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フランス隠れ推しスポット【1】大西洋を望む港町レ・サーブル・ドロンヌ

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2025年2月10日
公開日
2025年2月10日

今月21日に発売する「地球の歩き方フランス2025~26」。今回も旅に役立つ情報とフランス各地の魅力を詰め込みましたが(充実の560ページ!)、残念ながら載せきれなかった場所も多数。そこで、ガイド本編では未掲載ながら編集部が実際に訪れておすすめしたくなった“隠れ推しスポット”をご紹介します! 

 

日本ではまだ知られていない!フランス西部の港町

フランスで「海沿いの町というと、ニースやマルセイユなど南仏の町 思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実はフランス西部ヴァンデ(Vendée)県にも、大西洋を望む美しい港レ・サーブル・ドロンヌ(Les Sables-d’Olonneがあるのです! 

この町が誇る最大のイベントは、4年に1度開催される「世界一過酷」なヨットの世界大会「ヴァンデ・グローブ」港にはヨットが集結し、レーススタート1ヵ月前から大会特設エリアが設けられ、町全体が大会ムード一色に。昨年11月10日に第10回大会が開幕し日本からは白石康次郎さんが出場。スタートから90日、フランス時間の2月9日10時36分(日本時間の18時36分)に24位で見事ゴールを果たしました!大会開催前の町の様子と白石さんのインタビュー)

レースに向けてヨットが集結した港

そんなレ・サーブル・ドロンヌは、フランスや近隣の欧州では夏のバカンス先として知られているものの、日本はもちろんアジア圏でもマイナーな地域。世界中から観光客が訪れる南仏よりも落ち着きがあり、ローカルなフランスをじっくり味わえるのがおすすめポイントです。筆者が現地を訪れたのは10月下旬でしたが、気温は10~20℃。夜は冷えるものの、日中は晴れていれば薄手の上着でOK。町歩きにちょうどいい、過ごしやすい気候も魅力です。 

 

意外と好アクセスなレ・サーブル・ドロンヌ

「隠れ推しスポット」と言えど、パリ・モンパルナス駅から直通の TGV(高速列車)がでています。ロワール地方の「現代アートの町」ことナントからもアクセス良好なので(ナントはガイドに掲載)パリ→ナント→レ・サーブル・ドロンヌ、と徐々に西へと旅するコースを組めば、充実のフランス西部ツアーに!(詳細なアクセスはページ最下部へ)

まずは海沿いをお散歩

・サーブル・ドロンヌに着いたら、まずはビーチへ!レ・サーブル・ドロンヌ駅から歩いて行けるビーチ La Grande Plage(ラ・グラン・プラージュ)では、水着姿で砂浜を走り回る子供からピクニックシートを敷いてのんびり過ごす大人たちまで、人々が思いおもに過ごしています。ビーチに面した大通りの歩道は広々として歩きやすく、ただ海沿いを歩くだけでも気持ちいい…… 

朝の散歩にぴったり!と思い、翌朝8時頃再び海岸に向かうとあたりはまだ暗く朝もやに包まれた静かな海がられました。ひとりで歩いていても特に危険や不安は感じず、治安のさはフランス随一かもしれません。波と教会の鐘の音だけが聞こえる、少し神秘的な異国情緒に浸れる朝のひとときでした。 

  • 10月の朝8時過ぎの静かな朝の海沿い
  • 牧歌的な落書きからもわかる治安のよさ

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La Grande Plage(ラ・グラン・プラージュ) 

住所 Prom. de l’Amiral Lafargue, 85100 Les Sables-d’Olonne

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新鮮なシーフードを楽しむ

La Cotriade

海沿いの町に来たからには、もちろん新鮮なシーフードが食べたい!この海岸の近くで食事をするならLa Cotriade(ラ・コトリアード)がおすすめ。シーフードの盛り合わせから、海の幸をふんだんに使ったコースまでメニューが豊富。カジュアルにもスペシャルにも、その時の気分に合わせてシーフードを味わえます。スタッフの皆さんもとてもフレンドリー! 

