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イタリア映画界をけん引する人気俳優ピエルフランチェスコ・ファヴィーノが主演を務め、イタリア映画祭2023でも注目を集めた話題作『幸せのイタリアーノ』(原題『Corro da te』)が、7月26日(金)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開!今回は、映画の舞台となったイタリアの名所やこだわりのロケ地を、実際の映画のシーンを交えながら紹介する。
よこしまな“恋”は“嘘”のはじまり—
独身、スポーツマン、会社社長、自由と女性をこよなく愛する
49歳モテ男が出会ったのは、車いすのヴァイオリ二スト。
ジャンニ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)は、ハンサムで独身、スポーツマンの49歳。一流のアスリートをフィーチャーする有名シューズブランドの経営者でもある。一方で、女たらしで女性を口説くためなら何でもするという一面があった。そんな彼が、ヴァイオリニストで車いすテニスにも情熱を注ぐキアラ(ミリアム・レオーネ)と出会い、人生で経験したことのない感情に激しく揺さぶられてしまう…。
ジャンニの定番ランニングコースは、ヴィットリオ・ガスマンとパゾリーニ監督の『アッカトーネ』(1961)にも登場した、ローマ南部のオスティエンセ地区テヴェレ川沿い、ガソメトロ周辺を結ぶデッラ・シエンツァ橋だ。ときにはサンタンジェロ城やテヴェレ川堤防の周辺を走るので、ローマの風景を見ることができる。
サンタンジェロ城は、135年にローマ帝国のハドリアヌス帝が自らの霊廟として建設したもの。14世紀以降は要塞として強化され、有事の際には教皇が避難できるように約700m離れたヴァチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂と城壁上の回廊で繋がっているのだそう。
テヴェレ川対岸にかかるサンタンジェロ橋は、17世紀後半にバロック時代の天才彫刻家・建築家のジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって10体の天使像が設置された。ここは、映画『ローマの休日』(1953)で、王女と新聞記者が乱闘騒ぎに巻き込まれる船上ダンスパーティーのシーンのロケ地にもなった。
また、本作で重要な役割を果たすのが、サヴォイア王家のお膝元で豪華な宮殿文化が花開いたトリノだ。
世界で最も古いオペラハウスのひとつで、火災による消失から見事によみがえったレッジョ劇場。トリノの天才建築家(デザイナー、写真家、教育者)カルロ・モリーノ(1905~1973)とマルチェロ・ザベラーニ・ロッシによる設計は、焼け残った旧劇場の外壁はそのまま残しながらも、内側にガラスとコンクリートを使った新劇場を入れ込むという凝った構造になっている。
マリア・カラスなど名だたる音楽家が演奏してきたこの舞台で、キアラはヴァイオリンのソリストとしてオーケストラと共演する。
コンサートの余韻に浸る2人は、カリニャーノ広場にある1757年創業の老舗レストランデル・カンビオで、キアラはジャンニの不器用さをおもしろがりながら夕食をともにする。少しずつ2人の距離が縮まっていく時間だ。
食事の後、ひとけのないカステッロ広場から始まる夜のローマ通りで、踊りながらそれぞれの車いすから手をつなぎ、そして、世界遺産のトリノ王宮のすぐ裏手、紀元前1世紀に建てられたパラティーナの門近くのホテルに戻っていく。
ジャンニの不意打ちによりキアラの驚きと喜びから始まった一夜は、美しい街並みを背景にこのうえなくロマンティックに演出される。
キアラとジャンニが手をつなぎなら車いすで深夜の散策をするのはローマ通り。カステッロ広場とカルロ・フェリーチェ広場を結び、トリノの中心部を縦断する約1kmのメインストリートだ。
2人の出発点の背景にあるのが、ローマ通りの中間にあるサンカルロ広場。バロック様式の教会や噴水、老舗カフェの集まった美しい広場だ。ここからカステッロ広場に向かうローマ通りの両側は、本作のシーンで見られるように「ポルティコ(柱廊)」と呼ばれる優雅なアーケードが続く。
最後にご紹介するのは、ローマ市北郊外にあるイタリア最大のフラミニオ墓地。イタリアの文化・芸術・スポーツ・映画界や政界の著名人が多数埋葬されている。
ジャンニが母の葬儀に車で乗り付けるシーンで見られるように、墓地入口付近の通り沿いには多くの花屋が並んでいる。
その他にも本編ではイタリアを満喫した気分になれる名所がたくさん登場! この夏は、本作でイタリアの街並みを楽しんで旅行気分に浸ってみてはいかがだろうか。
本作では、ローマやトリノの名所が多く登場する。映画をより楽しむための一冊として、『A09 地球の歩き方 イタリア 2024~2025』をチェックしてみてはいかがだろうか。
A09 地球の歩き方 イタリア 2024~2025
Aシリーズ(ヨーロッパ) 地球の歩き方 海外
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