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3月14日に発売したばかりの『地球の歩き方 バンコク 2024-25』。巻頭特集としてグルメにフォーカスし、古くから人気の老舗店や最近話題の店を訪れ、伝統的な料理から新感覚の進化系料理まで取材しました。その中から、バンコクへ行くならぜひ体験してもらいたい、よりすぐりの5軒をご紹介します。
ラーチャダムヌーン通りは、ワット・プラケオや王宮、カオサン通りなどがあるバンコクの旧市街にあたるエリアを通る、タイ王国の首都にふさわしい大通り。その中ほどの民主記念塔が立つロータリーに面して、1957年創業の格式高いレストラン、クラシックな外観の「メーターワライ・ソーンデーン」があります。店内には分厚いカーペットが敷かれ、ずらりと並ぶテーブルには純白のテーブルクロス。中央にはグランドピアノがあり、毎晩生バンドと歌手が1970〜80年代のゆるやかなタイ音楽を奏でて、まるでその時代にタイムスリップしたかのよう。落ち着いた客層で、周辺に多い公的機関での行事や催しの帰りなのか、タイの正装や盛装に身を包んだグループもよく見かけます。
メニューに並ぶのは、王道の正統派タイ料理。新鮮なスパイスのシャープな香り高さと素材の味を生かした料理が、重厚な食器にカービングを添えた華やかな盛り付けでサーブされ、伝統の良さを見た目と味の両方から改めて感じさせてくれます。タイ風ポメロサラダ(Spicy pomelo salad with shrimp 250/375B)に使われるサボン(ポメロ)のつややかな粒、パイナップル蒸しカレーご飯(Baked pineapple curry rice with shrimp 320B)にのっている大きなエビなど、厳選された素材を使う料理の値段はひと皿250〜400B程度と良心的。ビア・シン大瓶170Bとやや高めなのは、高級店の矜持的値付けでしょうか。
カニをはじめとしたシーフードが手頃な価格で食べられると人気の、気軽な雰囲気の食堂が「ノーン・リム・クローン」。ここでぜひ注文したいクラブ・オムレツ(Crab omlet:kai jeaow pu 620B)は、小ぶりの枕のような形をした高さと厚みがあるオムレツで、ナイフで開いてみれば中身がほぼカニで驚くとともに喜びの笑みがこぼれます。そして2人分はあろうかという大盛りのカニチャーハン(Fried rice with crab 430B)は、ご飯の山のどこをすくってもカニが出てくるほど。どの料理も量が多くひと皿で満腹になってしまうので、いろいろ食べたかったら最低でも3〜4人で行きましょう。イカの塩卵炒め(Squid stir fried with salted egg some vegetables 240B)はご飯が果てしなく進む味。ビールのお供にはシャコのガーリック炒め(Fried mantis shrimp with garlic 450B)やホタテのガーリック炒め(Fried scallop with garlic 450B)はいかがでしょうか。ちなみにビア・シンは大瓶120Bです。
店を正面から見ると向かって右が厨房で、左の間口が広いほうが客席になっています。以前は厨房の2〜3階が客席で、階段も客席も狭いためやや窮屈でした。客席が1階に移転してなおかつ全体が広くなり、入店しやすく居心地もよくなりました。閉店時間が日本的な感覚だとかなり早い16時なので、夕飯には使えないのでご注意ください。
ホーリーバジル(バイ・カプラオ)とトウガラシでひき肉などの具材を炒めたものをご飯にのせるパット・カプラオ(いわゆるガパオ、ガパオライス)。タイ人にも人気のこのひと皿メシをアレンジした独創的な料理の数々がメニューに並ぶ、カフェ風レストランが「サヤームカプラオ・カフェ・グランド・バンタットトーン」です。イチオシはバスマティライスを使ったパット・カプラオにプレミアムビーフのステーキをのせ、卵2種(目玉焼き、ナムプラー漬けアヒル卵)を添えたセット(SET: Basmati rice basil premium beef steak combo 299B)。バスマティライスはパラパラで香り高く、糖分を吸収しにくくするために健康にもいいとか。肉の焼き加減3段階(レア、ミディアム・レア、ミディアム・ウェル)と辛さ5段階(Non spicy、Less spicy,Medium signature←おすすめ、Very spicy、Extra spicy)も注文できます。アヒル卵は好みのタイミングでライスやステーキにかけて、味変を楽しみましょう。
一般的なジャスミンライス使用のパット・カプラオも各種あります。豆腐のチリソルト炒め(Fried tofu with chili and salt 99B)などおつまみによさそうなスパイシーな料理もあり、ビア・シン大瓶120Bなので、夜飲みに行くのもいいかもしれません。シメはぜひパット・カプラオで。
