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旅先で体験してみたいのがその土地ならではの衣装。
ドバイに入国すると、まず空港で黒いローブをまとう女性や真っ白な衣装の男性の姿を目にし、思わず「アラブらしさ」を感じる人も多いのではないでしょうか。煌びやかなショッピングモールや街中でも、同じような民族衣装姿の人々がスマートフォンを手に商談をしたり、女子会やショッピングを楽しむ光景が日常に広がっています。
この民族衣装の背景を知り、実際に袖を通してみることで、ドバイの旅はぐっと奥深いものになること間違いなし。
今回は、ドバイの民族衣装「アバヤ」と「カンドゥーラ」について、購入できる場所や撮影におすすめスポットとあわせてご紹介します。
UAEを象徴する民族衣装は、女性が纏う黒の「アバヤ(Abaya)」、男性が纏う白の「カンドゥーラ(Kandura)」。今なお日常のなかに息づく伝統的な文化です。
女性が身にまとう黒いローブ「アバヤ」は、体のラインを隠すことで謙虚さを表すとされ、外出時には頭に巻くヒジャブ(スカーフ)と合わせて着用します。伝統的な黒一色のものが一般的ですが、近年では刺繍やレースをあしらった華やかなデザイン、淡い色合いのモダンなアバヤも人気で、ファッションとしての側面も強まっています。
映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』のなかで、主人公キャリーたちが迷い込んだスークで出会ったアバヤを着た女性たち。実はアバヤの下に煌びやかなハイブランドを身にまとっていたシーンが印象的ですが、ドバイの町でも同じようにバーキンやルブタンを合わせるおしゃれな女性を多く見かけます。「露出を控える」という美徳を守りながらも、ファッションを楽しむ姿は、まさにドバイの女性像。観光の際も、過度な露出は避け、特にモスクでは肌や体のラインを隠し、女性は頭にスカーフを巻くのがマナーです。
男性が身に付ける「カンドゥーラ」は全身を覆う長袖の白いローブ。強い日差しを反射して身体を守る、砂漠の国らしい機能的な衣装です。頭には「ガーフィーヤ(Ghafiyah)」と呼ばれる網帽子の上に「グトラ(Ghutrah)」という布を被り、黒い輪「アガル(Agal)」で固定します。
白は清潔さと誠実さの象徴とされ、日常からビジネス、フォーマルなシーンまで幅広く着用されます。素材はコットンやリネンで通気性が良く夏でも快適。頭のグトラは紅白チェック柄などもファッションで使い分けるそう。
実は男性の白い衣装「カンドゥーラ」は国ごとに少しずつ違いがあり、UAEでは丸首にタッセル付き。サウジでは立ち襟ボタン付き、オマーンでは刺繍と房飾り付きとスタイルの違いで出身国を見分けることができます。多国籍のドバイではさまざまな国のカンドゥーラ姿が見られます。
せっかくならアバヤやカンドゥーラを着て観光をしたいという人へ、購入におすすめのスポットを紹介します。
実際のエミラティ(UAE国民)の方々はテイラー(仕立屋)で自分のサイズぴったりに仕立ててもらうのが定番。観光客が民族衣装を買うなら、旧市街にあるスークがおすすめ。
ドバイを代表する観光地オールド・スークは、観光客向けのお土産雑貨や香辛料などの露店がずらりと並び、その中にアバヤやカンドゥーラも売られています。価格はシンプルなもので100〜200ディルハム(約4000〜8000円)から交渉可能です。現金払いが主流なので、少額紙幣を持参すると便利です。
ドバイの地元の人が集う布スーク。オールド・スーク同様デイラ地区にあり、エリア全体が布類のお店が並ぶ中心にメインの建物「ナイフ・マーケット」があります。区分けされた店舗にずらっと並ぶアバヤは圧巻。とにかく選択肢が広く、子供用や品質も良いものも揃っています。基本的に試着室はありませんが上から羽織るなどして確認ができます。価格はオールド・スークと同様です。
時間がない場合、ショッピングモールでも購入できます。ショッピングモールのブティックでは、モダンなデザインやブランドものも揃い、お値段もお高めですが上質な素材や刺繍ものは特別な記念になります。
そのほか、ディスカウントショップなどでもお手頃に買える場合があります。
アバヤやカンドゥーラ姿で写真を撮るなら、ドバイならではの風景が映えるスポットがおすすめ。
砂色の建物とアラビアンな路地が続く旧市街。伝統的な建造物に伝統衣装が馴染み、エキゾチックな写真が撮れるフォトスポットです。
ショップやカフェ、アートギャラリーが並び、迷路のような細い路地をぶらぶらと散策するだけでも楽しめます。
ドバイから車で約1時間で行ける、アブダビにある白亜のモスク。
大理石の柱やモザイクタイルの美しい外観はもちろん、スワロフスキー製の巨大シャンデリアや世界最大の手織りのペルシャ絨毯など、豪華絢爛のモスクでの撮影に、民族衣装は最適です。厳しい服装チェックも民族衣装であれば問題なし。このモスクに行くために民族衣装を買う価値も十分ありますよ。女性はストールを忘れずに持参しましょう。
アバヤやカンドゥーラは、元々は砂漠の民の民族衣装として機能性を重視したものなので、砂漠ツアーに行く際の服装としてもおすすめです。
金色の砂丘に黒と白の衣装が映えるアラビアン・フォトが撮れます。
家族やグループで衣装を揃えるとさらに素敵な写真に。
参考記事:ドバイ旅行で人気の砂漠ツアー!砂丘ドライブやラクダを大満喫のデザート・サファリ
ドバイの民族衣装は、宗教や文化を象徴するだけでなく、現代でも洗練された日常のファッションでもあります。
観光客として民族衣装を着る際には、その伝統や文化へのリスペクトの気持ちを持つことが大事です。
アバヤやカンドゥーラを通して、ドバイの人々が大切にする美徳や精神を、旅の中で体感してみませんか?