キーワードで検索
<2023年11月更新>
現在、イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘を巡り、外務省はイスラエルへの渡航に関する注意喚起を行っています。ヨルダン川西岸地区及びガザ地区においては、危険レベル4(退避勧告)に危険レベルが引き上げられています。それ以外の地域においても、危険レベル2(不要不急の渡航中止)以上となっています。詳細は、外務省の海外安全情報ホームページをご覧ください。
2023年3月に成田空港とテルアビブにあるベングリオン空港との間で直航便が就航しました。イスラエルと日本の間に定期運航の直航便が就航するのは初めてのこと。エルアル・イスラエル航空が週2往復の運航を行っています。アクセスがぐっとよくなったイスラエルですが、日本に入ってくるニュースはまだまだ限定的。ここではQ&A方式でイスラエルという国について紹介します。
イスラエルは、中近東のパレスチナと呼ばれる地域にあり、西側は地中海に、南端は紅海に面しています。おもにユダヤ系の人々とアラブ系の人々が住んでおり、ユダヤ系の人々が主体となって建国した国がイスラエルです。ヨルダン川西岸の一部とガザにはアラブ系の自治区がありますが、独立国家としては認められてなく、パレスチナ問題として今日まで解決をみていません。
アニメや映画などの舞台を訪れる「聖地巡り」。その元祖が、ここエルサレムかもしれません。ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教の3宗教に共通する聖地中の聖地だからです。
旧市街にある神殿の丘は、ユダヤ教の神殿があったとされる丘ですが、現在はイスラーム教の岩のドームとアル・アクサ・モスクが建っているイスラームの聖地。
一方で、ユダヤ教徒は失われた神殿の再建を願い、神殿の丘の西側の壁である嘆きの壁を聖なる壁として深い祈りを捧げます。
キリスト教徒にとっては、エルサレムはイエスが磔刑に処された受難の地。自らが背負った十字架が立てられたゴルゴタの丘の場所には、聖墳墓教会があります。最後の晩餐が行われた場所、捕縛されたゲッセマネ、復活後昇天した場所など、数々のゆかりの場所が残っており、巡礼者の絶えない町。イエスが生まれたとされるベツレヘムは、パレスチナ自治区にありますが、エルサレムからバスで30分ほどの距離です。
また、エルサレムの西にはイスラエル博物館があり、死海文書を始めとする考古学上貴重な品々が展示されています。
エルサレムがイエス受難と復活の地だとすると、イスラエル北部のガリラヤ湖周辺は、イエス布教の舞台。イエスの筆頭弟子であるペトロは、もともとガリラヤ湖で漁師だったことが聖書に書かれています。彼にちなんだセントピーターズフィッシュ(聖ペテロの魚)という魚は、現在でも名物として沿岸のレストランで食べることができます。ガリラヤ湖周辺には、イエスの説教でも最も有名な山上の訓戒が行われた場所、パンと魚を増やすという奇跡を起こした場所があり、受胎告知が行われたナザレや、結婚式で水をワインに変える奇跡が行われたカナなど見どころは満載です。
歴史や宗教だけがイスラエルの魅力ではありません。イスラエルの中心都市テルアビブは、20世紀になって生まれた新しい町。数多くの白い現代建築群は世界遺産にも登録されています。イスラエルの文化芸術の中心地でもあり、世界的に評価が高いイスラエルのコンテンポラリーダンスも、そのほとんどがテルアビブを本拠地にしています。また、テルアビブは地中海に面しており、長いビーチに沿って高級リゾートホテルが建ち並んでいます。最新のアートシーンに触れながら、のんびりリゾート滞在ができるのがうれしいですね。
死海もイスラエルを語るうえで、外すことのできない場所。標高800mのエルサレムからバスで1時間30分、土漠の道をあっという間に1200mも下り、死海沿岸の標高はなんと海抜下420m! 死海は一般の海水の約10倍という高い塩分濃度があり、ぷかりと浮きながら本や新聞を読むことだってできるのです。死海のリゾートホテルは、スパを併設しているところが多く、ミネラル濃度の高い死海の泥を使った泥パックなどのトリートメントがおすすめですよ!
イスラエルは世界各地に離散したユダヤ教徒が集まってできた国なので、移住元の各国料理もたくさんあり、料理もバラエティに富むといえるでしょう。たとえば、オーストリアを起源にするシュニッツェルは、イスラエルでも定番のひと皿。肉は仔牛ではなく鶏肉が使われる、チキンカツによく似た料理です。
ユダヤ教徒にはコシェルという食事規定があって、禁止されている食材や食べ合わせがあります。また、イスラーム教徒には別の食餌規定があり、不慣れだと戸惑ってしまうかも。でも、日本人がどの店に入ってもOKだし、もちろんノン・コシェルのレストランも多いもの。ベジタリアン、ビーガンの文化も早くから根付いており、ビーガンレストランも充実しています。
あえておすすめするならアラブ料理を試してほしい! 羊肉や鶏肉を串に刺して焼いたシャシリッキ、ひき肉を串に刺して焼いたカバーブ、肉の塊を回転させながら焼き、その表面を削って食べるシュワルマ、ひよこ豆で作ったコロッケのファラフェルなど。シャワルマとファラフェルは、野菜と一緒に薄焼きパンのピタに挟んで食べるのがファストフードの定番です。
流行のグルメやナイトライフを楽しむならテルアビブへ。豚骨ラーメン(ユダヤ教、イスラーム教とも豚は禁止)や寿司を出すお店もあり、世界の味が楽しめます。
日本でイスラエルに関する報道は、パレスチナ問題やテロに関するものが中心のため、怖い国という印象を持ってしまいがちです。実際に遭遇する確率は低いとはいえ、気をつけるにこしたことはありません。渡航前や滞在中には、外務省の安全情報をチェックしたり、外務省の海外安全情報通知サービスの「たびレジ」に登録しておきましょう。
一般的な治安はおおむね良好といえますが、一般的な海外での注意は必要です。日本人の旅行者で最も被害が多いのがスリや置き引き。人通りが多い場所や、公共交通機関では、荷物から目を離さないで、常に手元におくことを心がけてください。
夜のエルサレムでは、ぐっと寂しい雰囲気になります。逆にテルアビブでは、バーやクラブで騒ぐ人で一晩中賑わう界隈も。どちらの場合でも観光客のひとり歩きは思わぬトラブルになることがあるので、十分注意してください。
イスラエルの治安については、外務省が提供する以下の最新安全情報も合わせてご覧ください。
E05 地球の歩き方 イスラエル 2019~2020
中近東 アフリカ 地球の歩き方 海外
2018/10/10発売イスラエル。そこは新と旧、西と東が入り交じる不思議な国。聖なる地ならではの美しい風景、ここにだけ混在する文化の交差点へ!
イスラエル。そこは新と旧、西と東が入り交じる不思議な国。聖なる地ならではの美しい風景、ここにだけ混在する文化の交差点へ!