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2025年8月に発行予定の『地球の歩き方 静岡』。静岡県の全市区町の魅力を深掘りし、「静岡の旅事典」とすべく、鋭意取材中です。今回は静岡県の静岡市で地元の人が太鼓判を押すとっておきのスポットを、ベストなタイミングでフルに楽しむ方法を【朝・昼・夜】に分けてご紹介。レポート前編では静岡市ならではの至福のグルメスポットをご紹介します。レポート後編(絶景編)はこちら。
東京から新幹線に乗り1時間ほどで到着する静岡駅。駅に到着したら、朝早いうちに向かいたいのが、徳川家康が生前から墓所にすることを望んだ久能山東照宮がある久能エリア。ここは石垣を積み重ね、そのすき間に苗を植える伝統のいちごの石垣栽培で知られ、1月から5月(「いちご」と覚えるのがポイント!)のあいだ、いちご狩りが楽しめます。
朝イチでいちご農園に向かいたい理由……それは、一般的にいちご狩りで食べるいちごは暑いビニールハウスの中でぬるくなってしまうことが多いと思いますが、石垣栽培のいちご農園は風通しがよく、朝に近い時間帯ほど冷たいいちごが味わえるから。ちなみに石垣でいちごを育てられるのは日本でここ久能エリアだけなんだとか。太陽熱を蓄える石垣を利用し、太陽光と目の前の駿河湾からの反射光をたっぷり浴びて育った、甘みが凝縮された濃厚な味わいの品種「章姫(あきひめ)」などのいちごが楽しめます。暖房をほとんど使わないのでエコなのもポイント。
現在、20軒以上の石垣いちご農園があるといわれる久能地区ですが、訪問した「早川農園」は売店兼カフェでいちごパックの販売はもちろん、いちごパフェ(2300円)やいちごの食べ比べ(900円)が楽しめるので、いちご狩りをする時間がない人や気軽にいちごを楽しみたい人はこちらの利用もおすすめです。
ランチにおすすめのお店は、石垣いちご農園が並ぶ久能街道沿いにある、地元の人でいつも混み合っている「ファーマーズピッツェリアDON FARM」。農家直営レストランで、自社農園で収穫した「ここでしか食べられない」新鮮な野菜を生かした本格的なイタリア料理を提供しています。
マイルドな辛味と軟らかな肉質が特徴の、久能地区特産の「久能山葉しょうが」をはじめ、自社農園で取れた旬の野菜や新鮮な魚介類を使った料理の数々が楽しめます。ピザ生地の製法ひとつ取っても材料や手順にこだわり、自家製ドリンク、デザート類も充実。
ランチは2種類。ライトなAランチ(1925円)でも、前菜、スープ、メイン、ドリンクが付いて盛りだくさんの内容。メインはパスタひと皿、ピザなら本場ナポリのピザ窯で焼くピザが1枚で提供されるのがうれしい。明るい光が差す店内から、駿河湾の美しい海を眺めながら最高のランチタイムが楽しめます。
「イタリアンもいいけど、静岡に来たら、やっぱり海鮮が食べたい!」という人におすすめなのが、静岡駅から電車で約7分の場所にある用宗エリア。運搬船が漁場と港を往復することで、鮮度のよいシラスが水揚げされる場所ということで知られ、シラス丼をはじめとする海鮮料理が楽しめます。
用宗は地域性を生かしたモダンな店舗が増え、近年、注目されているエリアでもあります。そんな用宗のみなと横丁1階にある「しらす丼と海鮮の店 次郎丸」は、海産物の加工販売を手掛ける会社の直営店で、新鮮な海の幸と漁港の景色を存分に楽しめると人気です。
今回いただいたのは「おすすめ丼」(1300円)。自家製のまぐろすき身と近海で取れたタコ、そして釜揚げシラスと生シラスなどがたっぷりのった贅沢なひと品です。臭みゼロのフレッシュな海鮮と寿司飯専用の米を職人が炊き上げた寿司飯とが絶妙にマッチ。さらに小鉢や味噌汁が付いて、満足度の高いメニューです。
のどが渇いたら港周辺に整備された「用宗みなと温泉」周辺にあるタップルームと宿泊施設を併設したクラフトビール醸造所「West Coast Brewing」が運営する「The Villa & Barrel Lounge」へ。宿泊施設の客室にはなんとビアタップがあり、宿泊者限定ビールが10Lまで飲み放題なんだとか! 「最近用宗エリアがアツい」といろいろな人から聞いて気になっていたこのエリアですが、おさんぽが楽しい町の雰囲気に加えて、ビール好きには夢のような施設に心の底からアツくなりました。
用宗海岸沿いに歩いていくと静岡産のお茶やミカン、用宗のシラスなど静岡の食材を使用したフレーバーのジェラートを味わえるジェラートバー「LA PALETTE」や複合施設「HUT PARK用宗」など魅力的なスポットが点在。一棟貸しの宿「日本色」では棟ごとに個性あふれる古民家に宿泊できます。
「静岡らしいとっておきのディナーを楽しみたい」という旅行者におすすめなのが、接待や女子会などで地元の人に人気の店「お抹茶こんどうの食堂」。日本茶インストラクターの大将によるお店で、炉端焼きやおでん、とろろ汁などの和食や静岡のお酒、厳選された静岡茶のペアリングが楽しめるお店です。
昼の定食も人気ですが、おすすめは夜の「大将おまかせの6品コース」。このコースでは新鮮なお刺身やお肉料理、締めの焼きおにぎりなどが楽しめ、ひとり4015円とコスパも最高! ホテルのシェフなどの経歴豊富な大将の匠の技とセンスが光る逸品を楽しめます。
店内はカウンター席とテーブル席があり、グループはもちろん、ひとりでも気軽に立ち寄れます。大将はお茶と食に関する深い知識と情熱をもちあわせ、お茶の種類や入れ方、静岡食材との組み合わせなど、質問をすればさまざまなことを教えてくれるでしょう。店舗は静岡市の中心部に位置しており、周辺には駿府城公園や静岡市美術館などの観光スポットもたくさん。すぐそばにおでん横丁や青葉おでん街もあるので、はしご酒を楽しむのもおすすめです。
ちなみに出張や旅行で静岡市内にステイするなら「ホテルオーレ イン(静岡)」がおすすめ。快適な客室やサービス、天然温泉や旬の地元食材をたっぷり使った無料朝食バイキングで知られていますが、宿泊客にひそかに人気なのがこちらも無料で提供されるオリジナルカレーライス。夕食の時間帯に数量限定で提供され、「家のカレーみたいでおいしい!」「無料とは思えないクオリティ」と話題です。
雄大な富士山を眺めながら、朝から夜まで特別な体験を楽しめる静岡市。東京から新幹線で1時間とアクセスしやすく、ここでしか味わえない美しい自然や絶品グルメが楽しめるのが魅力です。静岡市はもちろん、静岡県の魅力は2025年8月に発行予定の『地球の歩き方 静岡』にも多数掲載予定です! お楽しみに。
三保松原や日本平など静岡市でしか体験できない景色を!ベストなタイミングでフルに楽しむ絶景編はこちら
PHOTO:PIXTA、地球の歩き方編集室