシュ(7.5ユーロ)や日替わりサラダ(13.5ユーロ)、キャロットケーキやバナナケーキ(5.5ユーロ)、焼き菓子、コーヒーにお茶がそろっています。
コーヒーを淹れてくださるウクライナ人のアッラさん。彼女の笑顔にも元気をもらえますよ。
街の喧騒を忘れてゆっくりした時間を過ごせます。
店名
MAISONDEBALZAC(メゾンドバルザック)
最寄のメトロ(地下鉄)駅
6番線Passyまたは9番線LaMuette
最寄のRER線駅
BoulainvilliersまたはRadioFrance
バス
32,50,70,72番線
住所
47,rueRaynouard75016Paris
営業時間
火~日10:00~18:00
定休日

庭園カフェがお好きな方には同じローズベーカリーが運営する、パリ市立ロマン主義博物館の庭園カフェもおすすめです。こちらも博物館併設のため、落ち着いて過ごすことができます。カフェのみの利用も可能。

庭の花に囲まれたテラスでティータイムが楽しめます。
店名
サロン・ド・テ(パリ市立ロマン主義博物館内)
最寄のメトロ(地下鉄)駅
12、2番線Pigalleより徒歩8分
住所
16RueChaptal,75009Paris
営業時間
火~日10:00~18:00
定休日

パリ市立ロマン主義博物館

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パリで最初のコーヒーショップ、Caféotheque(カフェオテック)

壁一面に広がるコーヒー豆は圧巻。

パリで最初にシングルオリジンを提供したのがこちら、元グアテマラ大使の女性が開いたコーヒー店、Caféotheque(カフェオテック)です。
選び抜いた産地から取り寄せた焙煎前の生豆を、店内で直火式焙煎をしており、豆を焙煎する芳しい香りが店内にたちこめます。コーヒーにこだわりのあるパリジャンなら知らない人はいない有名店で、自宅用に購入する際はフィルター、フレンチプレスなどお使いのコーヒーマシンに合わせて豆を引いてくれます。

併設のカフェには芸術家の多いマレ地区にあり、音楽家、画家などさまざまな芸術家が集います。
広い店内はいくつかのサロンに分かれており、インテリアと雰囲気も異なります。この自分の居心地よく過ごせる空間を見つけてもらえるようにという配慮も、人が集まる理由のひとつ。

新進気鋭のアーティストによる作品展示。気に入ったら作品を購入することもでき、アーティストの支援も行われています。

週末はプロのジャズバンドの演奏が行われ、壁には常時新進気鋭の芸術家の作品が並ぶ、まさに文化発信地。コーヒー好きなパリジャンなら必ず一度は訪れているといわれるのも納得です。

やはりシングルオリジンが人気で、このカフェの発祥とも言えるグアテマラ産のコーヒーがおすすめです。
店名
LaCaféothèque(カフェオテック)
最寄のメトロ(地下鉄)駅
7番線PontMarieより徒歩1分、または1、11番線Hôteldevilleより徒歩5分
住所
52Ruedel’Hôteldeville,75004Paris,France
営業時間
9:00~19:00
定休日
無し

美味しいコーヒーは人の気持ちをほぐし、会話を生む大切な要素。ご紹介したカフェは、ひとりでも家族でも気軽に入れ、店主のこだわりの詰まった居心地良い店内で、ゆっくり時間を過ごす人と打ち解けあえるのが魅力です。ひとりでふらりと入ったカフェで、隣にいる方と話が弾む、なんてこともパリならでは。
ぜひパリで美味しいコーヒーを味わってください。きっと忘れられない出会いがあるはずです。

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