シーフードはマヨネーズでいただく!(カニ・テナガエビ)

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La Cotriade (ラ・コトリアード) 

住所  18 Quai Emmanuel Garnier, 85100 Les Sables-d’Olonne 

定休日 1月は冬季休業。その他は月ごとに異なるためHPで要確認 

URL  https://restaurant-la-cotriade.com/  

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Les Barges

Les Barges(レ・バルジュ)では「これぞ港町!」なオーシャンビューを満喫しながら食事ができます。 

手づかみでいただくシーフードの盛り合わせから、海の幸を使った家庭料理も提供。広々とした店内には牡蠣や海産品を販売するショップも併設しており、料理の待ち時間や食事の後も楽しめます。 

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Les Barges(レ・バルジュ) 

住所  7 Rue du Bargeouri, 85100 Les Sables-d’Olonne

定休日 現在、店内改装のため一時閉業中。2025年4月にリニューアルオープン予定

URL https://les-barges.com/

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自然光が降り注ぐ美術館で、現代アートを堪能

現代アートの美術館Musée d’Art Moderne et Contemporain(近現代美術館)は、もとは修道院という質素な外観とは裏腹に、中へ入れば真っ白な壁と、自然光が差し込む明るく開放的な空間が広がっています。

10月末に訪れた際は、ヴァンデ・グローブの開催に合わせて、第1回大会の優勝者で、現在はアーティストとして活動しているTitouan Lamazou色彩豊かな作品が展示されていました。 

座ってゆっくり鑑賞できるスペースも

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Musée d’Art Moderne et Contemporain(近現代美術館) 

住所  Rue de Verdun, 85100 Les Sables-d’Olonne

入場料 €5(18歳未満と毎月第一日曜日は全員無料)

定休日 月曜、1月1日、5月1日、12月25日

URL  https://www.lemasc.fr/en/

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貝殻に彩られた小道を散歩

ビーチからすぐのL’île Penotte(イル・プノット)という地区には、貝殻を使ってさまざまな生き物たちや町の景色を描いた壁面アートが。絵柄によってガラッと雰囲気が変わる通りを歩き回っていると、まるで絵本の中の世界に入り込んだかのような気分に。 

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L’île Penotte(イル・プノット) 

住所 5-7 Rue d’Assas, 85100 Les Sables-d’Olonne

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海の幸を詰め込んだキュートなおみやげ

レ・サーブル・ドロンヌ産のスープ、リエット、缶詰などを生産・販売するLa Sablaise(ラ・サブレーズ)の直営店は、みやげぴったりな商品がずらり 

オイル・サーディンの缶詰は絵柄の種類が豊富!

近隣で獲れた材料で作られた品々は、着色料や保存料を使用せず、環境にやさしい製法にこだわっています。製造には地元の人々が携わり、地域経済にも貢献しているのだとか。

  • 左からマグロのスモーク、リエット、マヨネーズ
  • 筆者が悩みぬいて選んだ缶詰

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Conserverie La Sablaise – Le Comptoir(缶詰工場ラ・サブレーズ 直営店)

住所  Parc Actilonne, All. Alain Gautier,Les Sables-d’Olonne 85340

定休日 日曜

URL https://lasablaise.fr/

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地元のワイナリーを訪ねて

家族経営のワイナリーDomaine Saint Nicolas(ドメーヌ・サン・二コラ)は、ていねいな説明と共に無料で試飲をさせてもらえます。(“飲めばおいしさがわかってもらえるから”とのこと)。フードとのペアリングや、ワイン畑の見学を含む有料のツアーも催行しているほか、ワインにまつわるベントも開催しているので、ワイン好きの方は公式HPを要チェック。 

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Domaine Saint Nicolas(ドメーヌ・サン・二コラ) 

住所  Les Clous 85340 L’Ile d’Olonne

定休日 日曜

URL https://www.domainesaintnicolas.com/

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カジュアルに美食を堪能

レ・サーブル・ドロンヌの食はシーフードだけにあらず各店のシェフが地元の食材をベースユニークな一品を提供してくれるお店をご紹介しますおいしいのに気軽にふらっと入れるあたたかな雰囲気のお店が多いのは、オープンマインド人々が集う港町だからこそ 

La Suite S’il Vous Plaît

夫婦でお店を営La Suite S’il Vous Plaît(ラ・スイット・シルブプレ)は、ミシュランガイド2024にも掲載季節ごとにメニューが一新されシェフの個性が光る斬新な組み合わせで、旬の味覚を楽しめます 

