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A26 地球の歩き方 チェコ ポーランド スロヴァキア 2025~2026
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主人公は性格が正反対のいとこデヴィッドとベンジー。亡くなった最愛の祖母を偲ぶため、ポーランドのマイダネク(※)へ向かうふたりの珍道中と参加したツアーで出会った人々とのふれあいを描いた作品です。それぞれが笑顔の裏側に秘めている“リアル・ペイン(本当の痛み”に向き合いながら旅する様子をユーモアを交えながらもエモーショナルに描き、観る者の心を揺さぶります。
マイダネク…ナチス・ドイツが設置した強制収容所のひとつ。現在は跡地として見学が可能。
ニューヨークのブルックリンに妻と子供と住むデヴィッドは、華やかさはないものの安定したIT業界で働き、周りから見るといわゆる“地に足が付いている”ように見えるキャラクター。一方のベンジーは自由奔放で周りの人を魅了しますが、どこか危うさを感じさせ、アンバランスな一面もあるキャラクターです。ともに40代を迎え、性格が正反対のふたりですが、実はかつて兄弟同然に育ったいとこ同士。近年は疎遠になっていましたが、亡くなった最愛の祖母を偲ぶため数年ぶりに再会。一緒に彼女の故郷ポーランドへ旅することとなります。
ポーランドではツアーに参加し、途中いくつかの場所を訪れながら最終目的地のマイダネクを目指しますが、対象的なふたりのキャラクターも相まって時に騒動を起こしながらの破天荒な旅路となります。
そんなふたりとともにツアーをともにする参加者も個性派ぞろい。一見すると平穏な日常を過ごす彼らも他者には見せないさまざまなリアル・ペインを抱えて生きています。
負の歴史を学びながら関連遺産を巡るツアーで参加者たちが得たものとは? 作中ではショパンの名曲に彩られたポーランドの美しい景色が登場し、複雑な人間模様を繊細に描きます。凸凹コンビならではのテンポの良いストーリー展開も見逃せません。
ルブリン郊外にあるマイダネクには1944年に世界で初めてナチス・ドイツの強制収容所の博物館として公開された「マイグネク強制収容所跡」があります。アウシュヴィッツと比較しても規模の大きい強制収容所で、実際に当時使用されていた焼却炉が完全な形で残されているほか、監視塔や囚人が収容されていたバラックがあり独特の雰囲気を醸し出しています。焼却炉の左側には大きな霊廟があり、悲惨な歴史と同じ過ちを絶対に繰り返してはいけないというメッセージを世界中から訪れる人々に発信し続けています。
チェコ、ポーランド、スロヴァキアを詳しく紹介したガイド。円安でもお得に旅するポイントや、最新のホテルから伝統的なレストラン、ビアホールまで、徹底取材をもとにおすすめの「見る」「食べる」「買う」「泊まる」ための物件を掲載。歴史や文化、人物、暮らしなどのコラムも満載し、旅の周辺情報もバッチリ。これ1冊で3ヵ国の旅は怖いものなし。