
フランス隠れ推しスポット【1】大西洋を望む港町レ・サーブル・ドロンヌ
2025.2.10
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「フランスの隠れ推しスポット」後編は、レ・サーブル・ドロンヌから車で約1時間半の小さな島、ノワールムティエ島(île de Noirmoutier)。毎年2月頃には島中にミモザが咲き誇ることから「ミモザの島」と呼ばれることも。
夏はバカンスに訪れる観光客でにぎわうものの、通常は人口約9000人の海と塩田そしてミモザの木に囲まれた、のどかで静かな美しい島。約80kmにおよぶ自転車専用道が設けられ、島中をサイクリングしながら観光できます!
ノワールムティエでは自転車での観光を推奨しているということもあり、島内にはレンタル自転車のお店や、ホテルで自転車を貸し出しているところも多数。
Les Vélos de Paul(レ・ヴェロ・ド・ポール)は、島を代表する風光明媚な海岸Plage des Damesから近く、黄緑色のキュートな電動自転車をレンタルできます。
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Les Vélos de Paul(レ・ヴェロ・ド・ポール)
料金 電動自転車 半日€20~
定休日 火曜(11月中旬から1月末まで冬季休業。7・8月は無休)
URL https://lesvelosdepaul.com/
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この島で最も有名なのは、Passage du Gois(パッサージュ・デュ・ゴワ)。フランス本土と島をつなぐ約4kmのこの道は、1日2回干潮時のみ姿を現します。1999年、2011年、2018年には自転車レース「ツール・ド・フランス」のコースに採用されたことでも話題になりました。
干潮の前後1時間は車・歩行者ともに道を渡ることができますが、通行が管理されているわけではないので、道が沈む前に戻って来られるよう要注意!
天候により、通行が難しい場合もあるので、下記観光局のサイトをチェックしてから行くのがおすすめです。
間に合わなかったら、道の脇にある鉄塔に登って救助を待つのみ(そうならないように十分気をつけて……)。観光局の方いわく、塔は古くてグラグラと揺れて不安定だそう。怖い。
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Passage du Gois(パッサージュ・デュ・ゴワ)
観光局公式サイト
https://www.ile-noirmoutier.com/en/tides-and-weather
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ノワールムティエ城は、フランス西部で最も保存状態のよいロマネスク様式の城のひとつ。 城内は博物館になっており、1階では島の歴史を辿る常設展、2・3階では特別展を開催。 屋上まで階段で上ると、オレンジ色の屋根が連なる島の景色が見渡せます!
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Musée du château(城の博物館/ノワールムティエ城)
定休日 金曜(現在冬季休業中。2025年の営業開始はHPにて確認)
入場料 大人€8
URL https://www.ville-noirmoutier.fr/expositions-au-chateau/
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島では、曜日ごとに異なる場所でマルシェを開催。
ノワール・ムティエ城から自転車で2分のMarché de Noirmoutier en l’Ile(ノワール・ムティエ アン・リル市場)は、場内だけでなく屋外の広場にもお店が軒を連ね、食品はもちろん衣服も販売しています。
巨大なカゴにどさっと積まれた野菜や、アニメに出てきそうな穴あきチーズなど、日本のスーパーでは見かけない食品が多く、異国情緒が感じられて楽しい……!
小さな子供を連れた家族から大きなわんこまで(大型犬を連れている人がとても多かった!)大勢の買い物客でにぎわっていました。
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Marché de Noirmoutier en l’Ile(ノワール・ムティエ アン・リル市場)
住所 Place de la République 85330 Noirmoutier en l’Ile
毎週金曜開催
URL https://www.ile-noirmoutier.com/fr/les-marches-de-lile-de-noirmoutier
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塩造りが盛んなノワール・ムティエは、独立系の製塩家が多数。塩田が続く一帯にぽつんと佇むのはMarais de Bonne Pogne(マレ・ドゥ・ボン・ポーニュ)の直売所。
店頭では、周囲の塩田で採れた塩やフルール・ド・セル(フランス語で“塩の花”。海水の表面で結晶化した塩のみを採取した希少なフレーク状の塩)、オリジナル配合のフレーバーソルトを販売しており、おみやげにもぴったり。普段の料理や塩の使用用途に合わせておすすめの塩を教えてくれます。「あまり料理はしないんです……」と話すと、野菜にふりかけるだけでおいしいという、パプリカペーストの入ったフレーバーソルトをおすすめしてくれました!
