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2023年4月以降、それまで日本入国時に必要だったVisit Japan Webへの登録や、ワクチン接種証明書提示などの水際対策が緩和され、いよいよ海外旅行も再開の兆しが見えてきました。ということで、さっそく筆者もゴールデンウィークにモンゴル旅行へ! 気温や飛行時間などの基本情報、旅行におすすめの時期、現地の様子、体験できるアクティビティやツアーをまとめてレポートします。
目次
『地球の歩き方 モンゴル』より抜粋
日本 – モンゴル間はMIATモンゴル航空の直行便が就航しています。
モンゴルは日本から遠いようなイメージがありますが、東京・成田空港から首都ウランバートルまで約5時間30分、ウランバートルから成田空港まで約4時間30分*と、タイやベトナムなどの東南アジア諸国と同等か、より短い飛行時間で到着することができる国です。
時差は1時間あり、日本が10:00のときモンゴルは9:00です。
モンゴルは、2023年7月16日から放送されているTBSの日曜劇場『VIVANT』のロケ地にもなっています。
ドラマの中では舞台は架空の国「バルカ共和国」となっていますが、実際の撮影はモンゴル国内で行われています。第1話で、主人公の乃木がCIAの友人サムと電話をするシーンはウランバートルの国民的広場「スフバートル広場」、乃木が取引先のアリと訪れるバルカ国際銀行は「国立オペラ劇場」。第2話で登場する砂漠のシーンは「ゴビ砂漠」で撮影されているようです。
町中の案内板や店名などはほとんどがキリル文字と縦書きのモンゴル文字で表記されており、町中であってもほとんど英語は通じません。社会主義時代に教育を受けた年配の方にはロシア語が通じやすいですが、若い世代になるほどロシア語は使われないため、可能であれば簡単なモンゴル語を覚えて使うとよいでしょう。
また、タクシーで行先を伝える際には翻訳アプリが大活躍しました。旅行前にGoogle 翻訳などのアプリをスマホにインストールしておくと、いざというときにスムーズに意思疎通が可能です。
チンギス・ハーン国際空港からウランバートル市内までは約1時間かかります。市内行きの路線バスがあるようですが、筆者は到着が19:15とやや遅めだったため、宿泊するホテルに送迎を頼みました(12万トゥグルグ、約4800円)。
市内の交通手段としてはおもにバスとタクシーがあります。しかしウランバートルの渋滞はひどいことで有名で、車で10分ほどの場所に行くのに1時間近くかかることもざらです。そのため、市内の観光スポット「スフバートル広場」や「ガンダン寺」、「ノミンデパート」などのショッピングモールへは徒歩で、スフバートル広場から約3kmほどの戦勝記念碑「ザイサン・トルゴイ」など、少し離れた場所へ向かう際はタクシーを利用するなど行先によって使い分けました。
モンゴルでタクシーに乗る際は、車道に向かって手を上ではなく横に伸ばします。正規のタクシーも走っていますが、最近では営業許可を受けた個人タクシー(白タク)も多くなっているようです。今回乗車した白タクはすべてメーターが取り付けられておらず、乗車料金は交渉制でした(相場は1km:1000トゥグルグ~)。特に揉めることはありませんでしたが、言葉が通じないことがほとんどなので、不安な場合はホテルや店に正規タクシーを呼んでもらうのが確実です。
本記事作成時点で、モンゴルではGrabやUberなどの配車アプリは利用不可となっています。モンゴル国内で利用できる「UBcab」という配車アプリがありますので、気になる方は利用してもよいかもしれません。
おもな機能はGrabやUberとは少し異なり、1. ピックアップ場所を入力してタクシーを予約 2. ピックアップ場所まで来てもらう、の2点。目的地は乗車後に別途伝える必要があります。また登録には現地の電話番号が必要なので、SIMカード(電話番号付き)の購入が必須です。
