04 地球の歩き方 島旅 利尻 礼文 天売島 焼尻島 5訂版
2026.3.19
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日本各地の島を紹介するガイドブック「地球の歩き方 島旅」シリーズ。新たに改訂された『島旅 利尻 礼文 天売島 焼尻島 5訂版』の担当編集が実際に天売島(てうりとう)を訪問しました。
北海道羽幌町沖にある天売島は、「海鳥の楽園」と呼ばれる日本屈指のバードウォッチングスポット。日本海に浮かぶ小さな島に、100万羽もの海鳥が集まるといわれています。この記事では、本書では紹介しきれなかった天売島の魅力をお届けします。
天売島は北海道北西部、日本海に浮かぶ小さな離島です。羽幌町から約30kmの場所に位置し、周囲は約12km、人口は約250人。徒歩でも約4時間ほどで一周できるコンパクトな島です。
島民はフェリーターミナルのある東海岸側に住んでいますが、反対側の西海岸には高さ100m級の断崖が連なっています。春から夏にかけて、その岩壁には8種類・約100万羽の海鳥が飛来し繁殖地となることから、「海鳥の楽園」とも呼ばれています。
世界中のバードウォッチャーが訪れる憧れの場所でもあります。小さな島のため宿の数は多くなく、観光シーズンは早めの宿の確保がおすすめです。
フェリーで天売島に到着すると、まず目に入るのがウミネコの多さです。港の周辺には多くのウミネコが集まり、鳴き声が響き渡っています。船を降りた瞬間から、「海鳥の島」に来たことを実感します。
港の周辺を少し歩くだけでも、島らしい風景に出会えます。道端には鳥が食べたと思われるウニの殻が落ちていることもあり、海鳥と人がすぐそばで暮らしている島ならではの光景を見ることができました。
天売島へは空路がなく、羽幌港からのフェリーまたは高速船でアクセスします。
羽幌港からの所要時間は
・フェリー:約60分
・高速船:約35分
と、それほど長くはありません。
ただし一般的に高速船はフェリーより揺れやすく、欠航率もやや高いといわれています。船酔いしやすい方は、フェリーの利用がおすすめです。
またフェリー、高速船とともに支払いは現金決済のみ。
現金を忘れないように、要注意!
フェリーは予約なしでも乗船可能ですが(車輛やバイクの積載は予約必須)、高速船は予約必須のため、予約も忘れずに。
今回、筆者は利尻から天売島へ移動しました。
利尻・礼文からフェリーで稚内へ向かい、そこから天売島と焼尻島への船が出る羽幌町まで移動します。ただし、稚内から羽幌まで直接行ける交通機関はなく、鉄道やバスを乗り継ぐ必要があります。
稚内港から羽幌港までは約4時間。ただし、天売島・焼尻島行きフェリーの最終便は14~15時台とかなり早めです。
そのため
・前日に稚内へ移動しておく
・羽幌港周辺で1泊する
といった旅程を組む必要があります。
途中の町で温泉に立ち寄るなど、移動そのものを旅として楽しむのもよいかもしれません。
天売島観光の主役は、グルメやアクティビティというよりもバードウォッチング。島を訪れる人の多くが、海鳥を目当てにやってきます。
今回は、天売ツアーズが催行している「ぐるっと天売島一周ツアー」に参加しました。
料金はおとな1人3000円で、車で島を一周しながら見どころを案内してくれるツアーです。所要時間は約1時間半。
黒崎海岸や、ウトウの巣穴が無数にある赤岩展望台、千鳥ヶ浦園地や海鳥観察舎など、天売島ならではの絶景ポイントを巡ることができます。
今回は日帰り滞在だったこともあり、島内の移動はこのツアーのみでしたが、短時間でも天売島の自然や景観をしっかり楽しむことができました。島の見どころは点在しているため、時間が限られている場合はこうしたガイドツアーを利用するのも効率的です。
4月~7月の海鳥繁殖期には、ウミネコやウミウ、ヒメウなど多くの海鳥を観察することができます。今回はウミネコの繁殖の様子を見ることができました。
さらに、海岸付近では思いがけずアザラシの姿を見ることもできました。
この日は天気があまりよくなく、風も強く海もかなりの荒れ模様。それでも小さな岩場では、1匹のアザラシがのんびり昼寝をしている姿を確認することができました。
波が打ち寄せるなかでも動じない様子がかなり印象的でした。荒れた海のなかでも、島の自然の豊かさを感じさせるひとコマでした。
天売島の特徴は、海鳥と人間がうまく共存していることです。
そのため海鳥は人への警戒心が比較的弱く、繁殖期の様子を比較的近い距離から観察できるのも大きな魅力です。
残念ながら今回は焼尻島への訪問はかないませんでしたが、天売島は想像以上に自然の迫力を感じられる場所でした。
海鳥100万羽が集まる、日本有数のバードアイランド。
フェリーで訪れる小さな島ですが、そこで出会える自然のスケールは想像以上。北海道の離島旅で、ぜひ一度訪れてみてほしい場所です。
離島旅を計画している方は、天売島と焼尻島の見どころが紹介された『島旅 利尻 礼文 天売島 焼尻島 5訂版』を、チェックしてみてください。
TEXT&PHOTO:地球の歩き方編集室 河合 瑛実