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今回のラオスについてのトピックスは、なんといっても「無鉄道国」だったラオス初の本格的な鉄道です。これによりラオス北部の旅行プランはガラリと変わりました。また、ラオス初のスタバや大型スーパーマーケットの情報など、これまでにないラオスの姿を見るなら今! 渡航前の予習に、妄想旅に、たっぷりご覧ください。
目次
これまで、ラオスの鉄道は首都ビエンチャン近くに隣国タイから続く短い線路があるのみでしたが、2021年に開通した路線は、ビエンチャンから、アウトドアアクティビティが盛んなバンビエン、世界遺産ルアンパバーン、さらに北部の主要都市を通って中国本土まで続く本格的なもの。これにより、従来は飛行機やバスに頼らざるを得なかったラオス北部の移動が何倍も便利になりました。
列車は急行と普通の2種類。急行はEMU(Electrical Multipul Unit)と呼ばれ、白地にラオスの国旗カラーでもある赤と青をあしらった車両。このスタイリッシュな電車が、北部の山岳地帯を突き抜けるように走ります。
東南アジア諸国の中でも、数少ない ”無鉄道国” だったラオスにとって、鉄道開通は悲願ともいえるもの。それだけに、ラオス政府や国民からだけでなく、諸外国からも強い期待が寄せられています。急行列車の愛称は、百万頭のゾウを意味する「ラーンサーン」号。ラーンサーンはラオスの旧国名でもあり、ラオスの人々が鉄道に込める思いも見えてきます。海外からの旅行者にとっては、キャパシティが限られている飛行機や、時間がかかるバスに頼ることなく、柔軟に旅程を組む上での大きな武器になるでしょう。
普通列車は、急行が停まらない小さな駅にも停車します。普通列車は電気機関車が10両以上の客車をけん引するスタイルで、どこか懐かしさが漂います。それもそのはず、寝台特急や急行をはじめ、日本でも、旧国鉄時代にはこのスタイルがたくさんありましたが、現在では、一部のイベント列車などを除くと絶滅危惧種とも言える存在。鉄道ファンならずとも、乗ってみたくなるのではないでしょうか。普通列車には寝台車も連結されており、昼間は座席としての利用も可能です。
ラオスの鉄道はすべて指定席なので、事前予約が必要です。切符は、駅の切符売り場、または市内の旅行会社で手配することになりますが、外国人旅行者にとっては、旅行会社での購入が現実的です。乗車したら、その切符に書かれている車両番号と座席番号を目指しましょう。
ラオスの鉄道には1等車、2等車などのクラスがあり、2等車は、急行も普通も、日本の新幹線などでもおなじみの2列-3列の座席配列になっています。車内販売は、水とお菓子くらいしかないので、食事の時間帯にかかる場合は、事前に食事や飲み物を買って入るのが得策です。
鉄道の駅はどれも巨大で、駅によってはラオスの寺院のようなデザインになっています。駅の中に入れるのは切符を持った乗客のみで、入口で切符のチェックと身体および荷物検査があります。駅舎内の広い空間にはたくさんのベンチが並んでいるだけで、売店などは皆無なのが残念なところ。
またWi-Fiも期待できないので、ラオスの携帯電話ネットワークを持っていない人は、本や音楽プレーヤーなどの暇つぶしグッズがあるといいでしょう。改札は、列車の入線約20分前に行われるので、それまではここで待つことになります。
ラオスの首都ビエンチャンで最大級のマーケットだったタラート・サオ。このすぐ近くに近年オープンしたショッピングモールが、パークサンParksonです。パークサンは、マレーシアなど東南アジア各国でもおなじみで、ラオスの1号店が、ビエンチャンに登場しました。1階には、これまたラオス初のスターバックスコーヒーも入り、オープン後しばらくは、めったに行列しないラオス人も長い列を作ったそうです。このパークサンで行くべきは、地下階。ここには、ラオスではこれまで見られなかった近代的なスーパーマーケットやフードコートが入っており、ショッピングもグルメも一緒に楽しめます。
パークサンの地下階にあるスーパーマーケットには、食品、雑貨などが広いフロアに並んでおり、見て歩くだけで楽しくなります。日本でもおなじみの食品や飲料も多く、流通のグローバル化も感じてしまうでしょう。お惣菜の中にはお寿司もあって、気になる人はトライしてみてください。このスーパーマーケットのメリットは、商品すべてに値段が付いていること。伝統的な商店やマーケットで必要な値段交渉が不要なので、安心して買い物が楽しめます。
パークサンのスーパーマーケットには、一般の食品や雑貨のほか、みやげ物向きの商品コーナーもあります。こちらも定価販売なので、お財布と相談しながら安心してショッピングができます。ラオスで買いたいおみやげのひとつに、ラオス産のコーヒーがありますが、これもたくさんの種類が揃っているので、パークサンだけでおみやげ探しはOKといえるほど。豆のままのレギュラーコーヒーからインスタントまで、豊富なラインアップです。また、ラオスの主食でもあるカオ・ニャオ(もち米)を使ったお菓子は、日本のおこしにも似たクリスピーな食感で、友達や職場へのおみやげにも喜ばれるでしょう。
パークサンの地下階にはフードコートもあり、いろいろなメニューが1ヵ所で食べられます。フードコートは、周辺の東南アジア諸国ではかなり普及していますが、ラオスではまだ数が少なく、本格的なフードコートならこちらがおすすめです。メニューは、ラオス料理はもちろん、東南アジア各国の料理、そして日本料理もあって、選び放題。ローカルな店で食べるラオス料理もおいしいのですが、その独特なスパイスや香りにちょっとげんなりしたときには、食べ慣れた日本料理の味が助けてくれるかもしれません。
タート・クワーンシーの滝(クアンシーの滝)は、世界遺産に登録されているルアンパバーンの町の郊外にある滝で、手軽な日帰り観光地として知られていました。今回出版された最新版では、この滝を巻頭と本文で紹介しています。滝を訪問する場合、従来は、滝のある公園のゲート(旧ゲート)まで車で行き、そこから徒歩だったのですが、そのアクセス方法に変更があることが2023年の取材でわかりました。
ルアンパバーンで乗った車はこれまでよりかなり手前までしか行くことができず、そこにできた新たなゲートで入場券を買い、旧ゲートまでは乗合の電動カートを利用します。カートの料金は入場料に含まれていますが、歩いても30分くらいの距離です。旧ゲートから滝までの徒歩はこれまでと同じですが、案内看板など、観光客向けの施設がより充実していました。
タート・クワーンシーの滝は、小高い山の上からの水が滝壺に落ちた後、いくつもの小さな段差を通って公園の中を流れて行きます。その段差と段差の間は浅瀬になっていて、ここで泳ぐことができるのです。滝で泳ぐ、というと、日本では滝行を思い出しかねませんが、そんなに高い段差ではないので、上から落ちてくる水の下に入れば、さわやかな清流を頭から浴びることができます。この場所でSNS写真を撮影したいのであれば、スマホ用の防水ケースをお忘れなく。もちろん、水着も必携です(更衣室もあります)。
『地球の歩き方 ラオス』には今回ご紹介したスポットほかにも、世界遺産やマーケット、最新ホテルなどたっぷり紹介しています! 次の海外旅行は進化をし続ける癒やしの国・ラオスを選んでみては? 渡航して、最新スポットが見つかったら、ぜひオンライン投稿でも教えてください。
D23 地球の歩き方 ラオス 2024~2025
Dシリーズ(アジア) 地球の歩き方 海外
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