日本と同じく、多くのカフェやレストラン、ショップ、ホテルではフリーWi-Fiが用意されています。Wi-Fiがあるかどうかわからない場合は「エンド ワイファイ バェガー ユー(Wi-Fiはありますか?」、パスワードがかかっている場合は「ワイファイギーン ノーツ ウグン ユーウェー(Wi-Fiのパスワードは何ですか?」と聞きましょう。
それ以外の場所でネットを使うには、海外用モバイルWi-Fiルーターをレンタルしたり、各携帯電話会社の海外プランを利用したり、SIMカードを購入したりとさまざまな方法がありますが、モンゴルにおいては現地SIMカードの購入がおすすめです。現地で売られているSIMカードが格安だからです。
今回、モンゴル最大手通信キャリア「MobiCom」の店舗で電話番号付きのSIMカードを購入したところ、7日間7GBで1万トゥグルグ(約400円)という安さでした。7GBあれば、旅行中データ残量を気にせずに地図アプリやSNS利用、ネット検索が行えます。速度も十分ですが、動画閲覧やSNSでのビデオ通話には多くのデータ通信が必要になりますので、極力フリーWi-Fiをつなぐようにするとよいでしょう。
MobiComはショッピングモールやデパートなどに店舗が入っています。筆者はスフバートル広場近くにあるショッピングモール「ギャレリア・ウランバートル」内の店舗で購入しました。店舗内のスタッフに話しかけて、旅行日数に合わせたSIMカードを購入しましょう。
モンゴルでは人々が遊牧民として暮らしてきた歴史があり、牛や馬、羊などの家畜が生活を支えてきました。そのため、食事の基本は乳製品の「白い食べ物」と肉類の「赤い食べ物」。遊牧民の人々は、1年のなかで草が青く茂り家畜が肥えてくる6月以降に肉を干したり乳製品で保存食を作ったります。そのため夏はおもに乳製品を、冬は肉類を食べて過ごすそうです。
モンゴル料理の味つけはシンプルに岩塩のみであることが多く、日本人の口にもよく合う素朴な味わいです。滞在中にたくさんのモンゴル料理を食べ、特に気に入ったのはミルクティーで水餃子を煮た「バンシタイ・ツァイ」と羊肉のチャーハン「ボダータイ・ホールガ」。珍しい食材を使っているわけではないものの、日本ではなかなか味わえないため一度試してほしい料理です。
バンシタイ・ツァイやホルホグ(羊肉の蒸し焼き)など、本場のモンゴル料理が食べられるレストラン。市内に複数店舗があります。
前述したとおり、モンゴル料理は乳製品と肉類がメインなので、なかなか日本のようには野菜を摂ることができません。滞在中に野菜が恋しくなったときにおすすめなのがホットポット(火鍋)。ウランバートル市内にある「ブル(The Bull)」では、スープは10種類ほど、肉は牛、羊、馬から選べ、野菜や麺、餃子なども個別に頼むことができます。ひとりにひとつ鍋が提供されるので、気を遣うことなく食べられるのも嬉しいポイント。
ホットポットといっても、モンゴルではあまり辛い物を食べる習慣がないためほとんどのスープは辛くありません。辛い物が好きな方はスパイシースープを選ぶことができます。
モンゴルでは1990年まで社会主義政策がとられていたため、町を見渡すとその時代を連想させる建物が多く建っています。最近ではモンゴルにも韓流ブームがやってきており、店内ではK-POPが流れ、町中にも多くの韓国料理レストランが立ち並んでいます。市内を走る車のほとんどはトヨタのプリウスですが、最近ではヒュンダイの車も見かけるなど、町の様子も少しずつ変わってきているようです。
ちなみにウランバートルには「CU」と「GS25」というコンビニが多くありますが、どちらも韓国のブランドです。モンゴルらしいおみやげを買いたい場合はコンビニではなくスーパーやデパートに行くのをおすすめします。
2023年のゴールデンウィーク時点では、ほとんどの方がマスクは着けておらず、タクシー等に乗るときも特に着用は求められません。ショップやレストランへ入る際も体温検査やアルコール除菌は行われていないので、ほぼコロナ前に戻ったといえると思います。
治安はとてもよく、そこまで緊張感を持って過ごす必要はなさそうです。ただし、夜間のひとり歩きや観光スポットでのスリ等には気をつけたほうがよいでしょう。
