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日本人の日常食であり、非常食でもあり、主食として、サラダやスープなどのサイドメニューとしても活躍する「麺」。果たして世界に目を向けると、どのような麺が食されているのか、麺の起源や歩んできた歴史はどのようなものか、気になるところ……。さまざまな原料、製法、味付け、具材で作られた麺料理は、食文化を写す鏡といえるでしょう。そんな麺のあれこれを掘り下げて紹介する「地球の歩き方 旅の図鑑」シリーズ『世界の麺図鑑』より、麺好きのみなさんにぜひ知っていただきたい麺料理の歴史を感じる3品をご紹介!
麺の発祥地は諸説ありますが、2000年前の中国、山西省といわれています。山西省には風土が育んだ豊かな麺料理が多数あり、その代表格が莜麺栲栳栳(ヨウミエンカオラオラオ)。オーツ麦の一種、莜麦(ハダカエンバク)の粉で作る莜麺料理で、約1400年前の隋朝末期、山西省北部で考案されたといわれています。薄くのばした生地を筒状に丸めて蒸した形はハチの巣にそっくり。トマト味のタレやピリ辛の黒酢ダレにつけていただくと、ソバのような風味に加え、餃子の皮に似たモチッとした歯触りを堪能できます。
新疆ウイグル、ウズベキスタン、カザフスタンなど、中央アジアのシルクロード一帯で食べられているのが、ラグマン。うどんのようなつるつるの手延べ麺で、味付けは羊肉、野菜、クミンが入ったトマトベースが一般的です。羊肉と香り高いクミンの組み合わせは、エキゾチックでありながらもどこかホッとなつかしい味。地域によってスープ麺にしたり、麺と具材を一緒に炒めたり、レシピが異なります。中国料理の手延べ麺「拉麺」もこのラグマンがルーツとか。
20世紀初頭、ニューヨークに移住したイタリア系移民によって生まれたと伝えられているのが、トマトソースのミートボールスパゲティ。本場よりゴロッと大きいミートボールが入っているのが特徴的です。イタリア料理の代名詞ともいえる定番パスタは、今やアメリカでポピュラーな国民食。ソースや具、パスタが入った缶詰が売られているほど。英語では、スパゲティウィズミートボール(Spaghetti with Meatballs)と呼ばれます。
ベトナムのフォー、タイのパッタイ、北アフリカのクスクスなど、海外で出合う多彩な麺料理は旅人を魅了してやみません。本書はみんな大好き麺料理を世界中から集めて紹介する一冊です。世界のカップラーメン特集や海外映画に登場する麺料理特集も必見!
W26 世界の麺図鑑
59の国と地域の多彩な麺料理230種類を旅の雑学とともに解説
旅の図鑑
2022/12/01発売アジアからアフリカまで世界各国の麺料理を徹底調査。日本で世界の麺を食べられるお店やおうちで楽しめるレシピも掲載!
アジアからアフリカまで世界各国の麺料理を徹底調査。日本で世界の麺を食べられるお店やおうちで楽しめるレシピも掲載!
※当記事は、2022年1月15日現在のものです
TEXT: 『世界の麺図鑑』編集担当 中西奈緒子、田喜知久美
PHOTO: ウシオダキョウコ、iStock
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