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ヨーロッパの人気チョコレート菓子はコレ!とっておきのスイーツで各地を旅しよう

地球の歩き方書籍編集部

地球の歩き方書籍編集部

更新日
2023年2月7日
公開日
2023年2月7日
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バレンタインデーが近づくとデパートやショップに特設コーナーなどが登場し、改めてその種類の豊富なことに驚く人も多いのでは? 今回は、好評発売中の『世界のお菓子図鑑』に掲載しているお菓子のなかから、チョコレートにまつわる人気スイーツをいくつかご紹介しましょう。

“黒い森”をイメージしたサクランボのケーキ(ドイツ)

切ると倒れてしまいそうなほど、ふんわりしっとりとした口当たり

ドイツ人のチョコレート年間消費量は1人あたり約11キロで、世界トップレベルのチョコレート大国です。チョコレート菓子もたくさんありますが、定番人気のチョコレートケーキといえば「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ」。直訳すると、“黒い森のサクランボのケーキ”という意味で、うっそうとした森が広がるドイツ南西部のシュヴァルツヴェル地方で古くから作られていたチョコレートケーキです。この地方特産のサクランボ(キルシュ)を発酵させて造る蒸留酒がたっぷり使われているのが特徴です。

キルシュ酒をしみ込ませたチョコレートスポンジ生地に、これまたキルシュ酒で香り付けした生クリームがサンドされていて、表面は生クリームと削りチョコでデコレーションされ、サクランボが飾られているのが一般的。黒い大地に降り積もる雪、さらに大地に舞い落ちる木の葉やサクランボなど、まさに“黒い森”そのものです。国境を接するアルザス地方からフランスへと伝わり、「フォレ・ノワール」としても親しまれてきました。

“甘い7年戦争”で有名なザッハートルテ(オーストリア)

濃厚なチョコレートの甘味にアンズの酸味が調和した上品な味わい

かつて王侯貴族たちをも魅了し、“チョコレートケーキの王様”とも称される「ザッハートルテ」。チョコレート入りのスポンジ生地にアンズジャムとチョコレートのバタークリームを塗り、表面をチョコレートでコーティングした、ウィーン発祥のケーキです。艶のある高級感あふれる見た目で、濃厚なチョコレートに甘酸っぱいアンズがアクセントになっているのが特徴。1832年、オーストリアの政治家・宰相のメッテルニヒに仕えていた料理人ザッハーによって考案されました。

今ではオーストリアを代表するケーキとして世界中で愛されていますが、実は“甘い7年戦争”と呼ばれる歴史も。ザッハーのケーキは好評で、のちに息子が「ホテル・ザッハー」を開業するとそこで提供するようになったのですが……。数年後、経営難に陥ってしまい、その際手を差し伸べたウィーン王室御用達のケーキ店「デメル」に門外不出としていたレシピが流れてしまったのです。ザッハートルテを巡る裁判は7年にも及びますが、ホテル・ザッハーのものを「オリジナルのザッハー・トルテ」、デメルのものを「デメルのザッハー・トルテ」と呼ぶことで解決に至りました。

オペラ座に名前が由来するオペラ(フランス)

豪華絢爛なオペラ座を彷彿とさせる上品な見た目

パリ発祥の「オペラ」は、コーヒーシロップをしみ込ませた薄いスポンジ生地にコーヒー風味のバタークリーム、ガナッシュ(チョコレートクリーム)を二重三重に重ねたケーキ。ほろ苦さが特徴の大人の味で、艶やかにチョコレートでコーティングした表面には通常、オペラ座ガルニエ宮の屋根に立つアポロン像が掲げる金の琴に見立てた金箔がのっています。

パリの老舗菓子店が約60年前に考案したのが始まりとされ、名前の由来は何層も重なるケーキの断面がオペラ座の観客席に似ているとも、店がオペラ座の前にあったからとも。当時、オペラ座に出演していたプリマドンナのために作られたからともいわれています。いずれにせよ、オペラ座が関連していることに変わりはありません。