1点気をつけたいポイントは、前述したとおり市内での渋滞。早朝や深夜には少し落ち着きますが、朝・夕の出勤時間帯や金曜には渋滞がひどく目的地に着く時間が全く読めなくなります。市内を移動する場合は徒歩にしたほうが確実です。
また、渋滞がひどいこともありますが、モンゴル人は運転がとても荒いため、市内を自分で運転するのはあまりおすすめできません。ツアーで同行したモンゴル人の方いわく「モンゴル人は遊牧生活において自分の馬がいちばん速い!とアピールしていたため、その頃のなごりで運転も荒くなってしまう」そうです(笑)。
旅行におすすめの時期はずばり6月~8月の間*です。
ウランバートルは「世界で最も寒い首都」と呼ばれており、冬は-40度を記録することもあります。冬季はツアーやアクティビティ、観光スポットも休業となることが多いです。4~5月から少しずつ暖かくなりますが、モンゴルの春は「1日ですべての四季を味わえる」と言われるほど寒暖差が激しくなります。2023年のゴールデンウィーク時点でも、最高気温は23度、最低気温は-7度になるなど服装の調節に苦労しました。
6月以降は気温も安定して暖かくなり、多くの観光スポットが営業を再開します。相撲、競馬、弓競技で競う夏の祭典「ナーダム」が行われるのも6月後半から8月にかけて。動植物の活動が活発になり自然が特に美しくなる時期なので、モンゴル旅行をするなら6月~8月の期間を選ぶとよりよさそうです。
ただし、6月以降も夜は冷え込むことがありますのでパーカーやカーディガン、ウィンドブレーカーを1枚持っておくと安心です。
筆者は6泊7日の日程で訪れました(初日は19:15着、最終日は7:45発のため実質的な観光日数は5日間)。後述する現地ツアーへの参加と、市内観光、ショッピングを思う存分行ってちょうどよい日数でした。
おすすめの観光日数は、ウランバートル市内での観光メインであれば2日~、ツアーに参加したり郊外に出かけたりする場合は4日~6日です。
冒頭で述べたとおり、東京・成田-ウランバートル間は4時間30分~5時間30分で到着します。現在、同区間の運航便スケジュールは基本的に以下のとおりです。
便名 | 出発時刻 | 到着時刻 | 運行曜日 |
M0902 | 成田 14:30 | ウランバートル 19:00 | 火, 金, 日 |
OM0502 | 成田 14:40 | ウランバートル 19:15 | 月, 水, 金, 土, 日 |
OM0504 | 成田 19:55 | ウランバートル 0:30(+1) | 月, 水, 土 |
OM0501 | ウランバートル 7:45 | 成田 13:40 | 月, 水, 金, 土, 日 |
M0901 | ウランバートル 8:00 | 成田 13:30 | 火, 金, 日 |
OM0503 | ウランバートル 13:00 | 成田 18:55 | 月, 水, 土 |
参照:成田空港 国際線時刻表
例えば土日休みの方であれば前後に+1日ずつ休みを取り、金曜14:40発の飛行機で19:15ウランバートル着、月曜7:45ウランバートル発の飛行機で13:40成田着、というスケジュールで航空券を取れば、土日をまるまる観光に充てることができます。
スフバートル広場、ガンダン寺、ザイサン・トルゴイなどの市内観光スポット巡り、「トゥメン・エフ民族アンサンブル」での芸術鑑賞、ショッピングなど、2日あればウランバートルを満喫することができるでしょう。
それでは、今回体験したアクティビティをふたつ紹介します。どちらもすばらしい経験となったので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
ひとつめはセミゴビ砂漠訪問とラクダ乗りがセットになっている日帰りツアー。モンゴルにはゴビ砂漠があることは有名ですが、ウランバートルから700kmほど離れているため片道10時間以上かかり、限られた日数の中で訪れるのはなかなか困難です。しかし、セミゴビ砂漠なら日帰りで行って帰ってくることが可能です!
