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「極北の大地アラスカ」なんて聞くと、1年中雪と氷に閉ざされたイメージをもってしまうが、日本の4倍もの広さをもつこの土地は、季節によって、また場所によって、さまざまな顔を見せてくれる。
アラスカは1年中寒いというイメージがあるかもしれないが、夏の暑い日には30℃を超えることも珍しくない。なかでもアンカレジを中心とする中南部沿岸や西南部は、比較的温暖な気候で知られる地域だ。一方オーロラが見られることで有名なフェアバンクスは内陸性気候で、気温の差が激しい。厳冬期にはマイナス40℃を下回ることもある。
観光するには6月上旬から8月下旬までの暖かい季節がベスト。それ以外のシーズンは、施設が閉まっていたり、ツアーの催行スケジュールがかぎられていたりするので、事前に確認をしておくこと。9月上旬の短い紅葉シーズンは、アラスカが最も色鮮やかな時期。夜も長くなってくるのでオーロラの観測もできる。ただしデナリなどでは雪に降られることもあり、微妙な季節だ。オーロラ観測をメインにするなら、2月から4月上旬までが比較的天候が安定しておりおすすめだ。あとは自分の目的(何を見たいのか、何をしたいのか)に合わせて時期を選びたい。
アメリカでは気温や体温を摂氏(℃)ではなく華氏(°F)で表示するのが一般的。32°Fは0℃と覚えておくとよい。
摂氏(℃) | -17.7 | -20 | -10 | 10 | 0 | 20 | 30 | 37.7 | 40 | 100 |
華氏(°F) | 0 | -4 | 14 | 50 | 32 | 68 | 86 | 100 | 104 | 212 |
換算は小数点第2位で切り捨てています
場所柄、おしゃれな服装で出かける所は少ないが、着ている服の機能が発揮できる場面はたくさんある。目的とシーズンに応じてしっかり準備しておきたい。
■ハイキング
動きやすい服装と重ね着が基本。山の天候は変わりやすく、晴れていればTシャツ1枚でも汗が出てくるほどの気温が、雲が出ると急に下がり始め、さらに風が吹いてあっというまに体感気温が10℃以上下がるなんてことも珍しくない。重ね着で調節できるフード付きのトレーナーなどは便利だ。靴はスニーカーやウオーキングシューズではなく、防水機能のあるしっかりしたトレッキングシューズを用意しよう。
■野生動物観察
これも動きやすい服装が基本だが、動き回るわけではないので暖かい恰好を。雨のなかでの観察になることもある。傘をささずに済むように、フード付きのレインウェアがあるといい。またカメラと双眼鏡の必携アイテムが使いやすいように工夫したい。つばのある帽子は写真撮影にはじゃまだが、雨が降ったときには便利だ。また時期によっては蚊の対策も必要。虫よけスプレーなどを用意しよう。
■氷河クルーズ
アラスカの海は冷たい。当然海上の空気も冷たい。氷の塊が浮かんでいるような海の上はなおさらだ。暖かい服装はもちろん、手袋や帽子も欲しい。ただ、船内は暖房が効いていて暖かく、外との温度差が多き。簡単に着たり脱いだりできるものがいい。突然クジラが現れた、なんて場面では、着づらいジャケットでは決定的瞬間を逃してしまうかも。
■フライトシーイング
小型の飛行機でもちゃんと暖房が付いているから安心だが、足元がけっこう冷えることがあるのでその準備を。天気がいいときの氷河の照り返しは強烈。サングラスはぜひとも持っていきたい。
■オーロラ観測
秋であれば、それほどの重装備は不要だが、冬の観測となると、ダウンジャケットなど、しっかりした防寒具が必要になる。雪上で観測することになるので、防寒とともに、防水機能も必要だ。