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【新潟県】歴史をたどると旅はもっとおもしろい。新潟“3エリア”歴史さんぽ旅(上越・佐渡/中越/下越)

sponsored by 新潟県

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2026年3月30日
公開日
2026年3月30日

新潟の魅力は、自然やグルメだけではありません。地元に息づく歴史を知ることで、旅の解像度はぐっと高まります。今回の『地球の歩き方 新潟』の取材で再発見した“歴史さんぽ”の旅を、「上越・佐渡」「中越」「下越」の3つのエリアに分けて紹介します。

上越・佐渡|北前船と城下町、そして秘湯をめぐる歴史旅

佐渡・小木港と宿根木に残る“海の交易拠点”の面影

現在では、佐渡島の玄関口といえば、新潟港からのフェリーやジェットフォイルが発着する両津港が挙げられますが、中世までは南佐渡エリアにある小木港こそが玄関口でした。「佐渡金山」から掘り出された金が運び出されたのも小木港であり、北前船の寄港地でもありました。小木港からほど近い「宿根木」は、造船と商いの拠点として栄え、現在も当時の面影が色濃く残っています。入り組んだ路地や石置きの屋根、船板を利用した民家が立ち並ぶ、独特の景観。かつての小学校を利用した「佐渡国小木民俗博物館」には、千石船(北前船として使われていた大型の和船)の白山丸が復元展示されています。

©︎PIXTA 佐渡国小木民俗博物館・千石船「白山丸」展示館
©︎PIXTA 路地が入り組む宿根木

直江津から高田へ|北前船が運んだ文化と城下町の記憶

直江津で積み下ろされた荷物は、城下町・高田へと運ばれました。「高田城」は徳川家康の六男・松平忠輝の居城として築かれた名城です。現在では三重櫓が復元され、お堀を取り囲むように桜の木が植えられ、「日本三大夜桜」のひとつに数えられる名所となっています。

 

高田城址公園

雪国の暮らしを体感する雁木通りと最古級映画館

高田駅からこの雁木通りを通って徒歩約10分の場所にあるのが「高田世界館」です。1911(明治44)年に建てられた芝居小屋「高田座」を前身とする、日本最古級の現役映画館。木組の天井やギリシャ風の柱など、和洋折衷の当時の劇場建築が今もそのまま残されています。

現在も映画館として営業している点も魅力のひとつ。純粋に映画を楽しむなら1階席が見やすいかもしれませんが、せっかくなら2階のバルコニー席に座ってみるのもおすすめです。映画が上映されていない時間帯であれば、見学のみで入場することもできます。

高田世界館

赤倉温泉と燕温泉|文人が愛した湯と秘湯の魅力

高田からさらに妙高山方面へ進むと、新潟屈指の温泉地「赤倉温泉」に至ります。1816(文化13)年に高田藩によって開かれた、日本唯一の藩営温泉です。

1906(明治39)年に赤倉温泉を訪れたのが、東京美術学校(現在の東京藝術大学)を設立し「日本近代美術の父」とも呼ばれる岡倉天心です。彼はこの地を「世界一の景勝地」と称賛し、ここはその臨終の地ともなりました。晩年を過ごした山荘跡には、「岡倉天心六角堂」が建立されています。

岡倉天心六角堂

赤倉温泉からさらに山中へ進み、標高1100mの場所にあるのが「燕温泉」。「黄金の湯」と「河原の湯」という2ヵ所の無料野天風呂が人気で、特に「河原の湯」は、山道を分け入ってようやくたどり着く、滝のそばにあるワイルドな混浴温泉です。

白い湯花が特徴の美肌の湯として知られ、上杉謙信の隠し湯とも伝えられています。温泉好きにとって憧れの秘湯です。

燕温泉

⚫︎ルート(2泊3日)
小木
↓フェリー(約2時間40分)
直江津
↓鉄道(約10分)
高田【泊】
↓レンタカー(約50分)
赤倉温泉【泊】
↓レンタカー(約10分)
燕温泉

物件名 住所 営業時間 定休日 料金 アクセス
佐渡国小木民俗博物館・千石船「白山丸」展示館 佐渡市宿根木270-2 8:30~17:00(最終入場16:30) 無休 大人500円、小中学生200円 小木港から車で約10分
高田城址公園 上越市本城町44-1 入園自由 無休 無料 高田駅から徒歩15分
高田世界館 上越市本町6-4-21 9:30~20:00(変更あり) 火曜 見学500円(映画鑑賞別途) 高田駅から徒歩10分
岡倉天心六角堂 妙高市赤倉557 散策自由 冬季降雪時 無料 妙高高原ICより車で10分