セミゴビ砂漠というのは通称で、正式名は「エルスン・タサルハイ」。約80km続く砂丘で、ウランバートルから片道4~5時間程度と気軽に訪れられる砂漠として近年多くの旅行者が訪れているそうです。
今回のツアーについて、1日のスケジュールは以下のとおりです。
ツアー会社は"NGA Tour Bureau"。ツアー申込時に宿泊ホテルを連絡しておくと、ホテルロビーまでツアーガイドの方が迎えにきてくれます。ガイドはモンゴル人で会話は英語になりますが、ゆっくりと話してくれるため安心です。
約5時間をかけてセミゴビ砂漠に到着です。セミゴビ砂漠は準砂漠地帯なので、多少の草木が生えています。今回お世話になる遊牧民の方のゲルとラクダなどの家畜以外、見渡す限り何もありません。
セミゴビ砂漠に到着した時点で時刻は13:00近いので、到着後はまず遊牧民の方が実際に居住しているゲルにおじゃまし昼食をいただきます。
ゲルは大人数名で1時間30分もあれば解体できるシンプルなつくりでありながら、羊毛フェルトでしっかりと覆われているため、中で火を焚いていなくてもかなり暖か。見た目よりも中は広々としており、タンスやベッド、調理場、ソファなど生活に必要最低限の家具が置かれています。昔は家財道具を馬に載せて運搬していたため物を極力置かないようにしていたそうですが、現在は車で運ぶため置けるものが増えたそうです。
昼食には小麦粉生地を揚げた「ボールツォグ」と乾燥ヨーグルト「アーロール」、ミルクティーに塩を入れた伝統的な飲み物「スーテイ・ツアイ(乳茶)」と羊肉のボダータイ・ホールガをごちそうになりました。どれも素朴な味わいでとてもおいしかったです。
遊牧民の方がその日食べる家庭料理が振る舞われるため、メニューは訪問するタイミングによって異なる可能性があります。羊肉が振舞われることが多いと思いますので、苦手な方は事前にガイドに伝えておくとよいでしょう。
昼食後はいよいよラクダ乗り体験へ。今回乗るラクダはフタコブラクダ。筆者はラクダに乗るのが初めてでしたが、乗り方や扱い方はていねいに教えてもらえるので緊張がやわらぎました。
遊牧民の方が先導してくれ、約1時間セミゴビ砂漠を歩きます。どこまでも続く砂漠や砂丘を見ていると、まるで地球上ではないかのような錯覚を覚えます。
この日は曇りで気温も低かったので1時間乗っていても問題ありませんでしたが、晴れていて気温が高くなると熱中症や日焼けの可能性もあるので、水を持ったり日焼け止めを塗ったりと事前準備をしっかりしてから乗るのをおすすめします。
ラクダのちょうどフタコブの間にすっぽりと座るかたちになるので、落ちる心配はなく座り心地もよいので快適な乗駝が楽しめました。
ラクダ乗り体験が終了したら、再び5時間かけてウランバートル市内へ戻ります。ホテルまで送ってもらい、解散となります。今回はAgodaで予約をしましたが、NGA Tour Bureauはさまざまな代理店でツアーを提供しているので、普段使い慣れている店舗・サイトで予約をするとよいでしょう。
ふたつめはテレルジ国立公園の1泊2日ツアー。ウランバートルから北東へ約50kmに位置するテレルジ国立公園は、都心から最も近く気軽に足を延ばせるリゾートとして外国人だけでなくモンゴル人にも人気のエリアです。
