キーワードで検索
ストラスブールは、フランスとドイツの文化が交錯するユニークな町だ。古い町並みが残る中世の雰囲気と、現代的なエネルギーが見事に調和している。町の象徴であるノートルダム大聖堂や、絵本のような風景が広がるプティット・フランスなど、訪れるべきスポットが数多く点在する。歴史を感じさせる建物や、美術館、博物館を巡りながら、ストラスブールの多彩な魅力を存分に味わうことができるだろう。この記事では、そんなストラスブールの観光スポットを5ヵ所厳選し、それぞれの見どころを紹介する。
ストラスブールの町を象徴するノートルダム大聖堂は、息をのむようなゴシック建築の傑作だ。13世紀に着工され完成までに約400年を要したこの大聖堂は、その圧倒的なスケールと精緻な彫刻で訪れる人々を魅了してやまない。特に高さ142メートルの尖塔は、かつて世界一高い建物として知られ、現在でもその威容を誇っている。少しピンクがかった外観は、ヴォージュ山の赤砂岩が使われているため。「石のレース編み」といわれるほどの繊細な透かし細工が表面を覆い、大聖堂の荘厳さを際立てている。
運河が縦横に走るエリア、プティット・フランス。まるで絵本から飛び出してきたような木組みの家々が並び、かわいらしい。柱や梁などの骨組みを木材で作る「コロンバージュ」という構造はドイツに多いが、ふたつの文化が交じり合うこの地域では多く見られる。ここはかつて皮なめし職人たちが住んでいた場所であり、現在でもその歴史的な雰囲気が色濃く残っている。クルーズ船に乗って運河を巡るのもおすすめだ。夜には街灯に照らされた建物が水面に映り、ロマンチックな雰囲気が漂う。
ストラスブールの中心部にあるロアン宮は、フランスの貴族文化を今に伝える壮麗な宮殿だ。18世紀に建てられたこの建物は、ストラスブール司教ロアンの住居として使用されていたが、現在では美術館や博物館として一般に公開されている。内部には、貴族の豪華な暮らしぶりを感じさせる調度品や、歴代のフランス王室が愛した絵画や工芸品が展示されている。1770年にマリー・アントワネットがフランスに来て最初に宿泊した場所でもある。
アルザス博物館は、この地域の伝統的な生活様式や文化を深く知ることができる場所だ。アルザス地方の農村生活が再現された展示は、民俗学の観点から非常に興味深い。館内には、当時の家庭で使われていた家具や食器、衣装などが展示され、訪れる人々にアルザスの暮らしぶりを鮮明に伝えている。特に、古い木組みの家の中に作られたこの博物館は、歩いているだけで時代を遡ったかのような感覚に陥る。
現代美術館は、世界中の現代アートを展示する洗練された文化施設だ。透明なガラスを多用した建物自体が、現代建築の美しさを象徴しており、その内部には19世紀から21世紀にかけての現代美術作品が数多く展示されている。。美術館はイル川沿いに位置しており、訪れた際にはその周辺を散策するのもおすすめ。川の流れに沿って美しい町並みが広がり、現代アートの感性とストラスブールの歴史的風景が調和する瞬間を楽しむことができる。
ストラスブールは、歴史と現代が絶妙に融合した都市だ。ノートルダム大聖堂の壮麗な姿からプティット・フランスのかわいらしい風景まで、この町にはさまざまな顔がある。歴史的な建物や文化施設だけでなく、地元の美味しい料理や温かい人々との出会いも、ストラスブールの魅力の一部だ。この町を訪れれば、誰もがその独特の雰囲気に魅了され、また訪れたいと思うだろう。