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待ちに待った海外旅行再開! 距離的にも予算的にも気軽に行けるようになった韓国は何回目のブーム?というくらい、いま最も人気の旅行先のひとつです。そんななか日本とも歴史的に深い関係のある百済の歴史遺産が豊富な都市、「公州市」と「扶余(プヨ)郡」で今年2023年の9月23日~10月9日、さまざまなイベントが体験できる【大百済典】が開催決定! ひとあし先に、会場となるふたつの都市の魅力をレポートします。
「公州市」と「扶余郡」はどちらも韓国の「忠清南道」に位置している町。日本から直接行ける空港はないので、ソウルにまず入り、そこから公共交通機関またはツアーに参加し移動することになります。「扶余郡」には高速鉄道KTXや高速バスのアクセスはなく、自力で行くなら長距離バスの利用が主流。ソウルからは約2時間で日帰りも可能ですが、できれば1泊したほうがゆったり市内を満喫できます。公州とあわさったツアーに参加するのも効率よく観光できるでしょう。
朝鮮半島の三国時代に678年間存続していた百済の都だったのがここ、扶余。扶余に着いたらまず訪れたいのは、かつて王都を守る重要な役割を担っていたこの山城。敷地には百済の歴史に深くかかわる多くの遺跡が残っており、百済歴史遺跡地区のひとつとして世界遺産に登録されています。
こちらの扶蘇山城のすぐ隣を流れるのが白馬江。遊覧船に乗って雄大な扶蘇山を眺めながらクルーズを楽しむこともできます。最近人気なのが、扶余の水陸両用バスツアー。扶蘇山城の駐車場から出発し、市内を車窓観光、最後のハイライトでは白馬江に入水しゆったり水上遊覧を堪能できます。
続いて、扶余に来たら見逃せないのがこちらの世界遺産。百済の仏教文化が最も盛んだった聖王の時代に建てられた寺の跡地で、中央に堂々と残された五重石塔は当時のそのままのもの。一部修復はされていますが、近づいてみると細かい傷跡や、文字の彫った跡もしっかりと観られるので長い歴史を直接感じることができます。とくに注目したいのは石塔の右下部分に彫られている「大唐平百済国碑銘」という文字。この石塔は、唐が百済を平定したことを記念する戦勝碑である、ということを示しています。
定林寺址の隣にあるのが百済時代の遺物を約2万5000点も所蔵している国立扶余博物館。陶器や仏教関連の文化財が豊富で、いかにこの時代が技術的にも芸術面でも発達していたかをひしひしと感じられることでしょう。なかでもひときわ来館者の足をとめているのが、国宝の金銅大香炉。見れば見るほどに繊細なモチーフの数々にためいきが出るくらいの美しさです。ほかにも、日本に瓦を伝えたきっかけにもなっている、高い技術性が光る百済の瓦など歴史的に重要な展示が勢揃いしています。
最後にご紹介するのは、百済の武応が当時の王宮のなかにつくりあげた広大な池とそれを取り囲む公園。夏には見事な蓮が楽しめるこちらは歩いているだけ宮廷時代にタイムスリップしたような気分が味わえるゆったりとした敷地です。
世界遺産都市、扶余は歴史だけでなくもちろんお楽しみのグルメも。宮南池も蓮の名所であるように、蓮は扶余の名物のひとつ。「ヨンニプパプ」という蓮の葉に包んだ蒸しご飯は、ここに来たら必ず食べておきたい一品です。また、蓮の花で淹れたお茶や、蓮の実が使われているお菓子を楽しめる伝統茶館もおすすめ。目の前でお湯を注ぎ、蓮の花がひらくにつれふわっと感じるやさしい香りにも癒やされます。
扶余の魅力、いかがだったでしょうか? さらにこの百済の地を盛り上げるべく、2023年秋に大百済典が開催されます。大百済典として開かれるのは2010年以来2度目、10年に一度の祭典です。開会式は公州市、閉会式は扶余郡で開催。イベントでは百済文化のストーリーを映し出す「水上マルチメディアショー」や、百済歴史文化をデジタルコンテンツに変換した「マルチメディアアート展示館」、体験プログラム、芸術公演、パレードや歴史遺産のライトアップなどたくさんの催しが行われる予定です。世界遺産都市をもっと深く楽しめるチャンス、お見逃しなく!
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