今回はゲル宿泊やモンゴル伝統衣装(デール)着用、乗馬を行いたかったためそれらがパックになったツアーに申し込みましたが、バスを利用したり、車をチャーターしたりして向かうことも可能です。
利用したツアー会社は"Lets Travel"で、運転手と日本語が話せるモンゴル人のツアーガイドが同行します。基本的なスケジュールは以下のとおりです。
こちらもツアー申込時に宿泊ホテルを連絡しておくと、ホテルロビーまでガイドの方が迎えにきてくれます。
テレルジ国立公園へは約2時間。向かう道中、ツアーガイドの方からおもしろい話をたくさん聞くことができました。なかでもおもしろかったのは「遊牧生活では、常に移動して暮らすので隣人と仲よくなる必要がない。だからモンゴル人は自分の都合で生活しており、マイペース」というもの。もちろんガイドの方個人の意見という部分もありますが、実際滞在中にそのような印象を受けることがあり、モンゴルの人々の気風を知ることができるとても楽しい時間でした。
国立公園到着後は、約15mの花崗岩でできた巨石「亀石」や、色づかいが美しいチベット仏教「アリヤバル寺院」を見学し、その歴史や逸話を色々と聞くことができました。
昼食と夕食は宿泊施設「テレルジ・ロッジ・ゲル・キャンプ」の中にあるレストランにて。生野菜のサラダやスープ、チキンソテーやマトンステーキなどのコースです。別料金ですが、モンゴルビールやワインも飲むことができます。ツアー申込時期によって宿泊施設やレストラン、レストランのメニューは変わりますので、苦手な食べ物がある方はツアー申込時に申し伝えておくとよいでしょう。
昼食後には、遊牧民のゲル訪問、乗馬(約1時間)、伝統衣装デールの試着の3つの体験が行えます。
※夏季は、この3つに加え乳製品作り、乳しぼりも体験できます。
乗馬はテレルジ国立公園内の乗馬施設で行います。ここで乗ることができる馬は野生に近く小柄。乗馬に慣れていなくても、乗り方や手綱の扱い方をていねいに教えてもらえるので安心です。
乗馬は1時間程度。国立公園内の美しい岩肌などの景色を見ながらゆっくりとした時間が楽しめました。
ひとつめのツアーと同じく、遊牧民の方のゲルに伺います。ふたつのゲルを訪問し、ベッドや棚などの配置が似通っていることに気が付きました。ガイドの方に聞いたところ、ゲル内の家具配置はほとんど決まっているそうで、入口から見て奥に棚があり、真ん中には鉄製ストープ「ゾーホ」、左右にベッドがあります。そして左側は男性のスペース、右側が女性のスペースとなっているそう。
今回は乳茶スーテイ・ツァイや小麦粉を揚げたボールツォグ、乾燥ヨーグルトアーロール、バター状の「ウルム」、牛乳に酢をいれて固めた「ビャスラグ」など、さまざまな伝統の乳製品をいただきました。
ゲルによってこれらの乳製品は味が異なり、アーロールひとつとっても酸味が強かったりまろやかだったりと、各家庭の味があるのもおもしろく感じました。
ゾーホの燃料としては薪や家畜の糞が使われます。今回のゲルでは牛糞を乾かしたものが使われていました。この牛糞、燃やすと草原のようなよい香りがするので、モンゴルの人々はこれを嗅ぐと落ち着くのだとか。ガイドの方はよく日本在住のモンゴル人に「日本に来るときは牛糞を持ってきてほしい」と言われるそうです(笑)。そして驚くべきことに、モンゴルのデパートには「牛糞の香り」のお香が売られているそう!
