
Navigoを部屋で簡単チャージ、スマホを使ったパリの切符購入方法まとめ【画像と動画で順に解説】
2021.6.11
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フランスでスマホなどのモバイルデータ通信を使う場合、現地のSIMカードを購入して使うのがスムーズです。海外のSIMカードは少し敷居が高いなと思うかもしれませんが、やってみると意外と簡単。フランス旅行者向けのSIMについてまとめました。
フランスのSIMカードを使うためには、SIMロックがかかっていないスマホが必要です。もしロックがかかっている場合は、出発前にロック解除の手続きが必要です。それを前提として順に説明していきます。
フランスにはいくつか移動体通信事業者があります。日本でいうところのドコモ、au、ソフトバンクに当たるのがOrange(オランジュ)、SFR、ブイグテレコムの3社。そこに日本で例えるなら楽天モバイルのような、大手3社に対して低料金をうたうフリー・モバイルという事業者がいます。この中で旅行者向けのSIMとして使いやすいといわれているのがオランジュとフリー・モバイルです。
なお2017年6月から欧州連合(EU)域内はローミング料金が撤廃され、自国と同様の料金で通話やSMS、データ通信ができるようになっています。つまりフランスからベルギーに行ってもフランスの料金契約体系のままベルギーで使えます。
オランジュから旅行者など短期滞在者向けとして販売されているのが、オランジュが出す「Orange Holiday」と「Orange Holiday Zen」というSIMカードです。
Orange Holidayは€39.99の価格で最大4G/LTEの通信速度で20GBまで。ヨーロッパから世界どこへでも120分の通話と1000字のSMSが含まれています。
Orange Holiday Zenは最大4G/LTEの通信速度で8GMまで。ヨーロッパから世界どこへでも30分の通話と200字のSMSが含まれています。
Orange HolidayとOrange Holiday Zenのどちらも有効期限は14日間。追加分チャージすると有効期限が6ヵ月になります。またどちらも物理SIM(SIMカードをスマホに入れる従来型の方式)またはeSIM(SIMカードをスマホに入れる必要がない方式)を選べます。
オランジュのショップのほかに空港内のキオスク「Relay(ルレ)」でも売られています。
フリー・モバイルのSIMカードは旅行者などに特化したものではありませんが毎月継続して支払う契約と1ヵ月のみの契約という2種類の契約があり、後者の1ヵ月のみの契約が短期滞在者向けとして使えます。料金形態は「Forfait Free 5G 210 Go」「Forfait 2€」2種類あります。ちなみにForfait(フォルフェ)とはフランス語で「契約」という意味です。
Forfait Free 5G 210 Goは月€19.99で最大5G/4Gの通信速度で210GBまで。フランス本土、フランス海外県、アメリカ、カナダ、中国への固定電話と携帯電話または世界100ヵ国(日本含む)への固定電話に通話無制限、フランス本土でのSMS/MMSとフランス海外県へのSMS/MMSは無制限です。ただしフランス国外での使用は制限がかかり4Gの通信で25GBまで。フランス海外県、ヨーロッパ域内、カナダからの通話とSMSが無制限です。
Forfait 2€は最大4Gの通信速度で50MBまで(GBではなくMB)。フランス国内とフランス海外県の固定電話と携帯電話と、世界100ヵ国(日本含む)への固定電話に通話無制限、フランス本土のSMS/MMSとフランス海外県へのSMS/MMSは無制限です。フランス国外での通話は2時間まで可能で、契約に含まれている50MBのデータ通信量から差し引かれます。50MBのデータ通信量を超えた分は1MBあたり€0.05が加算されます。
フリー・モバイルのショップのみで販売されタッチパネル式の販売機で購入します。
これら紹介したプランの中でどれを選べば良いのでしょうか。
オランジュとフリー・モバイルで各2通りありますが、この中で旅行者にとって選択肢として選ばれやすそうなのがオランジュのOrange HolidayとOrange Holiday Zen、そしてフリー・モバイルのForfait Free 5G 210 Goではないでしょうか。Forfait 2€はデータ通信量が50MBのためすぐ上限に達してしまいそうです(それを超えても使えますが超過料金が加算されます)。
オランジュは大手キャリアだけに基地局も多く、特に地方の田舎などへ行った時にフリー・モバイルと比べればつながりやすいです。しかしパリなど、ある程度の規模の都市部だけに滞在する予定なら両者の差はほとんど感じないはずです。
パリのシャルル・ド・ゴール空港の売店ですぐ手に入るのがオランジュのSIMカード。フリー・モバイルのショップや販売機はシャルル・ド・ゴール空港内にはなくパリ市内で購入します。空港近くにあるショッピングモール「アエロヴィル」にもフリー・モバイルのショップはありますが、アエロヴィルは空港から直接つながっている施設ではなくバスに乗る必要があるため、フリー・モバイルのSIMカードを購入するためだけにここまで出かけるのは時間と労力がもったいないです。
フリー・モバイルはフランス語表示のタッチパネル式の購入機で買う必要があるため、語学が全くできないと難しいかもしれません。ただ近くにいる係員に聞けば教えてくれます。
これらのことを考慮すると「パリ到着後、空港ですぐSIMカードを手に入れたい」「フランスのどの場所へ行っても通話やデータ通信に安定感がほしい」「語学ができずタッチパネルの操作が不安」という人はオランジュ。「パリ市内までSIMカードは我慢できる」「滞在場所はほとんどが都市部」「フランス語ができる」という人はフリー・モバイルを。
ざっくり分けるとオランジュのSIMカードはフランス旅行初心者向き、フリーは少しフランス慣れした人向きといえます。それぞれの滞在スタイルに合わせて選んでみましょう。
監修:地球の歩き方