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Marais de Bonne Pogne(マレ・ドゥ・ボン・ポーニュ)
住所Route de Noirmoutier 85740 L’Epine
定休日 12~3月冬季休業
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海に囲まれているノワール・ムティエでは、もちろんおいしい海鮮が食べられます! Le Bouclard les petits bassets(ル・ブークラール・レ・プティ・バセ)は牡蠣の養殖所が営むオイスターバーで、2024年にオープンしたばかり。
視界を遮るものがない、開放的なテラス席で食べるとおいしさも倍増!肌寒い時はブランケットを貸してもらえます。写真のように立派なシーフードの盛り合わせもありますが、シンプルに牡蠣とお酒でサクッと楽しむのももちろんOK。
席は屋外のみなので営業期間は4~10月。夏は大人気なので、公式サイトで予約していくのがおすすめです。
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Le Bouclard les petits bassets(ル・ブークラール・レ・プティ・バセ)
住所 Chemin des Places, 85680 La Guérinière
URL https://lespetitsbassets.fr/
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Restaurant le 11(レストラン・ル・オンズ)の店内の壁にはメニュー?と思いきや、ただ陽気なメッセージが書かれているボードやポスターがたくさん掲示され、棚にも所狭しと雑貨やおもちゃが。この、おしゃれだけど脈絡のないインテリアに「人ん家」感があふれており、座っているだけで大変楽しくほっこりします。
大きなテーブルも多く、家族で来ているお客さんが多め。隣の席では、お店に置いてあるボードゲームで盛り上がっていました。
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Restaurant le 11(レストラン・ル・オンズ)
住所 11 quai Cassard, 85330 Noirmoutier en l’Ile
定休日 水曜
URL https://le11denoirmoutier.com/
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海岸からすぐの場所にあるChez Patacol(シェ・パタコー)は、海沿いのビストロらしくブルーを基調にしながらも、随所に木材が使われており、ぬくもりが感じられる空間。
フランス発のレストラン・ガイド『 Gault & Millau(ゴ・エ・ミヨ)』や旅行ガイド『 Le Routard (ル・ルター)』にも掲載されています。
地元の旬の食材をメインに使った料理は地元の人からも愛されており、平日でもお客さんが絶えません。
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Chez Patacol(シェ・パタコー)
住所 6 Rue Centrale, 85680 La Guérinière
定休日 火曜はディナー休み
URL https://www.chez-patacol-restaurant-la-gueriniere.fr/
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日中サイクリングをするのなら、朝ごはんはしっかり食べておきたい!
Hôtel La Chaize(ホテル・ラ・シェーズ)なら、種類豊富な自家製のパンや焼き菓子が朝からたっぷり食べられます。早起きが苦手な筆者を7時起きで朝ごはんへと駆り立てるおいしさ。毎朝がパン祭りの幸せな滞在ができます。
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Hôtel La Chaize(ホテル・ラ・シェーズ)
住所 23 avenue de la Victoire, 85330 Noirmoutier en l’Ile
料金 1名~2名向けの部屋 €64~/泊
URL https://www.hotel-noirmoutier.com/
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ノワール・ムティエ島で一番人気なビーチは、島東部にあるPlage des Dames(プラージュ・デュ・ダム)。しかし、海に囲まれた島には、他にもビーチがたくさん!
おすすめの場所をたくさん紹介しましたが、ノワール・ムティエ島の一番の楽しみ方は、目的地を決めず、気の向くままにサイクリングをしながら、自分だけのお気に入りスポットを見つけることかもしれません。
ほかの人にもおすすめしたいすてきな場所を発見したら、ぜひ「地球の歩き方」にご投稿を!
【車の場合】
ナント空港またはレ・サーブル・ドロンヌから車で約1時間半
【バスの場合】
パリのモンパルナス駅(Gare Paris-Montparnasse)からナント (Nantes)までTGVで約2時間、
ナント駅南口よりノワールムティエまでのバスで約1時間40分。
パリからノワールムティエまで列車とバスの通しの乗車券がフランス国鉄(SNCF)のサイトwww.sncf-connect.comで購入できる。
社会人になって以来、旅行をするとなると「限られた日数でいかに有益な体験をするか」を重視するあまり、ミッションをこなすような過密スケジュールを立ててしまいがちでした。しかし、今回ご紹介したヴァンデ県のふたつのエリアは、世界遺産もなく、行列必至の人気店があるわけでもなく、正直に言うなら旅先としては「地味」な場所。だからこそ、ただ海沿いを散歩したり、あてもなく自転車に乗ったり、カフェでのんびり過ごしたり……「遠くに行って特別なことはしない」という贅沢な旅の楽しさに気づかされました。社員として大きな声では言えませんが、これからはあえて地球の歩き方に「載っていない」エリアを狙って旅するのもおもしろそう……!(でもでも!地球の歩き方フランス版、大変役立つ一冊です!)