キーワードで検索
全米屈指の観光地として人気のサンフランシスコ。IT産業の中心地であるシリコンバレーに隣接し、さまざまな分野で新しいものが生まれ続けている街でもある。なお、サンフランシスコと聞いて治安が気になる人も多いだろう。実際に街を歩いてみると必ずしもそうではないことが実感できる。いくつかの点に注意して、風光明媚なサンフランシスコを満喫してほしい。
今、最もサンフランシスコらしい体験が、自動運転タクシー「ウェイモ・ワンWAYMO ONE」の乗車だ。アプリで呼ぶと目の前に高級車ジャガーが到着し、スマフォをタッチするとドアロックが自動的に解除される。いうまでもなく、運転席は無人だ。車内にはBGMが流れ、シートベルト着用を促すアナウンスもある。走行はスムーズで、赤信号も早めに感知してゆっくりと停車する。カーブではウインカーが鳴り、誰もいないのにハンドルがくるくると回る。下手な運転よりはるかに乗り心地がいい。運転手不足に悩む今の日本にはうってつけのサービスだろう。なお、2024年秋現在、アプリのダウンロードにはアメリカの電話番号が必要。
ウェイモ・ワン WAYMO ONEの詳細情報
車社会アメリカで、公共の交通機関が発達する数少ない街のひとつがサンフランシスコだ。名物のケーブルカーをはじめとして、ダウンタウンと空港や郊外を結ぶ高速鉄道のバート、市内を縦横無尽に走るバスやトラムなど、中心部を歩けばさまざまな交通が走っているのを目の当たりにするだろう。それらの市内交通と全米を網羅するグレイハウンド、近郊の街とサンフランシスコを結ぶバスを集結させた巨大ターミナルがセールスフォース・トランジットセンターSalesforce Transit Centerだ。将来はロスアンゼルスとサンフランシスコを結ぶ超高速鉄道の乗り入れ予定もあるという。その4階建てターミナルの屋上に、1万6000を超える植物や樹木が植えられた植物園のような、緑豊かな公園が広がる。セールスフォース公園Salesforce Parkだ。敷地内には1周約1キロの遊歩道があり、ベンチも豊富。芝生広場もあるからゴロ寝することもできる。椅子とテーブルが置かれた中央広場には歓談する市民もいて、実に平和的。下に巨大バスターミナルがあるとは思えない別世界が広がっているのだ。先人たちが育んできた緑が次々に伐採される東京とは対照的に、行政も企業も積極的に緑化を推進する姿には頭が下がる。ぜひ、バスを降りたら公園にも足を運んで、都会のオアシスでリラックスしてほしい。
セールスフォース・トランジットセンターの詳細情報
セールスフォース公園の詳細情報
全米屈指のリベラルな街に、商業施設やアトラクションではない、誰もが楽しめる開放的な新名所が誕生した。プレシディオ・トンネル・トップスPresidio Tunnel Topsだ。かつての米軍基地を貫く高速道路を地下に移設し、その上に公園施設が造成された。約5万5500平方メートルを超える敷地は、遊具のあるプレイグラウンド、エリアの自然を解説した展示室、リクライニングチェアに座りながらゴールデン・ゲート・ブリッジを眺められるクリフウオークなど7つのエリアから構成され、市民はもちろん観光客など多くの老若男女でにぎわっている。特に週末にはバラエティに富んだフードトラックも現れて、ピニックにも最適。
プレシディオ・トンネル・トップス Presidio Tunnel Tops の詳細情報
2024年はロスアンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の活躍に終始したが、サンフランシスコでの大リーグ観戦もおすすめだ。その理由は球場までのアクセスのよさ。サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるオラクルパークは、ミュニメトロと呼ばれるトラムのTラインで中心部からわずか10分。Tラインはチャイナタウンからユニオンスクエアのある中心部を南下し、再開発で注目を浴びるミッションベイを結ぶトラムだ。
オラクルパークはライト側が海に面し、海に飛び込む場外ホームランは「スプラッシュヒット」と呼ばれ、往年のスター選手バリー・ボンズがスプラッシュヒットを量産したことでも知られる。ところで、ドジャースとジャイアンツは往年のライバル。ともにニューヨークにあったチームであり、どちらのスタジアムでも繰り広げられるヤジ合戦とすさまじい応援ぶりは、一見の価値がある。
また、Tラインで南下すると、NBAゴールデンステート・ウォリアーズの本拠地であるチェイスセンターもすぐ。ウォリアーズは史上最高の以シューターといわれるステフィン・カリーや、得点以外でトリプル・ダブルを達成した史上初のドレイモンド・グリーンらスター選手が揃う人気チームだ。大リーグは4〜9月、NBAは10月〜翌4月がシーズンとなっている。
オラクルパークの詳細情報
チェイスセンターの詳細情報
ミュニメトロとミュニバス
TEXT: 『地球の歩き方 ガイドブック B04 サンフランシスコとシリコンバレー2025年~2026年版』編集担当 山本玲子
PHOTO:(有)オフィス・オハナ、(有)地球堂
B04 地球の歩き方 サンフランシスコとシリコンバレー 2025~2026
サンノゼ サンタクララ スタンフォード ナパ&ソノマ
Bシリーズ(南北アメリカ) 地球の歩き方 海外
2025/01/16発売アメリカ西海岸の代表的な都市・サンフランシスコ。くまなく取材して、ビギナーもリピーターも満足の情報満載ガイドブック。
アメリカ西海岸の代表的な都市・サンフランシスコ。くまなく取材して、ビギナーもリピーターも満足の情報満載ガイドブック。