中越|『北越雪譜』が描いた雪国の暮らしと文化をたどる

江戸のベストセラー『北越雪譜』が伝える雪国のリアル

『北越雪譜』という本をご存知でしょうか。塩沢(南魚沼市)の縮仲買商・鈴木牧之が雪国越後の姿を描いた、江戸時代のベストセラーです。1837(天保8)年に初編(3巻)が出版され、1841(天保12)年に第二編(4巻)が出版されました。

直木賞作家・木内昇さんがこの『北越雪譜』を題材に『雪夢往来』という小説を出しており、2025年の大佛次郎賞も受賞しています。『北越雪譜』を知っている人も知らない人も、ぜひ読んでほしい1冊です。『雪夢往来』を読めば『北越雪譜』に興味を持つことは請け合いです。

さて、オリジナルの『北越雪譜』ですが、雪国ならではの自然や風俗を詳細に紹介しています。たくさんの挿絵が入っており、これがまた秀逸です。

初編の最初には、とにかく雪を見たことがない江戸や大坂の人々に雪がいかなるものであるのかを詳しく説明しています。雪おろしの様子から、ミノ、カンジキ、コシキ(雪おろしや除雪に使った木製のスコップ)といった雪国ならではの生活道具まで紹介し、さらには雪の結晶まで描かれており、鈴木牧之の視点がいかに繊細であったかをうかがわせます。お祭りなどの風俗についても紹介されています。そのひとつが「雪中花水祝」。婿が頭から御神水をかけられる奇祭で、現在も魚沼市で毎年2月の第2土曜日に開催されています。このあたりの生活道具や雪国ならではの風習については、「十日町市博物館TOPPAKU」の展示を訪ねてみると、より理解が深まるはずです。

他にも松尾芭蕉が歩いた越後での足跡を、彼が詠んだ句とともに紹介しています。ちなみに松尾芭蕉の有名な句のひとつ「荒海や佐渡に横たふ天の川」は、寺泊(長岡市)で詠んだものです。

鈴木牧之の興味は、奇譚や伝説のようなものにまで向けられています。例えば雪中幽霊や熊が人を助ける話などで、中でも目を引くのが「異獣(いじゅう)」です。毛むくじゃらで恐ろしい見た目ですが、握り飯をあげると荷物を運んでくれるというなんともユニークな生き物です。ちなみに南魚沼市の青木酒造が『雪男 純米酒』という日本酒を出しており、そのラベルに描かれているのが、この「異獣」です。実はこの蔵元の祖先がかの鈴木牧之だというから驚きです。

雪中歩行用具(『北越雪譜』初編上之巻より)
異獣(『北越雪譜』二編冬より)

牛の角突きに見る地域文化と人の営み

『北越雪譜』の中には登場しませんが、鈴木牧之が世に知らしめたものが、「牛の角突き」。二十村郷と呼ばれていた地域の風習で、鈴木牧之が曲亭(滝沢)馬琴に伝え、『南総里見八犬伝』のエピソードのひとつとして挿絵ともに描かれています。牛の角突きは、現在も5~11月に長岡市(山古志)と小千谷市で開催されています。体重1トンもの牛たちがぶつかり合い、これを勢子たちが「ヨシター!」との掛け声と共に盛り上げます。勝敗はつけずに引き分けとするのが流儀。いきり立つ牛たちに素手で掴み掛かり上手く捌くのが勢子の腕の見せどころでもあります。この様子は『南総里見八犬伝』に描かれている姿そのまま。国の重要指定文化財ともなっているこの闘牛、ぜひ観に行ってみてください。

牛の角突き(小千谷市闘牛場)

日本最古の即身仏と名刹・西生寺を訪ねて

今回の『地球の歩き方 新潟』を取材進める中で再発見したユニークな物件として「日本最古の即身仏」があります。即身仏は山岳信仰と結びついているので山形県が有名ですが、そのほとんどが江戸時代のものです。ただ一体だけ室町時代の即身仏が存在しています。それが弥彦山の西の麓、野積(長岡市)の「西生寺」にあります。住職に案内され、かの即身仏を拝ませていただきました。これがまた本当にすごいお寺で、良寛や親鸞、松尾芭蕉、田中角栄も訪れたという名刹です。さて、そこでふと思ったのです。これほどの名刹……もしやと思い、家に戻ってから手元にある『北越雪譜』の複製本をひっくり返してみると、やはりありました! 「弘智法印」として挿絵付きで紹介されています。

