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オーストラリアとニュージーランドのかぎられた場所にしか生息していないツチボタル。なかでもゴールドコースト郊外、世界自然遺産にも登録されているスプリングブルック国立公園のナチュラルブリッジは、オーストラリア有数の生息地となっている。ツアーは日暮れ時出発で、約1 時間ほどでナチュラルブリッジに到着。ガイドと一緒にウオーキングトレイルを一周し、途中滝つぼ裏でツチボタルが洞窟内を埋め尽くす様子を観察する。どのツアーも天候がよければ星空観察あり。
ツチボタルGlow worms(glow =光る/worm =ミミズのような四肢のない虫)とは、オーストラリアとニュージーランドの、適度な湿度をもつかぎられた森や洞窟にすむ双翅目(ハエやカ、アブなどと同種)の昆虫で、ツチボタル科(アラクノカンパArachnocampa)に属している。日本で一般的にホタルと呼ばれる鞘翅目の甲虫ホタルとはまったくの別種で、光りながら空を飛ぶようなことはない。基本的に光を出すのは幼虫とメスのサナギだ。幼虫時には餌となる虫をおびき寄せるため(捕食活動)に光り、サナギのメスは成虫になった際にすぐに繁殖行動できるよう(つまりオスをおびき寄せるために)光っているといわれる。なおツチボタルの光は青緑色の連続発光で、その幻想的な色が宮崎アニメ『天空の城ラピュタ』に出てくる飛行石に似ていることから、「モデルでは?」とのウワサもあるほど(事実ではないようです)。
スプリングブルック国立公園などゴールドコースト一帯で見られるツチボタル(アラクノカンパフラバArachnocampa flava)のライフサイクルは約10ヵ月。そのなかで幼虫期間は実に9ヵ月にも及び、その間粘着性体液でコーティングされた糸を垂らし、光におびき寄せられてやってくる虫をつかまえ、ひたすら食べ続ける。サナギ
の期間は約1週間。やっと成虫になっても口がなく、オスはメスを求めて交尾し、メスは交尾後産卵を済ませるとすぐに死んでしまう。成虫の寿命はオスが4〜6日、メスは1〜3日といわれる。
なおツチボタルは、明るい場所では発光による捕食活動ができないと察知し、光るのをやめてしまう(生息場所に日の光が入る時間は発光しない)。生息場所ではフラッシュなどを使った写真撮影は厳禁だ。
現地では数社がほぼ同内容で日本語ガイド付きツアーを催行している。主な催行会社は以下の通り。