アマレット香るビターな味わいのブネ(イタリア)

ブネは最近、日本のイタリアンレストランでも目にするように

イタリアで最もポピュラーなドルチェ(デザート)のひとつ「ブネ」は、アマレットとカカオの香り漂うビターなチョコレートプリン。都市トリノで知られるイタリア北西部のピエモンテ州の郷土菓子で、カカオパウダー入りのプリンに「アマレッティ」と呼ばれるアマレットの香りがする焼き菓子やビスコッティが砕いて混ぜ込まれています。

イタリア語で“少し苦いもの”を意味するアマレットは杏仁から造られるリキュールで、その名のとおりアーモンドの香りに似たほろ苦いテイストが特徴。この香りがカカオのビターな味わいとあいまって、大人の味を演出しています。ちなみに「ブネ」とは、イタリア語で“円形の帽子”の意味。もともとボウル型で作られていて、ひっくり返したときの形が“帽子”そっくりだったからともいわれています。

雲を食べているような食感のメルヴェイユ(ベルギー&フランス)

店頭にはさまざまな味のバリエーションのメルヴェイユが並ぶ

“絶品の、すばらしい”を意味する「メルヴェイユ」は、ベルギーや北フランスで古くから愛されているお菓子。2段に重ねたふわふわのメレンゲの上にホイップクリームをのせ、表面には細かく刻んだチョコレートがトッピングされています。口の中でとろけていくような食感が人気で、ホワイトチョコレートやルビーチョコレート、フレーバー付きのクリームを使ったものも。

メレンゲとチョコレートを組み合わせたお菓子といえば、デンマークの「フルールボラー」、イスラエルの「クレンボ」も人気。フルールボラー(デンマーク語で“クリームボール”の意味)はメレンゲクリームをマジパンの土台にのせ、チョコレートでコーティングしたお菓子で、パリっとしたチョコレートの中から現れるフワッとしたメレンゲ生地との対比が特徴的。一方、イスラエル人が大好きなクレンボは、ビスケットの上にメレンゲクリームをのせ、全体を薄くチョコレートがけしたもの。暑いとすぐに溶けてしまうため、“冬のスイーツ”として知られています。

見た目はサラミ!?のチョコレート菓子(ポルトガル)

チョコレートを調整してサラミさながらの色調を演出することも!

ポルトガルで古くから親しまれているサラミチョコレート。日本でもおなじみのサラミ(イタリア発祥のドライソーセージ)を模したチョコレート菓子で、ポルトガル発祥ともイタリア発祥ともいわれることから、「パイウ(ポルトガル産のドライソーセージ)・デ・ショコラッテ」とも「サラミ・デ・ショコラッテ」とも呼ばれています。

作り方はとてもシンプルで、砕いたビスケットにチョコレートパウダー、バター、砂糖、卵などを入れて混ぜ、丸太状にして冷やし固めるだけ。どの家庭にもある身近な材料を使って、誰でも簡単に作れることから、“子供が初めて作るお菓子”の代表格ともいわれています。作り方は『世界のお菓子図鑑』でも動画付きで紹介しているので、ぜひチェックしてみてください!

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旅の図鑑シリーズ「世界のお菓子図鑑」

海外の名物菓子から知られざるローカルなおやつまで、世界113の国と地域、そして日本全国47都道府県のお菓子を網羅。世界各地で愛されるお菓子をとおして、歴史や文化を学べる一冊になっています。大使館シェフや現地出身の料理家によるレシピに加え、日本で世界のお菓子が楽しめるカフェ、ショップガイドも掲載!

TEXT:竹内あや
PHOTO:iStock

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記を参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html

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読めば必ず食べたくなる世界と日本のスイーツ&スナック大集合!各地で愛されるお菓子をとおして歴史や文化を学ぼう

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