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La Suite S’il Vous Plaît(ラ・スイット・シルブプレ) 

住所  20 Bd Franklin Roosevelt, 85100 Les Sables-d’Olonne

定休日 日曜、月曜、(火曜はディナーのみ)

URL  https://lasuitesvp.com/

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Le LIEN

学生時代の友人2人でスタートしたLe LIEN(ル・リアン)ひと皿ごとに目の前で仕上げのソースをかけて提供。まさに「lien(=つながり)」という店名のとおり、ソースで多様な食材を「つなげて」味わえます。 

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Le LIEN(ル・リアン) 

住所  828 rue de la boule, Sainte-Foy

定休日 月曜、火曜

URL  https://www.restaurant-le-lien.com/

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絶好のロケーションにある洗練された4つ星ホテル

昨夏にオープンしたばかりのVERTIME(ヴェルテム)は、町の中心部から近く港が目の前に広がるロケーション抜群の4つ星ホテル。シンプル絶妙な色使いの内装がおしゃれで、インテリアの一つひとつにこだわりが感じられます。 

  • ©︎VERTIME Comfort Harbor Viewのお部屋
  • ©︎VERTIME

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VERTIME (ヴェルテム)

住所  10 Boulevard de l’Île Vertime, Les Sables-d’Olonne

料金 ダブルルーム €100~/泊

URL https://vertime-lessables.com/

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【ミニコラム】巡りめぐってこの町へ

そんなVERTIMEなんと日本人スタッフが日本人観光客がほとんど来ないこの町に一体どうして?と気になり、お話をうかがいました。 

ご出身は熊本県。旅行添乗員として働いていたときに「ニュージーランドのスタッフ募集」の張り紙にピンときて、迷うことなく申し込んだというまゆみさん。応募時点では英語は話せなかったそう!それでも現地で数年働き、帰国すると今度はマレーシアへ。 

その後も世界各地へ転勤を重ね、タヒチで現在のパートナーと出会って結婚。子育てを考えてフランスへ移住したそう。働きながら語学を身につけ、現在フランス在住17年に。 

ホテルスタッフとして働くかたわら日本語教師もされており「下は13歳から上は74歳まで。漫画や日本の文化に興味を持って習い始める方が多いです。最近は中高生が増えてきましたね」と、意外にも日本語の需要はじわじわと高まってきている模様。 

実際に暮らしているまゆみさんから見たレ・サーブル・ドロンヌとは?

「適度な田舎で暮らしやすいです。子供を育てるのにもいい環境で、やはり海が身近なので、子どもたちは昔からマリンスポーツに親しみがあります。学校の授業でも、小さい帆船に乗るんですよ!大人になった今でも、日が長い夏は友達同士で海辺に集まって、夜のピクニックをしてますね。」 

ニュージーランドに始まり、さまざまな国で暮らしてきたまゆみさん。

「ひとつ行くと、またひとつ。もっといろいろなところに行きたい!と欲は増すばかりで、世界を巡ってました(笑)子供たちにも、どんどん海外に行ってほしいなと思います。」 

レ・サーブル・ドロンヌへのアクセス

【飛行機を使う場合】 

・パリCDG空港ナント空港 約1時間 

・ナント空港レ・サーブル・ドロンヌ駅 

鉄道ナント駅からTER(ローカル電車)または車で約1時間半 

TGV(高速鉄道)を使う場合】 

パリ・モンパルナス駅(Gare Montparnasse)からレ・サーブル・ドロンヌ駅(Gare des Sables-d’Olonne)までTGVが運行。 

・直通列車の場合 

所要約3時間。 

・乗り継ぎがある場合 

パリ・モンパルナスナント(TGV)約2時間 

ナントレ・サーブル・ドロンヌ(TER)約1時間30分 

取材協力

ヴァンデ県観光局       

https://www.in-vendee.com/ 

レ・サーブル・ドロンヌ観光局 

https://www.lessablesdolonne.fr/ 

フランス観光開発機構          

https://www.france.fr/ja/ 

 

PHOTO・TEXT 髙見ひかり

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