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フィリピンには、美しいビーチや自然はもちろん、歴史と文化に彩られた観光スポットが豊富。特に首都マニラやセブでは、スペイン統治時代などの歴史的遺産が数多く残り、町全体が歴史を物語っている。マニラでは、英雄ホセ・リサールをたたえるリサール公園やサンチャゴ要塞といった歴史的な建造物が見どころ。セブでは、サント・ニーニョ教会やマゼラン・クロスを巡りながら、フィリピンのキリスト教文化の開化を感じることができる。これらのスポットは、フィリピンの文化や歴史に深く関わる場所であり、旅人に新しい発見と感動をもたらしてくれるはず。厳選した10のスポットを参考に、フィリピンの魅力に触れる旅を計画してみてほしい。
マニラの象徴ともいえるリサール公園は、独立運動の英雄ホセ・リサールをたたえる歴史的に重要なスポットだ。ここにはリサールの記念碑があり、その下にリサールが眠っている。フィリピンの人々にとってこの場所は、リサールの処刑地でありながらも未来への希望を抱くシンボルとして位置づけられている。自然を楽しんだり歴史を学んだりするなど、人々はさまざまな目的でここを訪れるが、園内には穏やかな空気が漂っている。また、博物館や美術館が併設されており、有意義な1日を過ごすことができる。
マニラの国立博物館は、フィリピンの歴史や文化を理解するうえで欠かせないスポット。人類学や考古学などの学問領域のほか、絵画や彫刻など美術に関する展示もあり、統治時代から独立後のアーティストたちの作品が充実している。特に、ホセ・リサールによる彫像とドローイングはぜひ観ておきたい。建物自体の歴史的価値も高く、入口付近の壮大な柱に圧倒されるだろう。館内は広々としており、展示品も見応えがあるため、時間をかけてじっくりと楽しもう。
サンチャゴ要塞は、フィリピンの首都マニラにある最も歴史的かつ象徴的な要塞のひとつだ。16世紀にスペインによって築かれ、統治時代から独立にいたるまでフィリピンの歴史を見守り続けてきた。石造りの壁や大砲が、かつての戦いの激しさや過酷な歴史を物語っている。また、この要塞は、ホセ・リサールが投獄され、処刑されるまでの日々を過ごした場所としても知られている。内部にはリサール記念館があり、当時使っていた机や描かれた絵などが展示されている。ここを訪れることでフィリピンの歴史の一端を知ることができるだろう。
イントラムロス地区に位置するカーサ・マニラ博物館(カサ・マニラ)は、スペイン統治時代のコロニアル様式の邸宅を忠実に再現した博物館だ。19世紀の特権階級の邸宅を模したもので、広い中庭や美しいバルコニーがあり、館内には当時の家具や装飾品、衣装が展示され、当時の暮らしぶりを今に伝えている。レストラン、カフェ、みやげ物屋も併設されている。ガイドツアーもあり、展示品の歴史的背景について詳しく解説を聞くことができる。
スペイン人が築いた城壁都市、イントラムロスの静かな一角にたたずむサンチャゴ要塞跡は、16世紀後半に建設されたフィリピン最古の要塞遺跡のひとつだ。スペイン統治時代の防御施設として当時の技術を結集して建てられた石造りの大規模な要塞で、スペードのエースに似た独特の形状が特徴。修復を繰り返しながら現在にいたるまでその姿を保っている。美しい庭園も見どころ。敷地内は緑豊かで、木々に囲まれた静かな環境のなかゆったりとした時間を過ごせるので、憩いの場としても親しまれている。
フィリピンで最も古いカトリック教会のひとつであるサント・ニーニョ教会。教会内には、大冒険家フェルディナント・マゼランがセブの女王に贈ったサント・ニーニョ像がある。この像はフィリピンにおけるカトリック信仰の始まりを示すもので、多くの信者や観光客が見学に訪れる。特に、毎年1月の第3日曜に行われるシヌログ祭りは、フィリピン全土から巡礼者が集まる大規模なイベントで、町全体が祝祭ムードに包まれる。教会の外観は歴史を感じさせるが、内部は美しく装飾されており、壮麗な雰囲気のなか祈りをささげることができる。
セブ市の歴史的ランドマークとして名高いマゼラン・クロスは、1521年にマゼランによって造られ、フィリピンにおけるキリスト教の信仰の始まりを示す記念碑として1834年に六角堂に収められた。かつて、十字架が奇跡を呼んだり、十字架を煎じて飲むと万病に効いたりするという話を信じた人々が、十字架を削り取って持ち帰るようになったという。セブ市のにぎやかなエリアに位置し、町の活気を感じながら歴史散策を楽しむことができる。
セブの英雄ラプラプをたたえるために建てられたマゼラン記念碑&ラプラプ像は、セブの歴史を象徴する重要なスポットだ。ここは、1521年に起こったマクタンの戦いでマクタン島酋長ラプラプがマゼランを退けた場所として知られる。これを記念し、ラプラプ像とマゼラン記念碑が建てられた。海に面した広場は、当時の戦場を彷彿とさせ、訪れる人々にその歴史的背景を感じさせる。また、ここからは美しい海が広がり、ラプラプの勇気をたたえながらその壮大な景色を楽しむことができる。マクタン島の歴史を知るうえで、このスポットは欠かせない。
サン・ペドロ要塞は、スペイン統治時代の遺構。200年の歳月をかけて1738年に完成したこの要塞は、かつてフィリピン防衛の要として機能していた。現在は観光スポットとして公開されており、要塞の内部にはフィリピンの歴史に関する展示が豊富に揃っている。特に、大砲や当時の兵士たちが使用していた武器は見どころ。また、周囲は公園のようになっており、歴史を学ぶ合間に散策してみるのもいい。セブ市内の喧騒から離れ、静かな時間を過ごしながらフィリピンの歴史を感じられるスポットだ。
ヤップ・サンディエゴ・アンセストラル・ハウスは、国内で最も古い邸宅のひとつ。17世紀後半に建てられた中国人商人の邸宅で、フィリピンの伝統的な木造家屋と中国の建築様式が融合した独特なデザインが特徴。サンゴ石の壁と屋根瓦にはTisaという粘土が用いられている。現在は博物館として公開されており、屋内にはアンティーク家具などが展示されている。家の雰囲気は当時のまま保存されており、訪れる者に過去の生活を伝えてくれる。
今回紹介した10のスポットは、フィリピンの歴史を語るうえで欠かせない場所ばかりだ。フィリピン旅行ではビーチリゾートばかりに目を向けがちだが、歴史的なスポットや文化遺産にもぜひ足を運んでほしい。マニラでは、独立運動や統治時代の遺構が今も残っており、リサール公園やサンチャゴ要塞を訪ねればその歴史に触れることができる。一方、セブでは、フィリピンのキリスト教の布教や貿易の歴史を物語るサント・ニーニョ教会やマゼラン・クロスなど、宗教的にも重要なスポットが点在している。これらの場所を巡ることで、フィリピンの多様な歴史と文化が交錯する様子を感じることができるだろう。