海外旅行中のスマホ、タブレットのネットワーク、 Wi-Fi接続入門
2022.12.8
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地図アプリやメッセージアプリ、通話まで海外旅行で悩むのがインターネット環境の確保です。フランスにおけるWi-FiスポットとモバイルWi-Fiルーターの選び方についてまとめました。
フランスの中でも特にパリは無料で接続できるWi-Fiスポットが至る所にあります。パリ市は市営の公園や広場、建物など市内250ヵ所に無料Wi-Fi備え付けており誰でも無料利用が可能です。それ以外にもデパートや飲食店など、民間の施設も無料のWi-Fiを提供しているところは多いです。
無料Wi-Fiは手軽に接続できて良いですが、一方で第三者に情報を覗き見されたり盗まれたりするセキュリティ上の問題も抱えています。差し障りない内容の利用にとどめ、クレジットカード決済など個人情報のやり取りはなるべく避けましょう。
最も安心なのがプライベートのインターネット接続手段を持つこと。モバイルWi-Fiルーターを利用したり、日本のSIMカードを海外プランで使ったり、現地のSIMカードを購入して入れ替えるといった方法があります。
モバイルWi-Fiルーターは、海外で使えるモバイルWi-Fiルーターを日本でレンタルする場合と、海外でも使えるモバイルWi-Fiルーターを購入する2種類の方法があります。
前者は「グローバルWiFi」「イモトのWiFi」 など、日本の空港で借りて帰国時に空港で返すタイプのもの。通信速度と通信量によってプランが変わります。日本にいる時に日本語で手配でき、語学に不安があってもインターネット環境の確保が容易にできます。ただし、レンタルする日数が長くなればその分レンタル料もかさみます。
後者は香港企業が販売する「Pokefi(ポケファイ)」など、海外で使えるWi-Fiルーターを本体ごと購入して、あとは使うデータだけその都度チャージしていくという方法。Wi-Fiルーター本体の購入費用など初期投資はかかりますがレンタル料はかからず、必要な分だけ追加のデータ容量を購入してチャージして使うため、長期で海外旅行をする人や何度も海外へ出かける機会がある人向けです。
モバイルWi-Fiルーターを持たず、日本の携帯会社が提供する海外でのパケット定額に申し込み、スマホのデザリングでPCやタブレット含め滞在中のネット環境を整える方法もあります。日本のSIMカードをそのまま使えるため便利ですが、1日の利用料がモバイルWi-Fiルーターをレンタルする場合に比べて高いのがネックです。
フランスでSIMカードを購入して入れ替える方法もあります。海外SIMの購入は初めての人は少しハードルが高いように思えますが、簡単にできますのでチャレンジしてみてください。
これらインターネット環境の整備と共に注意が必要なことがあります。2022年4月6日以降、フランスを含む欧州経済領域(EEA)とイギリスからYahoo! JAPAN(ヤフージャパン)への接続ができなくなりました。そのためYahoo! JAPANが提供するYahoo!ニュースなどは見ることができず、YahooメールやYahoo!カード、ebookjapanは一部機能(Yahoo!メールの場合は送受信はできるもののアドレスの取得・変更や6ヵ月以上利用していない Yahoo!メールアドレスの利用再開など)が使えなくなりました。
理由は欧州の法令順守のためのコストです。欧州連合(EU)は2018年に一般データ保護規則(GDPR)を定め、企業に求める情報管理が世界で最も厳しくなりました。GDPRに違反すると制裁金も課されますし、一方でヨーロッパからのYahoo! JAPAN利用者は全体の1%程度であることから今回の決定に至ったそうです。
もしもYahoo!メールをメインのメールアドレスで使っている場合は、これら機能を制限されても個人的に問題ないか出発前に確認しておく必要がありますし、ヤフー以外のWebメールをメインのメールアドレスにする、またはVPN(ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク)を使い日本のVPNサーバーに接続してからヤフーのサービスを利用する必要があります。
VPNとはネットワーク上に仮想の専用線を構築するシステムのこと。VPNは公共のWi-Fiを使う時のセキュリティ対策にもなるため、ひとつの手段として持っておくと便利です。VPNサービスを提供する会社は「NordVPN」などいろいろあります。日本のサーバーを経由させてYahoo!ニュースを読みたい以外にも、日本国内限定の動画サービスを利用したいなど目的と料金体系によって選んでみましょう。