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フランス南部に位置するマルセイユは、豊かな歴史と文化が交錯する港町。地中海に面したこの都市は、数々の見所に恵まれ、訪れる者を魅了してやまない。古代から続く歴史の痕跡を辿るもよし、現代アートに触れるもよし、美しい自然を堪能するもよし。マルセイユの観光スポットには、訪れる人々を飽きさせない多彩な魅力が詰まっている。本記事では、マルセイユで特におすすめの観光スポットを厳選して紹介する。新旧の文化が融合したこの町の魅力を、ぜひあなたも体感してみてほしい。
マルセイユの高台にそびえるノートルダム・ド・ラ・ギャルドは、まさにこの町の象徴と言える場所だ。ここから眺める地中海の絶景は、1度見たら忘れられないだろう。19世紀に建てられたこのバジリカ聖堂は、ビザンチン様式の豪華な装飾が施されている。また、内部には船乗りたちが捧げた奉納品が並び、マルセイユが長い間、海と密接な関係を持ち続けてきたことを感じさせる。訪れる際には、ぜひ聖堂内をじっくり見学し、歴史の深さを堪能してほしい。
地中海に浮かぶ小島に立つイフ城は、かつて要塞として、そして監獄として利用された歴史的な建造物だ。『モンテ・クリスト伯』の舞台としても有名で、文豪アレクサンドル・デュマのファンにはたまらない場所だろう。城内では、過去の囚人たちの過酷な生活を垣間見ることができ、当時の歴史を肌で感じることができる。フェリーでアクセスするこの島は、マルセイユからの短い船旅も楽しめ、海風を感じながら歴史散策ができる絶好のスポットだ。
地中海世界の文化と歴史を深く掘り下げた展示で知られるMuCEMは、現代的な建築と伝統が見事に融合した博物館だ。アルジェリア生まれの建築家リュディ・リチオッティにより設計された、細かな網目模様の外壁はコンクリートなのにとても繊細。博物館は、海と港を見渡す絶好のロケーションにあり、そのデザインも訪れる者を驚かせる。建物の屋上からは、マルセイユの港と海の壮大な景色が広がり、観光の合間にひと息つくのにも最適なスポット。
マルセイユの中心に位置する旧港は、町の歴史の心臓部だ。紀元前600年にフォカイア人が築いたこの港は、現在でも多くの船が行き交い、活気にあふれている。周囲には新鮮な魚介類を提供するレストランやカフェが立ち並び、地元の人々や観光客でにぎわう。特に朝市は新鮮な魚が並び、海の恵みを堪能できる場として人気だ。また、旧港からはイフ城やフリウル島へのフェリーが出航しており、短い船旅を楽しむことができるのも魅力のひとつ。
ロンシャン宮は、マルセイユの歴史的建造物の中でもひと際目を引く存在だ。19世紀に建てられたこの壮麗な宮殿は、広大な庭園と共に訪れる者を圧倒し、旧港周辺とは雰囲気が変わって優雅な気分に浸れるだろう。宮殿内にはマルセイユ美術館が併設されており、フランス絵画の名作や古代彫刻が展示されている。特に庭園内にある美しい噴水は、かつて貯水所とされていたことを思い起こさせる。
マルセイユで最も古い宗教建築のひとつであるサン・ヴィクトール修道院は、4世紀に創建され、その歴史を感じさせる静謐な雰囲気が漂う場所だ。石造りの堅牢な外観と、内部の荘厳な雰囲気が訪れる者を圧倒する。地下のクリプトには、古代ローマ時代の遺構や初期キリスト教の遺物が残されており、歴史好きにはたまらない見所が多い。礼者が訪れる。観光の合間に静かな時間を過ごしたいなら、サン・ヴィクトール修道院は最適の場所だろう。歴史の重みを感じながら、静寂の中で心を癒すことができる。
ヴィエイユ・シャリテは、かつて救貧院として17世紀末~18世紀にかけて建設された歴史ある建物だ。現在では美術館や文化施設として利用され、そのうちの地中海考古学博物館では古代エジプト彫刻のコレクションではルーブルに次ぐ充実度を誇る。石造りの建物が放つ歴史の重みと、展示されているアートの斬新さが絶妙にマッチしている。ヴィエイユ・シャリテのあるバニエ地区はかつての漁師たちの居住地区で、なんとなくフランスらしさが薄い猥雑な雰囲気を楽しんでほしい。
マルセイユの中心に位置するカンティーニ美術館は、現代アートの宝庫だ。20世紀以降のアーティストによる作品が数多く展示され、特にピカソやミロといった巨匠の作品に出合える。シニャック、ココシュカが描いたマルセイユ港の風景など、粒よりの作品も観られる。
マルセイユ歴史博物館は、紀元前600年に遡る古代の港町マッシリア時代から、現代にいたるまでの膨大な展示物を誇る。特に、港の遺跡や古代船の復元模型など、海と密接に結びついたマルセイユの歴史が色濃く反映された展示は圧巻だ。子供から大人まで楽しめるインタラクティブな展示も充実しており、家族連れにもおすすめ。また、博物館が位置する場所自体が考古学的な発掘現場であり、歴史の深さを直に感じられるのも魅力のひとつ。
20世紀最大の建築家ル・コルビュジエが設計したシテ・ラディユーズは、マルセイユにおけるモダニズム建築の象徴的な存在だ。1950年代に竣工した17階建て巨大な建物は、都市生活の革新的なモデルとして知られており、住宅、学校、レストラン、商店などが一体となった複合施設だ。内部は一般公開されており、建築好きにとっては必見のスポットだ。また、屋上テラスからはマルセイユの町並みと地中海を一望でき、建物の設計理念を体感できる。
マルセイユは、その多彩な観光スポットを通じて訪れる者に地中海の魅力を存分に味わせてくれる。旧港では地中海の新鮮な風を感じ、ノートルダム・ド・ラ・ギャルドからは壮大な景色を眺める。イフ城で歴史の一端に触れ、MuCEMでは地中海の多様な文化を学ぶことができる。観光を通じて、この港町の奥深い魅力をじっくりと味わってみてほしい。