漢方風のスパイスを使ったスープにポークのひき肉、胃やレバー、腎臓、タンなどのモツ類、豚肉のカリカリ揚げ、血を豆腐状に固めたもの、そして幅が広いためにくるくると巻いた米の麺を入れた具だくさんの料理がクワイチャップ。その名店がこちらバンコクの中華街ヤオワラートにある老舗「クワイチャップ・ナーイ・エック(エックさんのクワイチャップ)」。色の濃いスープを出す店もありますが、ここのクワイチャップは透明なスープ(Roll Noodle Soup 70/100/150B)。胡椒、揚げにんにく、パクチーの香りがきいた薄い塩味で食べやすく、多彩な具で重そうな見た目なのにすいすいとお腹に収まります。お酒を飲みすぎた翌朝の朝食にもよさそうです。麺ヌキにするとカオラオ(Pork Entrall Soup 70/100/150B)と呼ばれ、これは具とスープだけで食べてもよし、ご飯(Rice 10B)を添えておかずにしてもよし。レンゲですくった具をご飯にのせ、スープと一緒にわしわしと食べるのが筆者の好みです。ポークのカリカリ揚げご飯(Deep Fried Crispy Prok w/ Rice 80/100/150B)、ポークの脚肉煮込みご飯(Breised Port Rump w/ Rice 60/80/100/150B)、ポークのスペアリブ煮込みご飯(Pork Spareribs Stew w/ Rice 80/100/150B)もおすすめです。
クワイチャップ・ナーイ・エックは1960年創業。路地に面した厨房には調理済みの具材が並び、注文が入るとスープに入れてひと煮立ちで完成。料理ができるのも客の回転も早いので、少しぐらい混雑していてもそれほど待たずに食べられます。店頭の人混みに臆せず、ぜひ試してみてください。なお、ビールはありません。
バンコクではハンバーガーが流行中。本格的なハンバーガーショップが次々にオープンし、味や雰囲気を競っています。そこに登場したのが、ひと味違うこのお店「クラブ・バーガー」。シグネチャーのメニューはビーフやポークのパティではなく、店名にもあるようにカニ肉をたっぷり使ったクラブ・バーガー(Crab Burger Signature 329B)なのです。自家製のふわふわバンズに、オーロラソースをまとったカニ肉がたっぷり挟みこまれ、てっぺんに刺さったキュウリのピクルスとオリーブが見た目のアクセントになっています。フレンチフライとサラダも添えられ、栄養のバランスもバッチリ。箱型の台に入れられているので食べやすいのもマル。手が汚れないようにとビニール手袋が添えられる心遣いも嬉しく感じられます。和牛や黒豚を使ったバーガー類も、パティはすべて自家製。ベーコンとチーズがサンドされたT-レックスバーガー(T-Rex Burger Wagyu/Kurobuta 329B)や3枚重ねのパティに目玉焼きまでのったサムライ T-レックスバーガー(Samurai T-Rex Burger Wagyu/Kurobuta 349B)など、ボリューム満点のバーガーがめじろ押し。お腹をすかせて行きましょう。ビールはビア・シン大瓶109B、ビア・チャーンなら99Bと嬉しいお値段です。
店は広い通りに面しており、テーブルは歩道に並べられたドラム缶。椅子に使われているのも小型のドラム缶で、クッションが敷いてあるので座り心地は悪くありません。横を歩く通行人、そのすぐ先を行き交う車を眺めながら頬張るカニ肉のハンバーガー。こんな体験、きっとバンコクでしかできません。
バンコク中心部にあるチュラーロンコーン大学の西側で、ラーマ1世通りとラーマ4世通りを南北に結ぶのがバンタットトーン通り。その周辺は古い下町で、BTSやMRTなど都市鉄道の駅からは微妙に遠いためか外から訪れる人は少ないものの、地元密着型老舗の食堂が多いエリアとして知られていました。プー・パッ・ポン・カリーで名高いレストランのソンブーンも、本店はこのエリアにあります。全長2kmほどのこの通り、近年にわかに飲食店が増え、しかも手頃な店が多いことから、若者向けのグルメストリートとして注目を集めています。今回ご紹介した5軒のうち、「サヤームカプラオ・カフェ・グランド・バンタットトーン」と「クラブ・バーガー」もこの通り沿いにあります。通りを歩けばカオ・マン・カイや麺類などの定番屋台料理からシーフード、お粥、ディムサム、そして日本料理や韓国料理、バーやビストロ、カフェ、スイーツやアイスクリーム専門店など、さまざまなジャンルの飲食店が並んでいるので、食べたいものや試してみたくなるものがきっと見つかるはず。ぜひ一度出かけてみてください。
・アクセス
BTSシーロムラインのナショナル・スタジアム駅、MRTブルーラインのサムヤーン駅かフアラムポーン駅から徒歩10〜15分程度。スマートフォンのアプリでトゥクトゥクが呼べる「MuvMi」が便利。
誰よりもお得に、安心してバンコクを楽しめるよう、最旬スポットからタイの雑学まで徹底取材。総力特集は「最強グルメ体験」!
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2024/03/14発売誰よりもお得に、安心してバンコクを楽しめるよう、最旬スポットからタイの雑学まで徹底取材。総力特集は「最強グルメ体験」!
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TEXT:水野 純(編集工房緑屋)
PHOTO:井出友樹
※当記事は、2024年3月15日現在のものです
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◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
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