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ポーランドの首都ワルシャワを楽しみ尽くす!定番&最新スポット巡り
2023.12.6
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ヨーロッパの中央に位置し、“Heart of Europe”といわれるポーランド。日本から直行便もあり、治安がよく、さらに物価も安めといいことずくめ。2023年10月に取材したポーランドの最新情報や日本ではまだあまり知られていない注目の観光スポット、お土産におすすめの伝統工芸品を紹介します。
目次
欧米のほとんどの国で「物価が高い……」と実感させられる円安の昨今ですが、ポーランドは例外。以前より円安ではありますが、まだ物価は日本とそう変わらない、ものによっては日本よりリーズナブルです。ポーランドの通貨はズウォティ(PLN)で、1PLN=37.05円です(※2023/11/17現在)。
まず宿泊費は総じて安めです。たとえば世界遺産の街、トルンの4つ星ホテル「メルキュール トルン セントラム」のシングルまたはダブルのスタンダードな客室の標準レートは380PLN(約1万4000円)。日によっては6000円台から見つかります。
■Mercure Torun Centrum
・URL:https://all.accor.com/hotel/3421/index.ja.shtml
首都ワルシャワでホテル近くのスーパーをのぞくと、パンはクロワッサン2.99 PLN(約110円)、瓶ビール500mlが3.99 PLN(約148円)~、水は0.5リットル3.29 PLN (約122円)~、 1.5リットル3.99 PLN(約148円)~で売られていました。
ワルシャワ市内の交通は20分乗り放題のチケットが3.40 PLN(約126円)。Uberは時間帯によってかなり金額が変わりますが、空いている時間なら市街地から空港まで約12kmの距離が45 PLN(約1667円)前後でした。
旅をしていても危ない雰囲気を感じることはありませんでしたし、現地の人に話を聞いても治安はよいそうです。もちろん基本的な防犯対策は必須ですが、女性の一人旅もしやすい国といえそうです。
◆美しい町並みに感動する港町、グダンスク
ポーランドには日本ではまだそれほど知られていない名観光地がたくさんあります。その一つが、バルト海に面した北ポーランド最大の都市、グダンスク。激動の歴史を持つ港町です。
かつてはドイツが支配するハンザ同盟都市の港町として栄え、その後、ポーランド、プロイセンと所属を変え、第一次世界大戦後は、国連の管理下におかれて自由都市に。ドイツが第二次世界大戦をはじめると、歴史地区はほとんどが破壊されてしまいましたが、戦後、市民の手で再生されました。
ゴシックやルネサンス、バロックなどの建築が美しく調和した街並みは、歩いているだけで楽しい気分に。もちろん、立ち寄りたい観光スポットも多数あります。おすすめは聖ブリギット教会。なんとここには、グダンスクの名産である琥珀の祭壇があるんです。アクセサリーに使われる琥珀ですが、パワーストーンとしての意味合いも強いのでしょう。あまりの荘厳さに息をのみます。ほかにレンガ造りの教会としては世界最大といわれる聖マリア教会なども見ものです。
■VISIT GDANSK
・URL:https://visitgdansk.com/home.qbpage?setLanguage=en#
ポーランドは複雑な歴史背景から、伝統的な地方料理は少ないものの、港町という土地柄グダンスクでは魚料理もおすすめです。
また、ポーランド全土で共通して食べられている名物料理はいろいろあります。旅の途中で一度は飲みたいのが「ジュレック」というスープ。ライ麦を発酵させた独特の酸味がクセになる美味しさ。具はソーセージや卵が定番。店によってかなり味わいが違うので、あれこれ食べ比べるのもおすすめです。
■Goldwasser House
・URL:https://goldwasser.pl/en/
◆世界最大のレンガ造りの城、マルボルク城
城好きならぜひ訪れたいのが、1997年にユネスコ世界遺産に登録されたマルボルク城です。レンガ造りの建築としては世界最大。13世紀にマルボルクに本拠地を構えたチュートン騎士団が築きました。その後、多くのポーランド王が所有する城となり、実際に過ごしたため、破壊されることなくいままで残っています。世界最大のゴシック様式の城は、実に威風堂々とした佇まい。大食堂にある床暖房システムや、トイレのためだけにつくられた塔など快適さへの強めのこだわりも随所に見られます。かなり広いので普通にまわるだけで2~3時間はすぐに経ってしまいます。
■Malbork Castle Museum
・URL:https://zamek.malbork.pl/en/home/
◆コペルニクスの生誕地、トルン
グダンスクと首都ワルシャワのほぼ中間にある世界遺産の街です。戦火を逃れたため、建物は全部オリジナル。およそ500年前のレンガ造りのゴシック建築が多く残っており、それが世界遺産に登録された理由の一つです。
地動説を唱えたコペルニクスの生誕の地としても知られています。街なかには銅像が立ち、生家もあります。宿泊したホテルでも、壁面にコペルニクスの肖像が描かれ、コペルニクスの靴下がお土産として販売されていました。街は結構コペルニクス推しです。