江戸時代に出版された『北越雪譜』は、現在も岩波文庫から出版されており、70刷以上を重ねる時代を超えたベストセラーとなっています。この本を片手に、令和時代の新潟を旅してみるのも一興でしょう。鈴木牧之の故郷、南魚沼市塩沢には「鈴木牧之記念館」があり、江戸時代に刷られた本も展示されています。

 

⚫︎ルート(1泊2日)
塩沢
↓鉄道(約1時間)
十日町
↓鉄道(約30分)
長岡【泊】
↓鉄道(約1時間)
寺泊
↓タクシー(約20分)
西生寺

西生寺の即身仏木造複製
弘智法印(『北越雪譜』二編冬より)
物件名 住所 営業時間 定休日 料金 アクセス
十日町市博物館TOPPAKU 十日町市西本町1-448-9 9:00~17:00(最終入場16:30) 月曜(祝日の場合は翌平日) 600円(中学生以下無料) JR・北越急行十日町駅から徒歩約10分
山古志闘牛場 長岡市山古志南平地内 要確認 5~11月の月に1度開催 3000円(中学生以下無料) 開催日はJR長岡駅からシャトルバスあり(有料)
小千谷闘牛場 小千谷市小栗山2453 要確認 要確認 2000円(中学生以下無料) 開催日はJR小千谷駅からシャトルバスあり(有料)
西生寺 長岡市寺泊野積8996 9:00~15:30 不定休、12~3月 大人500円、小中学生300円(即身仏の拝観料) JR寺泊駅から車で約20分
鈴木牧之記念館 南魚沼市塩沢1112-2 9:00~17:00(最終入場16:30) 火曜(祝日の場合は翌日) 大人500円、小中高生250円 JR塩沢駅から徒歩約10分

下越|新潟湊と北前船がつくった“日本海側最大都市”の歴史

北前船がもたらした繁栄|新潟湊の成り立ち

新潟県の県庁所在地にして日本海側最大の都市となっている新潟市。信濃川の河口に位置するこの町が現在のような大都市になったのは、ここが日本海廻船、いわゆる「北前船」の湊町として栄えたことによります。

北前船とは、江戸中期から明治30年頃にかけて、大坂(大阪)と松前(北海道)を日本海経由で荷物を運んでいた商船のことです。ポイントはただの荷物運搬船だったわけではなく、「買積」を行っていたことにあります。寄港地で商品をなるべく安く買って、別の寄港地でなるべく高く売る、つまりは動く商社だったのです。

江戸時代に入ると、徳川家康によって江戸を起点とした五街道(東海道、中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道)が建設され、日本全国の物流ネットワークが格段に整備されることになります。とはいえ、五街道は基本的には雪の少ない太平洋側に整備されたものであり、日本海側の街道整備は後回しにされていました。そのため日本海側の価格差は大きく、大坂と松前を一往復するだけで千両(今の価値にすると数千万~1億円)もの利益が出たと言われています。

  • 信濃川河口にある新潟市歴史博物館みなとぴあと旧新潟税関庁舎
  • 旧新潟税関庁舎

港町に残る信仰と物語|神社と人々の祈り

ここで新潟市中央区に残された北前船ゆかりのスポットをいくつか紹介していきます。

まずは「湊稲荷神社」。ここには回る高麗犬があります。これは江戸時代、花街の女性たちが北前船の船乗りの出航を止めようと、高麗犬の向きを変え荒天を願ったのが起源と伝わっています。ちなみに女性は左側、男性は右側の高麗犬を回すのがしきたりです。

西厩島町にある「金刀比羅神社」は、北前船の船主たちのあつい信仰を集めてきた神社で、海上安全を願って奉納された北前船の模型28点が残されており、これは国の指定文化財にも指定されています。

同じ名前の「金刀比羅神社」は寄合町にもあり、こちらの神社は、廻船問屋の鈴木弥五左エ門が大嵐に遭った際に金刀比羅大権現のご加護により救われたことを起源とする神社です。拝殿には大きな『難船彫刻絵馬』が奉納されています。

北前船の水先案内人(水戸教)が天候や海の観測を行っていたのが「日和山」。標高12.3mの山ですが、江戸時代は新潟随一の眺望を誇る観光名所でもあり、吉田松蔭が訪れたという記録も残っています。

 

湊稲荷神社の回る高麗犬
日和山の山頂にある住吉神社

開港五港のひとつとして発展した新潟の近代史

 

