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モンテネグロは、豊かな自然と歴史的な魅力にあふれるスポットを有する国。首都ポドゴリツァの近くにあるオストログ修道院や、アドリア海沿いの美しい町ブドヴァ、国立公園に広がる絶景を訪ねれば、モンテネグロの深い文化と豊かな自然を体感できるだろう。今回は、モンテネグロで訪れるべき観光スポット10選を紹介する。歴史や自然に興味がある旅行者にとってはもちろん、初めてモンテネグロを訪れる人にもぴったりのスポットばかりだ。各地を巡り、モンテネグロの多彩な表情に触れてみよう。
モンテネグロの豊かな自然を堪能できるロヴチェン国立公園。モンテネグロの国名の由来にもなった「黒い山」とも呼ばれるロヴチェン山は標高1749mあり、登山者に人気のスポット。山頂に立てばモンテネグロ全土が一望できる。季節ごとに異なる表情を見せる自然の美しさも魅力のひとつ。また、頂上にあるペータル・ペトロヴィッチ・ニェゴシュ霊廟もモンテネグロの歴史にとって重要な場所。駐車場から霊廟までは461段の階段で上れる。自然好きな旅行者には特におすすめのスポットだ。
17世紀に建てられたオストログ修道院は、断崖絶壁に埋もれるようにして建つ修道院。ここには、17世紀の聖人、ヴェシリエ・オストロシュキーが安置されており、東方正教会の重要な巡礼地として世界中から信者や観光客が訪れる。修道院は上部と下部に別れ、上部は断崖絶壁に埋め込まれるようにして建っている。内部には美しいフレスコ画が保存されており、芸術的価値も高い。修道院からはビェロパヴリッチ平原も見ることができる。多くの人々が訪れるこの場所で、壮大な景色と静けさに心が洗われるような感覚を覚えるだろう。
アドリア海に面した美しい港町ブドヴァの旧市街は、中世の趣を色濃く残す観光地だ。石畳の路地には歴史ある建物が並び、旧市街を取り囲む城壁の上を歩けば目下に海の絶景が広がる。細い路地にはカフェやレストラン、おみやげ屋やショップが並び、観光客でにぎわう。また、ブドヴァにはきれいなビーチがあり、観光後に海辺でリラックスできるのも魅力のひとつだ。歴史と自然、リゾート気分を同時に満喫できる。
コトル旧市街の中心に位置する聖トリプン大聖堂は、1166年に建てられたモンテネグロの宗教的シンボルで、ロマネスク様式の美しい外観が特徴だ。塔以外の部分は創建当時の姿をとどめているが、内部は過去2回の地震の被害を受けて改修されている。大聖堂のフレスコ画、内部のアーチや彫刻は、芸術的にも評価が高いので必見。また、内部には中世のコレクションの展示もある。コトルの海と山に囲まれた美しい景観のなかで、一層その価値を高めている。
アドリア海の小さな岩礁の上に建つ岩礁の聖母教会は、ペラストの観光名所として多くの人々に愛されている。この教会は、海上の人工島にあり、船でしかアクセスできないユニークな立地。ここで聖母マリアのイコンが発見されたという伝説にちなみ、地元の船乗りが航海を終えるたびに岩をひとつ沈め、島にしたのだという。教会内には、博物館が併設されており、人々から寄進された品物や歴史的な絵画の展示もある。教会を囲む青い海と白い壁のコントラストも美しく、写真好きにとってはまさに理想的な撮影スポットだ。
ユネスコの世界遺産に登録されているドゥルミトル国立公園は、国内最大級の自然保護区として知られる。標高2500mを超える山々がそびえ、氷河によって削り取られた壮大な風景が広がっている。特に山の瞳と称されるツルノ湖は、透明度が高く、湖面に映る山々は息をのむほど美しい。ヨーロッパ最大の渓谷のひとつであるタラ渓谷があり、その深さは最大で約1300m。公園内には多くのハイキングコースがあり、夏は緑豊かな自然、冬は雪景色が広がり、季節ごとに異なる楽しみがある。
モンテネグロの歴史的中心地ツェティニエにある修道院は、15世紀末に建立されたが、その後戦争などにより幾度も破壊され、18世紀に現在の姿になった。その歴史と重要性は建立当時と変わらず、訪れる者を神聖な雰囲気にいざなう。修道院の内部も美しく保存されており、美しいイコン(聖画像)が目を引く。聖遺物も納められており、特に、洗礼者ヨハネの右手、真十字架の断片などが有名。修道院はロヴチェン山の麓に位置しており、歴史と自然が融合した風景が魅力だ。
ツェティニエの中心部に位置するモンテネグロ国立博物館は、歴史や文化を今に伝える重要な施設だ。ここは、複数の部門と博物館から構成されており、歴史部門、美術部門、ニコラ王博物館、民族学博物館、ビリャルダなどがある。内部には考古学的コレクションや歴代の王朝にまつわる美術品など、モンテネグロが誇る文化遺産が展示されている。また、モンテネグロの独立とその後の歴史も深く知ることができる。建物自体も歴史的価値が高く、美しいファサードが印象的。博物館の敷地内には美しい庭園もあり、散策も楽しい。
コトルの旧市街を囲む城壁は、モンテネグロで最も印象的な建造物のひとつ。険しい山の斜面を利用して築かれた城壁は、9世紀に建設が始まり、その後数世紀にわたって拡張・強化されてきた。全長4.5km、高さは最高20mにも達する。城壁の上を歩けばコトル湾と旧市街の全景が一望でき、圧巻のひと言だ。コトルの旧市街と要塞は1979年にユネスコ世界文化遺産に登録されており、国際的にもその価値が認められている。特に城門や砦、塔、兵舎、弾薬庫などを見ると歴史を感じるだろう。
コトルの旧市街には、モンテネグロの航海史を展示する海洋博物館がある。バロック様式の邸宅を博物館として使用しており、14~20世紀の船舶模型、航海器具、帆船などが展示されている。海洋国家としてのモンテネグロの歴史が鮮明に描かれており、16~18世紀におけるコトルでの重要な海事時代を中心に、12世紀のボカ地方の航海に関する最古の文書のコピーなども保管、展示されている。コトルの歴史をより深く理解するのに役立つ場所だ。
モンテネグロは、自然のなかに歴史的建造物や人々の暮らしが溶け込み、独自の魅力にあふれている。コトルやブドヴァの旧市街を訪ねれば、中世から続く町並みを感じながら、散策を楽しむことができる。国立公園では雄大な自然に囲まれたアクティビティが充実しており、壮麗な修道院や大聖堂を訪ねればまた違った感動をもたらしてくれるはず。訪れるエリアによってさまざまな経験をすることができるので、飽きがこない。多様な魅力をもつモンテネグロでは、歴史と自然が融合するすばらしい体験が待っている。