最後にモンゴルの伝統衣装「デール」を試着することができました。なんとこのデール、レンタル用ではなく遊牧民の方が実際に使っているもの。貴重な衣装を借りて写真撮影を行いました。
デールは今でも遊牧民の人々が着用している衣装で、暖かいゲルと寒い外を出入りする際にすぐに脱ぎ着できるようなつくりをしています。借りる際には男女ともに服の上から着用するため、時間はほとんどかかりません。
今回のツアーのハイライト、ゲル宿泊です。
ゲルの中は広々としていて、天井が高く開放的。ゲル内には必要最低限の家具だけ置かれているシンプルな造りです。最初にゲル内に入ったときは暖房機器が付いておらず大丈夫かと心配になりましたが、床下暖房がしっかり効いているので外気温が0度を下回ってもゲル内はとても暖か。
宿泊した日の夜はあいにく天気が悪く星は見えませんでしたが、晴れている日の夜空は圧巻だそう。ゲルの外には小さなテラスがあるので、真っ暗な中テラスでのんびりと星空を眺めるのもゲル宿泊の醍醐味のひとつだと思います。
こちらの宿泊施設のゲルにはふたつのタイプがあります。ひとつが「デラックスゲル」、もうひとつが「スぺリアルゲル」です。
部屋の大きさや置かれている家具はどちらも大きく変わりなく、ベッド4台、テーブル、ポット、ハンガーラックなど。デラックスゲルには追加で小さな冷蔵庫が付いている場合があります。また、どちらのタイプにも床暖房が付いています。
大きな違いとしては、デラックスゲルにはゲルのすぐ横にトイレ・シャワーが付いていますが、スぺリアルゲルには付いていないので、ゲルから少し離れた共用のトイレ・シャワーを使うことになります。
今回はスぺリアルゲルに宿泊しましたが、トイレもシャワーもとても清潔で問題ありませんでした。シャワールームは着替えスペースとシャワースペースが分かれています。鍵付きのロッカーなどは無いため貴重品はゲル内に置いておいたほうがよさそうです。ドライヤーは1台のみのため、使用する場合は混雑する時間帯をずらすか、もしくは持参したほうがよいでしょう。
またゲル内には電気が通っていますが、コンセントを刺せる場所は1ヵ所だけなので、延長コードや複数機器の充電ができるバッテリーなどを持ち込むとよさそうです(筆者は電源タップを持参しました)。
朝食は敷地内のレストランにてビュッフェ形式。パンや卵、ソーセージ、フルーツなど一般的な洋食メニューです。
朝食後はチェックアウトし、ウランバートルに帰ります。道中、高さ40mを誇るチンギス・ハーン像と博物館を見学します(チケット代はツアー代金に込み)。
通常はそのままホテルまで送ってもらうだけなのですが、今回はガイドの方のご厚意でスーパーマーケットに寄ってもらい、モンゴル人にも人気のモンゴル塩や、おすすめのおみやげを紹介してもらいました。
どちらのツアーも、ガイドの方のおもしろい話やわかりやすい説明でとても充実したものとなりました。日程に余裕を持って旅行する方は、ぜひツアーの利用をおすすめします。
相撲やゲル、馬頭琴などのイメージはあっても、どこか遠い国のような印象があるモンゴル。実際には飛行時間が東南アジア諸国よりも短く、気軽に訪れられる国です。2021年には日本のODAで新チンギス・ハーン国際空港が開業し、空港内にはラーメン屋「麺家 あくた川」も出店しています。今はまだ空港の外には何もありませんが、これからまた日本のODAで開発が進んでいく予定です。
今回は旅行レポートとしてモンゴルの情報や町の様子、ツアー詳細を紹介しましたが、訪れるべき観光スポットやおすすめのショッピングモールとおみやげ、レストラン・ホテルの情報、市内の地図や各エリアの歴史などは『地球の歩き方 モンゴル』に詳しく掲載されています。
これからモンゴルはさらに暖かくなり、草原も青く茂り絶好の観光シーズンに入ります。TBSの日曜劇場『VIVANT』のロケ地となったこともあり、これからさらに注目度があがっていくと思います。ぜひ、夏休みやシルバーウィークの旅行先のひとつとしてモンゴルを検討してみてはいかがでしょうか。
D14 地球の歩き方 モンゴル 2024~2025
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2024/03/22発売大草原、満天の星など自然の魅力を満喫! モンゴルならではの旅の楽しみをガイド。遊牧民族の文化と魅力もあまねく紹介。
大草原、満天の星など自然の魅力を満喫! モンゴルならではの旅の楽しみをガイド。遊牧民族の文化と魅力もあまねく紹介。