さらに新潟は、ペリーの黒船来航により欧米諸国と結ばれた修好条約により、函館、横浜、神戸、長崎とともに開港5港に選ばれ、1869年1月1日に開港(開港布告:1868年11月19日)し、急速に都市が整備されていくことになりました。その時に建造されたのが、「新潟市歴史博物館みなとぴあ」の敷地内に残されている「旧新潟税関庁舎」です。これは1869(明治2)年に建てられたもので、1966(昭和41)年まで使われていました。ちなみに開港五港のうち税関庁舎が現存しているのは新潟市しかありません。その理由は、アメリカ軍による空襲が行われなかったためです。これは原爆投下の候補地に挙げられていたからで、1945(昭和20)年8月6日、広島市に原爆が投下されると、新潟市には強制疎開命令が出されました。終戦時には、新潟市街は空っぽだったと伝えられています。かくして戦火を逃れた新潟市は終戦当時、京都市や金沢市と並ぶ古い街並みが残された都市だったのです。残念ながら、その後に見舞われた1964(昭和39)年の新潟地震や地盤沈下などの影響により、街並みは変化を余儀なくされたものの、今なお新潟市は往年の湊町の面影があちこちに感じられる歴史の町です。

⚫︎ルート(半日)
新潟駅
↓タクシー(約10分)
新潟市歴史博物館みなとぴあ(旧新潟税関庁舎)
↓徒歩(約10分)
湊稲荷神社
↓徒歩(約10分)
金刀比羅神社(難船彫刻絵馬)
↓徒歩(約15分)
日和山
↓徒歩(約20分)
金刀比羅神社(奉納和船模型)

物件名 住所 営業時間 定休日 料金 公共交通機関でのアクセス 徒歩でのアクセス 車でのアクセス
新潟市歴史博物館みなとぴあ(旧新潟税関庁舎) 新潟市中央区柳島町2-10 9:30~17:00(観覧券販売は~16:30) 月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日 大人390円、高校・大学生260円、小中学生130円(小中学生は土・日・祝日は翌日) JR新潟駅から路線バス ①万代口バスターミナルより≪萬代橋ライン-青山方面行≫に乗車(約6分)→「本町」下車 → 乗り換え(徒歩約5分) → ≪東堀通線-入船営業所行≫に乗車(約8分) → 「歴史博物館前」下車すぐ 路線バス(柳都大橋線) ②万代口より≪柳都大橋線-入船営業所行≫乗車(約12分) → 「湊町通二ノ町」下車(徒歩約8分) 観光循環バス(City Loop) ③万代口バスターミナルより乗車(約40分)→ 「歴史博物館前」下車すぐ JR新潟駅から徒歩約25〜30分程度 磐越自動車道 新潟中央IC から車で約20分程度 または タクシーでJR新潟駅から約10分程度
湊稲荷神社 新潟市中央区稲荷町3482 参拝自由 無料 JR新潟駅万代口より新潟交通バス「昭和大橋経由入船営業所行き」、または新潟市観光循環バス「朱鷺メッセ先回りコース」に乗車、「歴史博物館前」下車後、徒歩で5分 新潟市歴史博物館みなとぴあ(旧税関庁舎) から 徒歩約3〜5分 磐越自動車道 新潟中央IC から 車で約25分
金刀比羅神社(奉納和船模型) 新潟市中央区西厩島町2338-1 9:00~17:00 参拝自由 無料 JR新潟駅からバス ①新潟交通バス C60 八千代橋線(八千代橋経由 入船営業所行)  → 約22分乗車 → 「横七番町2丁目」下車 徒歩約1分 ②新潟交通バス C70 柳都大橋線(柳都大橋経由 入船営業所行)  → 約16分乗車 → 「下島公園前」下車 徒歩約1分 JR新潟駅から徒歩:徒歩だと約20〜30分 北陸自動車道 新潟西IC から車で約20分
金刀比羅神社(難船彫刻絵馬) 新潟市中央区寄合町4579 参拝自由 無料 JR新潟駅から ①新潟交通バス利用 C60 八千代橋線(八千代橋経由・入船営業所行)  → 約22分 → 「横七番町2丁目」バス停 下車 徒歩約2分 ②C70 柳都大橋線(柳都大橋経由・入船営業所行)  → 約16分 → 「下島公園前」バス停 下車 徒歩約3分 JR新潟駅から徒歩約25〜30分 北陸自動車道・新潟西IC から車で約20分
日和山 新潟市中央区東堀通13番町2962-1 散策自由 無料 新潟交通バス(柳都大橋線・昭和大橋経由など) 新潟駅 万代口から乗車 →  「本町/歴史博物館前」バス停 下車 徒歩約10分前後 新潟市歴史博物館みなとぴあ(旧新潟税関庁舎) から 徒歩約10分程度、湊稲荷神社 から 徒歩約10分程度 磐越自動車道 新潟中央IC から 車で約20分
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