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北アフリカに位置するチュニジアは、カルタゴの遺跡や広大なサハラ砂漠、地中海に面した美しいビーチなど、歴史や自然が魅力の国。今回は、そんなチュニジアで特に外せない観光スポットを10ヵ所厳選して紹介する。チュニジアでしか味わえない体験を求めるなら、ぜひ参考にしてみてほしい。
ドゥーズは「サハラ砂漠への玄関口」として知られており、広大な砂漠が広がる場所だ。砂漠の町としての歴史は古く、ノマド(遊牧民)たちが暮らしていた名残が感じられる。ここでのアクティビティの目玉は、何といってもラクダに乗って砂漠を進むキャメルライド。ドゥーズ周辺にはラクダ乗り場が点在しており、特に最大規模の「ペガス」には、400頭以上のラクダが集まる。ツアーも開催されているので、参加する場合は事前に予約しておこう。
チュニスの旧市街、メディナにたたずむグランド・モスクは、チュニジア国内で2番目に古く広大なモスク。698年頃に建設が始まり、9世紀半ばに完成したという。昔は周辺にオリーブの木が多くあったとされ、「オリーブモスク」とも呼ばれている。旅行者でも特定の時間帯なら中庭を見学することが可能で、伝統的なイスラム建築の美しさを堪能できる。
チュニジア南部に広がるマトマタ周辺には、ベルベル人によって築かれた独特の穴居住宅が点在する。これらは、地面を掘り下げた後に内部を住居空間として利用されたも。外部からはほとんど見えないため、外敵から身を守るための工夫でもあった。映画『スター・ウォーズ』のロケ地としても知られ、映画ファンにとっては聖地ともいえるスポットだ。
ラ・グリバのシナゴーグは、チュニジア南部のジェルバ島にある北アフリカで最も古いユダヤ教の礼拝所。ジェルバ島は地中海に浮かぶチュニジア最大の島で、古くからユダヤ教徒のコミュニティが存在している。ここには毎年多くの巡礼者や観光客が訪れている。シナゴーグ内にはトーラ(律法書)が安置されており、祭りの時期になると外に出される。
トズールは、チュニジア南西部に位置するオアシス都市で、豊かなナツメヤシの森が広がるエリアとして有名だ。約35万本ものナツメヤシが生い茂り、砂漠の中でその緑がひときわ目を引く。カレーシュと呼ばれる馬車ツアーに乗りながら、オアシスを巡るのも楽しい。また、ル・パラディ動物園や、オアシスの仕組みやトズールの文化を解説するエデン・パルムなどの施設もあり、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっている。
スースの旧市街に位置するスーク・エル・リッバ通りは、メディナの商店街の一角。周辺には観光客向けの土産物店やカフェ、小さなレストランが軒を連ねており、中世のにぎやかなバザールを彷彿させる。通りの途中には11世紀のフォンドック様式の建物「エル・コッバ」があり、現在は民族博物館として公開されている。
カルタゴの遺跡は広範囲に点在している。そのなかでもトフェは、古代カルタゴ時代の宗教的な聖域。古代カルタゴ人が幼児を神に捧げる儀式を執り行っていたと伝えられており、実際に骨壷が多く発見されている。いけにえの儀式は神への祈願や都市の繁栄を願うために行われたとされ、古代ギリシャ・ローマの文献にも「野蛮な習慣であった」として記録が残っている。
ハマメットのメディナ(旧市街)は904年に建設され、1236年に現在の大きさに拡張されたとされる歴史あるエリア。チュニスやスースのメディナと比べると規模は小さいものの、白壁の家々と青い扉が並ぶ迷路のような風景が美しい。狭い路地を歩きながら、カフェやショップ、ギャラリーなどを散策してみよう。地中海に近いため、散策の途中で海風を感じながらリラックスするのもおすすめだ。
イシュケウル国立公園は、チュニスから北西に約70kmの場所にあり、1980年に世界遺産に登録されたチュニジアで最も有名な自然保護区。約126平方キロメートルのエリアにイシュケウル湖と湿地が広がり、渡り鳥が集まる生態の宝庫として知られている。特に11・3・4月頃になると、運がよければピンクのフラミンゴが水辺に集まる姿を見られる。ただし近年は周辺の環境破壊が進み、生息環境の悪化が懸念されている。
クサールとは、ベルベル人の伝統的な穀物倉庫のこと。砂漠の中で穀物を保存するために建てられたもので、独特の建築様式が目を引く。特に、チュニジア南部のタタウィンにあるウレド・スルタンのクサールは、保存状態のよさから多くの観光客が訪れるスポットとなっている。高い塔のような形状の倉庫が集まる風景は、まるで異世界に迷い込んだかのようだ。
チュニジアには砂漠の冒険から歴史的な建築、伝統文化まで、見どころが満載。迷路のような旧市街の散策や、壮大な自然を感じられるオアシスの町巡りなど、アフリカの旅を存分に楽しめるエリアが豊富にある。ぜひチュニジアを訪れ、ここでしか味わえない貴重な体験と文化に触れてみてほしい。