トルンでぜひ食べたいのが「ピェルニク」という伝統菓子。ポーランド生まれの偉大な作曲家、ショパンも好んだジンジャーブレッドです。ジンジャー以外に、小麦粉、ハチミツ、ブラックペッパー、クローブ、ナツメグ、カルダモン、アニスなどスパイスをたっぷり入れるのが特徴。作り方によっては何十年も保存できます。もともとはハンザ同盟のシンボルで、スパイスを多用することから交易の広さや裕福さをアピールしていたとか。市内にはいくつかお店があるので、お土産にぜひ。またピェルニクと同様のスパイスを使ったジンジャーブレッドビールを出すブルワリーもあります。
■Żywe Muzeum Piernika
・URL:https://muzeumpiernika.pl/en/
◆民族衣装が美しい町、ウォヴィチ
ワルシャワから日帰りで楽しめるウォヴィチは、美しい刺繍が施された民族衣装や切り絵の芸術で知られる小さな町。街路樹が多く、美しく素朴な町並みにほっとします。ウォヴィチ博物館にはカラフルな衣装がたくさん展示されており、この地域の伝統や文化への理解が深まります。普段、街なかで民族衣装を着た人を見かけることはまずありませんが、聖体節(24年5月30日)には、伝統衣装に身をまとった人たちが町を行進する様子が見られます。また郊外にあるマウジツェ野外博物館では夏は切り絵や刺繍のワークショップが開かれることも。昔の木造家屋が残り、タイムトリップしたような気分になれる場所です。数年前には秋篠宮皇嗣同妃両殿下も訪れていました。
◆ナポレオンゆかりの部屋、ヴァレヴィツェ宮殿
ウォヴィチから20kmほどの場所に、ナポレオンの愛人だったマリア・ヴァレフスカがナポレオンの子と住んでいたヴァレヴィツェ宮殿があります。ナポレオンを思って用意した部屋があります。いまのヨーロッパにはないといわれているほど貴重な壁紙が施されていますが、ナポレオンはこの部屋に来ることはなかったというのが切ないところです。
この部屋は見学のみですが、宮殿自体は宿泊もできます。また日帰りで訪れることもでき、馬にのって自然豊かな宮殿のまわりを走る、非日常的なアクティビティを楽しめます。
■WALEBICE
・URL:http://www.walewice.pl/
◆カシューブ民族の刺繍(グダンスク)
グダンスク近郊に住む少数民族カシューブ人は、独自の言葉を使い、文化を育んできました。刺繍もその一つで、その歴史は12世紀にまでさかのぼるといいます。糸は7色あり、藍は海、青は空、水色は湖……といった具合にそれぞれ意味があるそう。刺繍はどれも素朴な温かみがあります。
グダンスクにはこのカシューブ刺繍を扱うショップがあり、リネンのテーブルクロスとテーブルランナーをメインに販売。ブックマークやハンカチのような小物はお土産にも向いています。
■Galeria sztuki kaszubskiej
・URL:https://www.gskart.pl/en/
◆琥珀製品(グダンスク)
グダンスクは世界有数の琥珀の産地。旧市街には、琥珀を売る店がたくさんあります。
琥珀とは、木の樹脂が土の中で固まって化石化したもの。そのため、よく見ると中に虫などが入っていることもあります。色のバリエーションも豊富で、白っぽいものからかなり黒に近いものまで、実に250近い色があるそうです。指輪やネックレス、ブローチなどアイテムは多彩。日本よりかなり手頃な値段で手に入ります。
ちなみに琥珀が偽物かどうか見分けるには塩水に浮かべればよいそう。ニセモノは沈み、本物は浮くそうです。
■Amber Manufacture "MICHEL". FHU
・URL:https://amber-manufacture-michel-fhu.business.site/
◆切り絵・刺繍小物(ウォヴィチ)
ポーランドのお土産の定番である切り絵は、ウォヴィチが発祥です。もともと女性たちが絵画代わりに部屋に飾ったり、レースのカーテン代わりに窓に飾ったりしていたそう。羊の毛を刈る飾りものとして大小さまざまな芸術的な切り絵を購入できます。
ウォヴィチの民族衣装の刺繍をバッグやケースにワンポイントとして入れた小物は、お土産にぴったりです。刺繍はバラがベースで、それに2~3種類の野の花が加わります。
◆陶器コノプチン焼き(ボリムフ)
ポーランドの陶器というと、ボレスワヴィエツという町でつくられるポーリッシュ・ポタリーが有名ですが、ウォヴィチに近いボリムフの町にも伝統的なコノプチン焼きという陶器があります。200年前には20軒ほどあったという工房も、いまは1軒だけに。デザインに多用されている鳥は工房のシンボル。なんともいえない愛嬌のある表情をしていて、見ていて飽きません。模様はウォヴィチの切り絵や刺繍のデザインをモチーフにすることもあるそうです。商品は工房で買い求めることができます。
■Warsztat Garncarski Rodziny Konopczyńskich w Bolimowie
・URL:http://www.garncarz.com/
日本人にとってはまだなじみが薄いポーランド。まずはワルシャワやクラクフから訪れるのが定番ですが、今回はあえてそれ以外の見どころを紹介しました。ポーランドの国名は「平原の国」という意味で、移動中はどこまでも続く広大な平野の景色にも癒やされます。ぜひ、いろいろなエリアをまわってみませんか。
■ポーランドの観光情報
https://www.poland.travel/ja
※当記事は、2023年11月21日現在のものです。
TEXT・画像提供:古屋 江美子
〈お願い〉
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◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html